2020年5月5日火曜日

MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論 / 島倉 原



Amazon Kindle Unlimitedで、週刊実話が読めるのですが、それに経済評論家の三橋貴明氏のコラムがあり、そこでMMTの解説をされています。
事前にそれを読んである程度の基礎知識があったので、何とか本書の内容を理解することができましたが、いきなり本書を読んでいたら到底理解できなかっただろうなと思います。
MMTでいう貨幣の概念を理解するのが難しいのは、殆どの人が兌換紙幣時代の貨幣概念のままで、物々交換での価値観でしか貨幣価値を考えられないからです。
貨幣発行元(通常は政府の中央銀行)に対する信用に基づく「信用貨幣」というのが、このシステムに世の中が切り替わってから長いのに、兌換紙幣からの切り替えがスムーズだったために、価値観が根底から変わったことに誰も気が付かないまま今に至っているわけです。

日本の財務省がことある毎に「1000兆円の借金」ということを言いますが、貨幣発行権を持つ政府の負債と、一般民間人/企業の負債の意味が全く異なるので、借金というのは全くの嘘です。
政府の負債は返済する必要のない負債なのです。
例えば、誰もがお財布に入れている「日本銀行券」というのがありますが、あれは「日本銀行は、この券を所持している人に額面の借金をしています」という借用証書なのです。
実際、紙幣や硬貨として発行された貨幣は、日本政府の負債として計上されています。(ざっと100兆円)
この負債である紙幣を、日本銀行や政府に突きつけて「この借金を返せ」という人がいますか?
いませんよね?
残りの900兆円にしても、日本銀行の口座預金の残高という形で発行された貨幣なので、やはり誰も「この借金を返せ」とは言いません。
だって、政府の負債は、そのまま一般民間の資産になるからです。

本書ではこの辺りの仕組みを解説されていますが、これが日本人全体に正しく理解されたら、財務省の嘘がばれるので、財務省とその取り巻き(御用マスコミ)はMMTを必死で否定しています。
官僚の嘘に惑わされないように、国民の皆さんはきちんと勉強をしましょう。

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