天武天皇は、謎の多い方で、「逆説の日本史」でも指摘されていましたが、日本書紀に生年が記載されていなくて、年齢不詳状態なのです。
逆説の日本史では、天智天皇より年上の庶子だったためでは?という推測をされています。
本書では、皇子の生年から推測して、天智天皇より10歳前後年下だったのでは?という推測をされています。
本書は、天武天皇の生い立ちとか正体を暴くみたいなものではなく、天武天皇が推し進めようとした律令政治への転換について、資料を紐解き読み砕き解明されています。
大陸の律令制度を取り入れようとしたのは、天智天皇が皇太子だった時代からというのが定説だと私は思ってますが、本書では皇太弟だった天武天皇が天智天皇時代から推し進めてきた、という説を唱えられています。
本書を読むと、律令制度がどのように変換して来たか、当時の人達が法治というものを導入するのに辺り、どのような苦労があったのかがよくわかります。
それ以前は、豪族による人治で、各地方(国)をその地の豪族が治めていたわけですが、天武天皇はその領地の支配権を巧みに奪い、朝廷の役人による統治に変えていったとのこと。
言われてみれば確かにそこは重要なポイントなのですが、今までその視点から律令制度や国司派遣などを解説した歴史学者は皆無だったのではないかと思ってしまいました。
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