2020年11月1日日曜日

【くるまのおと】福野礼一郎のクルマ論評5 Motor Fan illustrated特別編集 / 福野礼一郎

 

 クルマ論評シリーズ第5弾が発刊されました。
春に「あれ以降」シリーズ、秋にこの「クルマ論評」シリーズが発刊というのが、恒例になりつつありますが、昨今の出版状況からすると、このペースで発刊できるのも後何年続くか怪しいところですが。

本巻はタイトルに「Motor Fan illustrated特別編集」が付いている通り、Motor Fan illustratedの連載記事を加筆修正したものが掲載されています。
Motor Fan illustratedを書店で購入すると、お値段が高くてなかなか購入しようという気にはなれないと思いますが、Amazon Kindle Unlimited にて毎月Motor Fan illustrated最新号が読めますので、お薦めです。
本誌で「もう読んだよ」という方々も、色々と大人の事情(スポンサーへの配慮とかいうやつ)で書けなかった話が、こちらでは忌憚なく書かれていますので、一読の価値はあるかと思います。

これからクルマを買う参考にしようという方には、少し記事が古めになっていますので、バリバリの発売したての新車購入の参考にはなりませんが、数年落ちの中古車(特にメーカー認定中古)を狙っている方々には参考になるかと思います。

ところで、後書きに出て来ますが、空飛ぶクルマというアイデアが如何に馬鹿げたものかについて述べられています。
小型ドローン(中華製で独占状態ですが)が恐ろしい勢いで広がりつつあり、テレビドラマや映画などでそれを大型にして兵器や人を乗せるドローン式の航空機が登場したりしているので、一般の人は人気の小型ドローンをそのまま大きくすれば直ぐに空飛ぶクルマができると思い込まされているのかも知れません。
が、我々が住む3次元空間には2剰3剰特性というのがあるので、小さいので上手くいっても大きくすると上手くいかないのです。
数学的な問題なので、技術者ならすぐに判る問題だと思うのですが、世界でも有数の自動車企業のエンジニアが退職してまで開発しているというのは…。
雑誌で数メートル浮かばせることに成功したという記事が載っていましたが、その記事の空飛ぶクルマの写真を見る限りでは、この法則を超える新しいブレークスルーがあるようには見えなくて、単純に小型ドローンをそのまま大型化すればいけると思ってるようにしか見えなかったんですが…。

 

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