2021年2月7日日曜日

人魚ノ肉 / 木下 昌輝

2年半程前に発刊されていた作品ですが、後述の新刊の帯に本作が記載されていて、まだ読んでない作品だったので、新作と一緒に買って来ました。

短編集ですが連作になっており、登場人物が重なっており、先に登場する短編が後の短編の伏線になっていたりして、全体としては長編物語になるような構成になっています。
単行本デビュー作の宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)が同じような構成になっているので、氏が得意とするスタイルになるのかも知れません。

短編毎に主人公が変わり、それぞれの視点から幕末の京都を描いています。
中心は新撰組ですね。
新撰組の好きな方には興味深い内容ではないかと思います。

各隊のリーダーを「隊長」ではなく「組頭」と書かれているのは、莫大な資料を読み解き史実に忠実であろうとする氏であればこそでしょうね。
組織の名称は「組」だけと、トップは「局長」なのは有名ですが…なんでそうなのかを解説した歴史書にはまだ出会ったことがないです。
本書でもそこは特に触れられてはいないですが。

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