2021年6月13日日曜日

ぼくは縄文大工 石斧でつくる丸木舟と小屋 / 雨宮国広

元々は普通の大工さんだったのが、宮大工になり、更には古代の人々の建築を知りたくて石斧の研究をする内に、縄文時代や旧石器時代の建築物や構造物を再現するのが本業になった方のお話です。

縄文時代の人々が、意外と豊かな生活をしていたことや、日本海を渡って今のシベリアの辺りに進出していたり、黒潮を超えて八丈島との交易を行っていたりしていたことは、遺跡の発掘で分かってはいますが、実際にそのような航海を行える船があったのか(作れたのか)については、結論が出ていません。

著者は縄文時代の工法(といっても分かっていることは少ないので、色々と推定と実権を重ねた上での工法ですが)により、キチンと人が快適に住める家が建てられることを証明され、更には実際に住んでみて生活体験をすることまでされています。

旧石器時代に中国大陸から台湾島、琉球列島を伝って、九州に人々が来ていたのではないかと推測されているのですが、実際に航海が可能なのか、旧石器時代の石器だけで船が作れるのか、という実験にも参加され丸木舟を製作されたそうです。
実際にやってみたいと分からない(というか、長い歴史の間に便利な道具鉄器が発明され、失われてしまった技術が色々と再発見されたらしいです)ことがあるわけで、無事に台湾島から与那国島までを石器のみで製作した丸木舟で渡ることに成功したそうです。

古代の人の知恵と技術の素晴らしさは、現代人類よりも上なんですよ。

 

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