2018年1月16日火曜日
天皇は本当にただの象徴に堕ちたのか 変わらぬ皇統の重み / 竹田 恒泰
大日本帝国憲法は天皇は神で絶対権力を持つとする、と多くの人が思い込んでいますが、実際には立憲君主制で、天皇が勝手に権力を乱用しないように厳しく制限されていたのです。
そういう意味で、現行の日本国憲法と大日本帝国憲法における天皇の地位は何も差がない、ということを論理的に示されています。
現在の日本の憲法学者(倉山満氏によると「日本国憲法」の文言の専門家で「憲法」学の学者ではないそうですが)は、東京大学名誉教授であった宮沢俊義先生が唱えられた解釈を、絶対的なものとして扱っています。
竹田氏は、その解釈に意義を唱えられ、キチンとした論理をもって反証されています。
まあでも、これまでに読んだ大日本帝国憲法関係の書籍によれば、そもそもこの宮沢先生は、戦前、戦中、戦後のGHQ支配下時、GHQ撤退後で、その時の権力者に都合のよい(昨年流行の「忖度」をした)論を展開されている、謂わば御用学者さんということなのです。
東大のお偉い先生だからということで学会の先生方は誰も逆らえなかったので、その説が絶対的なものになってしまっていると。
日本の学会(には限らないですけど)の一番悪いところですね。
なので、元々無理に無理を重ねた説なので、それを理路整然と論破された竹田氏のご苦労には頭が下がります。
なお、本書は前哨版だそうで、完全版は今春刊行とのこと。
本書の登場で、憲法学会の通説が変わるといいんですが。
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