本作も「このミステリーがすごい!2017年」で大賞を受賞した作品です。
内容的に実際に癌治療を行った経験があるのかな?とプロフィールを確認したら、実際に国立がん研究センターで研究を行われていたそうです。
現在は医療系出版社に勤務だそうで、文章の巧さも納得です。
本作が作家としてのデビュー作になるわけですが、ストーリー構成や進め方、文章の読みやすさなど、なかなかのものです。
最後の落ちの部分が、ヒントになるものが直前まで出て来ておらず、物語の途中で推理するには材料が不足しているのが、ちょっと惜しいかなという気はします。
現在の医療技術だと、癌を利用した保険詐欺も可能なんですね。
癌が高い確率で治癒できるようになるまで、もう少しらしいですが、どうなのでしょうか?
本作の中での主人公が妻にがんの説明していて、妻が「がんへの道は長く険しい」とつぶやくシーンがあります。
がんになるまでには、細胞内の様々ないくつもの安全装置が働いて、なかなかがんに至ることはなく「がんはひとつの奇跡だ」そうです。
まあ人の寿命が飛躍的に伸びて、なかなか死ななくなったから、何とか死のうとしてがんになるということなんですかね?
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