ウィルスの専門家によるウィルスとは何かを解説されたものです。
ウィルスは自己増殖能力がなく、生物の細胞に取り憑いて増殖機構を借りて増えるので、生命が誕生してからでないと存在できません。
しかし構造が単純なウィルスの方が先に生まれて、それが進化して自己増殖機能を獲得したと考える方が、化学的にはあり得やすいのも事実です。(実際にそういう学説もあります)
本書を読んで初めて知ったのですが、動物の細胞同士で情報(RNAの欠片など)をやり取りする物質があって、実はそれがレトロウィルスと非常によく似ているのだそうです。
その機能と構造を見ても、一部がなんかの間違い(元になったDNAの異常とか)で、ウィルスに変わってもおかしくはないと思わされてしまいます。
ウィルスによるDNA書き換えが、進化の原因の一つであるというのは、最近では定説になりつつありますが、こういうことを見ていると、進化するためにウィルスを生物が自ら生み出したのではないか?と思ってしまいます。
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