2017年11月29日水曜日

和僑 / 楡周平



プラチナタウン (祥伝社文庫)の続編です。
現代日本の抱える問題をどう解決するべきか。
楡氏の小説では、その問題を真剣に捉え、調査し、一つの現実的な案を提案されています。
これが単なる小説であることに留まるのは、非常に惜しいと思うのですが、官僚や政治家の人達は、忙しすぎてこういう小説を読む暇はないんでしょうかね?

華僑とユダヤは、どれくらい離れていても家族の繋がりはしっかりと保ち、何代経ても民族の風俗・習慣・言語を捨てません。
しかして日本人と朝鮮韓国人は、移民して2世になると言葉も片言、3世になると全く祖父母の母国語は話せなくなります。
根本的に何かが違うのでしょうけど、それゆえ和僑というアイデアは出ても、華僑のようにというわけにはなかなか行かないんですよね。

2017年11月28日火曜日

神の時空 貴船の沢鬼 / 高田崇史



「神の時空」シリーズの第三弾の文庫化です。
このシリーズが始まってから、物語の中では数日しか経っていないんですね。
1冊がほぼ一日の話。
展開が早いから、もっと長い時間が経っているように思えますが、思い返せば確かにそのくらいの刻を経ていない。

京都市の北東部の山中にある貴船(きふね)神社が舞台です。
一度、横を通った(叡山電鉄の鞍馬駅から山を登って降りると貴船神社の入り口に辿り着く)ことがあるのですが、山を越えただけで体力を使い果たし、神社本殿への階段を登る気力が残っておらずそのまま帰ったため、お参りしたことはないのです。
貴船口で降りて舗装された道路を歩いて行けば、お参りする体力は温存できるでしょうけど、紅葉の季節に色付いた山の木々を撮影するとなると、そのコースでは絵になるものが撮れないんですよね。

で、貴船神社の由来とか祭神については何も知らなかったのですが、本編を読んでちょっと驚きです。
貴船神社が非常に古い創建で、平安京に遷都する遙か以前からあることは知っていたのですが。
秦氏が京都を拠点にして開墾整備したのを、天皇や上級貴族が取り上げて平安京を作り上げたという話を聞いたことはあるのですが、その秦氏が住み着くよりも前に国つ神の人びとが京都を拠点としていた可能性が高いってことですね。

2017年11月24日金曜日

續 信長私記 / 花村 萬月



信長私記 (講談社文庫)の続編です。
「續」は「続」の異字体ですが、わざわざ普段使わない方を題字に使用したのは何か意図があるのでしょうか。
内容から特にその必要性は読み取れませんでしたが。

続編も信長の独白形式で話が続きます。
信長の行動原理からすると、確かにこういう考え方をしていてもおかしくはないなという独白が、死の直前まで続いています。
並の人ではここまで徹底した考え方はできないですね。
それができたからこそ、もう一歩で天下を収める寸前まで行ったわけですが。

2017年11月22日水曜日

逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎 / 井沢 元彦



本書の前半1/3を費やして、延々と朝日新聞が如何に嘘だらけの記事で読者を洗脳しようとしている卑劣な報道機関(出鱈目な記事しか掲載していないから「報道」とはとても言えないですが)であるかを述べられています。
日本のマスコミは、今では「マスゴミ」と呼ばれるくらい、虚偽と虚報だらけなのですが、特に朝日新聞はここで紹介されている従軍慰安婦強制徴用の記事だけではなく、日常的な記事も事実のように見せ掛けた記者も思い込みと妄想だらけです。
文章をキチンと読めば記者が勝手な想像を書いているだけだと分かるはずなのですが、朝日新聞の読者はそれを見抜くだけの文書読解力がないんでしょうかね?

何年か毎に日本企業の不正が明るみに出ますが、日本の村社会は正しいことをするよりその場しのぎの誤魔化しの方を好みます。
正しいことを指摘してキチンとした対処を望む奴は、「和」を乱す奴と嫌われ排除されます。
だから自浄することができず、何十年にも及ぶ不正が正されないまま、その企業の慣習として続いてしまう。
いつになったら日本人は、村社会の「和」の呪縛と儒教の呪いから逃れることができるんでしょうね?

2017年11月19日日曜日

核DNA解析でたどる 日本人の源流 / 斎藤 成也



最新のDNA解析手法により、現代日本人を中心として東アジア各国の人のDNA、遺跡から発掘された骨や歯から採取した縄文時代の列島人のDNAなどを解析し、比較した研究結果を詳細に報告されたものです。
しかし縄文人がどこから来たのかは、謎か深まるばかりで、よく判らないというのが結論のようです。
まだ東北、関東の縄文人のDNAしか採取されておらず、関西圏から西の縄文人については、これからの研究課題だそうですが。

以前読んだ書籍では、アイヌ人は縄文人とは関係ない人種という話でしたが、本書ではアイヌ人が東北縄文人のDNAを一番濃く受け継いでいるということです。
アイヌ人と琉球人の近縁性は、本書でも指摘されており、日本人というのが様々な人種が混血した独特なモザイク状的なDNAであることは確かみたいです。
が、ではどういう人種が何処から日本列島に流れ着いて住み着いたのか?となると、それもよく判らないみたいですね。
近隣諸国の人達と共通するDNAもあれば、全く共通しないDNAもあり、それはかなり遠く離れた場所の人種と共通だったりして。
まだまだこれからドンドン進歩していく分野ですので、10年後には本書の結論がひっくり返っている可能性もなきにしもあらずなので、今後の動向に注目しましょう。

2017年11月15日水曜日

北のジョーカー 冷たい狂犬 / 渡辺 裕之



冷たい狂犬シリーズ第3弾です。
今回は北朝鮮の暗殺者達との戦い。
今回もスピーディーなストーリー展開で、あっという間に読み終わってしまいました。
北朝鮮の重大な秘密とは何か?
もちろん、それは読んでのお楽しみ!

2017年11月14日火曜日

信長私記 / 花村 萬月



花村氏は有名な小説家だと思うのですが、何故か今まで読む機会がなかったのですよね。
今回初めて読むことになりましたが、成る程売れっ子作家だけのことはあって、話の持って行き方が非常に巧みだなと感じました。

織田信長の生涯を、本人の独白形式で描いているのですが、非常に納得のいく内容になっています。
本巻は前半までで、後半として続があるそうなので、今調べたら既に文庫本で出ているんですね。
というか同時に文庫化されて発売になってるのか…。