2022年2月26日土曜日

源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義 / 高田 崇史

なぜそんなことをしたのか?
歴史の中では、不思議に思うことが色々とあります。
が、資料至上主義の現代日本の歴史学では、説明になってない説明でスルーしてしまっていることが多々あります。
本書の主人公は、それをスルーできずに真面目に研究を進めようとしたために、歴史学会からはみ出してしまった学者の物語ですね。

なぜ清盛が頼朝や義経を殺さなかったのか?
なぜ平氏である北条氏が、頼朝を助けたのか?

こういう基本的なことに対して、明確な理由を挙げている書は、私には本書が初めてです。
共産党の洗脳を受けた日本の学者さん達は、現代の常識で過去を考えるから、怨霊信仰や血統主義が理解できないんでしょうね。

 

2022年2月11日金曜日

[新版]日本国紀 / 百田 尚樹

 

百田氏の著書は、実はまだ読んだことがなくて、過激な言動で賛否を招く方だというくらいしか知らなかったのですが、これを読んでなるほど確かにこれは批判者が多いわけだと納得しました。

言われていることは極めて正論ですが、既得権を持っている連中には非常に嫌な部分を正確に点かれていて、これが広まると立場上不味いことになる人が、特に権力を持っている人達には、多いでしょうね。

上巻は古代から幕末までの近代を描かれています。
歴史学者さん達をけちょんけちょんに否定してます。
まあそれは逆説の歴史などでも、四半世紀前から、日本の歴史学者の根本的な欠陥を指摘し、日本の歴史学は科学的な要素が全くないのですが。

下巻になると、日本の学会や教育界に批判がいきます。
今では共産主義国家というのは、実は独裁国家で、指導者は狂人ばかりというのが明らかになってきましたが、終戦直後から20世紀の終わり頃まで、日本の学会や教育界は、共産主義者により支配されていたと言っても過言ではない状況です。
それゆえに、いまだに根拠もなく、半島や大陸を盲目的に礼賛する人が多いのですよね。
しかも未だにお説を曲げようとしない。
それでも日本の学会の重鎮でいられる。

氏は朝日新聞の犯罪行為も、繰り返し追及しています。
出鱈目な記事で、日本国家に大変な損害を与え続けているにも関わらず、未だに発行部通で1位2位を争っているというのが、日本国民の民度の低さを示していると思うんですけどね。
こんな新聞社が、存在を許されているというのは、日本の残念なところです。
大日本帝国海軍が、アメリカ合衆国に戦争を仕掛けた理由の一つが、朝日新聞が散々「海軍はさっさとアメリカと戦争して懲らしめろ!」と煽りまくったことは、ほとんどの人が知らないのか知ってても知らないふりをしているのか。

日本という国がどんなに素晴らしい国か、ということを、氏は本書で繰り返し説かれています。
とはいえ、日本人は勢いに乗ると調子ぶっこいて自滅に向かう癖がある(から大東亜戦争を始め、バブルでは世界中の資産を買い漁った)、少しは天皇家の方々を見習い、常に冷静に自重し、身を慎むことを覚えるべきでしょうけどね。


2022年1月29日土曜日

家康の女軍師 / 近衛 龍春

実在した人物を題材にはしていますが、まああくまで小説なので、実際にはこういうことはなかったでしょう。
家康公に影武者がいたという噂は昔からあって、それを題材にした小説や劇画は色々とありますが、側室の一人が影武者をしていたというのは、ちょっと大胆すぎる気がします。

それはさておき、小説としては非常によくできており、楽しんで読めました。
近衛氏の小説は、まだあまり読んでいないのですが、時代小説として歴史考証をしっかりと行った上で、読者を騙すのが上手くて、いつも楽しめます。

 

日本人だけが知らない「本当の世界史」古代編 / 倉山 満

欧米の白人は、自分達こそ世界の中心、という顔をしていますが、そう言えるような状況になったのは、比較的最近のことで、長らく世界の中心は現在のトルコ辺りの西アジアでした。
日本では平和な時代が非常に長く続いて、民族の虐殺など起こらずに、同じ文化を持つ民族だけで歴史を育んで来たので、常に止まらず後退せずに進化を続けてきました。
が、世界的に見て、そういう国は他にないんですよね。
GHQによって刷り込まれた自虐史観から、いつになったら日本人は抜け出せるのか。


2022年1月18日火曜日

「日本教」をつくった 聖徳太子のひみつ / 井沢 元彦

表紙のイラストが目つき悪過ぎて、まるで太子が極悪人のように見えますが、もうちょっとどうにかならなかったんですかね?

それはさておき、本書での指摘で「皇太子で諡があるのは聖徳太子だけ」というのがありまして、そういわれれば確かにそうかと。
天智天皇の皇太子であられた大友皇子は、後に天皇位に就かれていたとして、天皇の諡を贈られていますが、これは即位を後から認めた形なので、皇太子のままで諡が贈られたわけではないです。
となると、聖徳太子は実は皇位に付いていたけど、それをなかったことにされた可能性も高いと思います。
法隆寺だったか四天王寺だったに、太子のことを法王と記したものがあるそうで、それを根拠に皇位に付いていたいう説もありますし。

十七条憲法は、「廃案の朝議が出されていないから、今でも有効である」という方もおられますが、条文が法的に有効かどうかに関わらず、現代日本でもほとんどの日本人は無意識に守っていることは確かです。
実はこの憲法があるので、古代から日本は立憲君主制だったとも言えるのですよね。
大英帝国が立憲君主制に移るよりも、1000年以上早いわけで。
(世界初かというと、古代中国の伝説とか、古代ローマ帝国の制度とか、そちらの方が早いということもできなくはないので、法制度と歴史の専門家の判断を仰ぎたいところですが)

いずれにしても、聖徳太子の業績というのは、歴史上間違いなくあったわけで、諡の意味も知らない歴史学者とかがいくら否定しても、法隆寺や四天王寺が消えてなくなるわけではないですからね。


2022年1月15日土曜日

縄文語の発見 / 小泉保

 本書は元々1997年に発刊されていますが、新装版として何回か再発刊をしているようです。
残念ながら、作者は既にお亡くなりのようなので、この後の研究で何か新発見があったのかはわかりません。

現代日本語は、少なくとも平安京/平城京時代には、ほぼ今の形が確立されていることは間違いないのですが、ではそこからどこまで遡れるかというと、弥生時代までだろうというのが通説だそうです。
しかし昨今の日本人や周辺地域の民族のDNA解析により、弥生文化は半島や大陸からの大量の移民によりもの、という幻想は否定されつつあります。
現代日本人はほぼ縄文人そのまま、というのが定説になりつつあります。
だとすれば、我々が話している言葉も、縄文時代から話されていた言葉が元になっていると考えるのが自然です。

単語を比較して、どこそこの言語の単語と共通性がある、というのは現代日本語のルーツを調べる上では殆ど意味がないことだと思っています。
というのも、我々日本人にしても、半島や大陸の人達にしても、使っている単語の殆ど(6割くらいといわれています)は、明治時代に欧州語の翻訳言葉として日本で創作された和製漢語です。
また平城京時代辺りから、漢文の読み下し文というのが入ってきて、その頃の漢語や唐語が日本語化した単語や慣用句が多く、一見大和言葉のように思えても実は漢語が元になった単語や言い回しだったりすることがあるからです。

本書ではアクセントや母音子音の音に注目して、縄文語を復元する試みをされています。
対象として選ばれている単語が、純粋な縄文語のまま伝わったものとも思えないのですが、発音やアクセントに痕跡が残っているという推測は、納得できます。

日本語の特殊性(世界中のどこにも似た言語が存在しない、孤立言語)を説明できるとすれば、1万年以上前から他から断絶した環境で育成されたということ、というのを以前別の書物で読んだことがありますが、本書での結論は、それによく一致しています。


彗星狩り : 星のパイロット2 (上・下) / 笹本 祐一

 

 

星のパイロット (創元SF文庫 さ 1-9)の続編です。
これも20年以上前に書かれたものだそうですが、今回の発刊に伴いかなり加筆修正をされたようです。
にしても、20年前に未来を予想して、これだけのものを書くというのは本当に大変です。
実際、世の中のなんちゃら評論家が未来予想したものを後から読むと、まあまず当たっていることの方が少ないです。少ないというか、まず全滅が普通。

宇宙開発が人類にとってどれくらい重要なことなのか、先進国各国の首脳達が理解できていれば、今頃は衛星軌道で地球を一周するのが、流行りの新婚旅行になっていてもおかしくはなかったんですけどね。