単行本で発刊されたものから大幅に加筆訂正されて文庫化されているそうです。
富樫氏の小説は初めてなのですが、文章が非常に読みやすく、情景がスッと頭に浮かんでくる描写力は素晴らしいですね。
ページ数の多い分厚い本なのにも関わらず、あっという間に読み終えてしまいました。
タイトルに「二十四時間」とあるのは、米国テレビ番組「24」の手法を取り入れたからと解説にありますが、事件の前後24時間だけを描いているわけでもなくて、全三章構成の内、第一章はそこへ至るまでの数年分くらいが描かれています。
ここで描かれている、本能寺の変の黒幕については、前にちらと聞いたことがあるのですが、しっかりとした時系列で小説化して、真実味を与えているのは他になかったと思います。
実際、惟任日向の守が何故にああいう行動に出たのか、未だに誰も答えを出せないことを考えると、濡れ衣を着せられたというのが一番真実味があるんですよね。
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