2019年12月21日土曜日
蘇我の娘の古事記 / 周防柳
作者は名前と文体からすると女性なのかなと思いますが、柔らかな文章表現で読みやすかったです。
中心になる人物は、一応日本書紀などに名前が登場する百済系の渡来人なので、一応史実を元にはされているのですが、全体的に時代考証的にこれどうなのかな?と思うところが少なからずあって、その辺りはちょっと気になりました。
アイデアとしては面白いのですが、こういうことが実際にあったかも、と思わされるには、リアリティさが足りない感じで。
あくまで時代小説で、フィクションだと考えれば面白ので、時代考証を気にされない方にはお勧めです。
2019年12月12日木曜日
決定版 日本書紀入門――2000年以上続いてきた国家の秘密に迫る / 竹田 恒泰 久野 潤
竹田氏と久野氏の対談形式により、日本書紀の意義と成り立ちを説明したものです。
「入門」とはありますが、日本書紀の内容についての解説書ではありませんのでご注意を。
ウェストファリア体制 天才グロティウスに学ぶ「人殺し」と平和の法 / 倉山 満
「人が人を殺してはいけない」というのは、日本では古代からの常識ですが、世界的に常識になったのはここ100年くらいのことで、半島の某国や大陸の共産主義国では未だに常識とはなっていません。
国際法とは氏が「やくざの仁義」というように、守らなくても力(軍事力や経済力など)があれば誰も文句は言えないのです。
日本人は、そういう意味で国際法と国内法の区別ができていないんですよね。
2019年12月5日木曜日
星系出雲の兵站-遠征-2 / 林 譲治
今回は人材育成についての話が出て来ます。
軍艦や輸送艦を大量生産することができても、それを操り運用する人員がいなければ只の鉄の塊にしか過ぎないのですが、優秀な人材を育成するというのは途方もない時間が掛かります。
現代の日本でそのことがちゃんと分かっている経営者って、一体どのくらいいらっしゃるのか。
#表向きは「人材育成を第一に考えてます」とか言うけど、実態は只の使い捨てだったりするわけでね。
本作の主要な登場人物の中に「兵站官」という、文字通り兵站を主任務にする人物がいます。
まあ題名に「兵站」とあるくらいなので、そういう意味では本作の主人公的な人物ですね。登場シーンはそう多くないですが。
その人が部下に「ひょっとして首を掛けてません?」と言われて、サラッと「管理者の首ってのは、そのためにあるんだ」と答えています。
有能な人は言うことが違いますよね。
世の中の管理職を称する人達の内、これを本気で言える人が何人いるだろうか?
2019年11月27日水曜日
血路の報復 傭兵代理店・改 / 渡辺裕之
「改」になっての2作目で、傭兵の召還 傭兵代理店・改 (祥伝社文庫)
こういうのを読むと、日本が如何に平和かというのがよく分かるし、一般の日本人が如何に平和ボケして隙だらけかというのも分かりますね。
スパイ天国になるわけだ。
2019年11月25日月曜日
QED ~flumen~ 月夜見 / 高田 崇史
天照大神と素戔嗚尊が生まれたときに、月読命も同時に誕生されているのですが、月読命はその後さっぱり古事記には登場しません。
「夜の食す国」を任されたということですが、「夜の食す国」は黄泉の国のことと、一般には解釈されています。
伊弉諾尊が命辛々逃げてきた黄泉の国の支配を、どうやったらできるんだろうか?という疑問が、私の頭の中に湧いて来ているのですが、本作では黄泉の国の解釈で話を進めてします。
生まれてすぐに黄泉の国へ送られたというのなら、「生まれてすぐに間引かれた赤子」ということを私は連想してしまうのですが、本作ではまた別の解釈をされています。
高田氏の説も、それなりに納得の行く説明ではあります。
本書のもう一つのテーマとして、秦氏が出て来ます。
秦氏が朝廷に散々食い物にされて、財産を奪われていく様を描いているのですが、それだけの財力を持っているのなら、朝廷に対抗して自分達が支配者になれたんじゃね?と思うのですが、何故か秦氏は全く抵抗することなく素直に従っています。
それが何故なのかは、本書では解き明かされていませんが。
2019年11月20日水曜日
残酷な進化論: なぜ私たちは「不完全」なのか / 更科 功
別に残酷ではありませんでした。
進化というのは、つまるところ、その時利用できる遺伝子を使ってその場を取り繕う、ということを繰り返しているだけなので、屋上屋に屋上を重ねるような構造になるのは致し方ないです。
でもはっきりいって、今の人類が造り出しているソフトウェアのシステムとかハードウェアの設計なんかも、既存のものを騙し騙し流用して転用してぐちゃぐちゃな状態になっているのを考えると、生物の進化による(身体の)設計変更の方が遙かにスマートで合理的になっていると思います。
本書を読んでいて、結構「へぇ〜」と思うようなことが少なからずあり、まだまだ知っているようで知らないことがあるなと思いました。
人間の眼球が、視細胞の光を感じる側に神経細胞が張り巡らされていて、光を取り込む邪魔になっているのは、割と知られている話(面白いことにデジタルカメラの撮像素子も、当初は同じような構造)ですが、その方が眼球が小型にできるんだとか。
眼球が大きくなると頭が大きくなり重くなるので、鳥類なんかは断然不利になるんですよね。
人間も脳が大きくなって頭が重くなったので、少しでも軽くするために眼球が小さくなる方を選んだんでしょうかね?
日本人は牛乳の乳糖を消化する酵素が大人になると生成されなくなって、そのせいで牛乳を飲むとお腹がゴロゴロいうというのもよく知られていると思いますが、実は日本人でも成人しても乳糖の消化酵素が出続ける人が結構いるんだそうで。
また成人して乳糖消化酵素が出なくなる人でも、完全になくなるわけではなくて、幼児の1/10くらいは出るので、ヨーグルトやチーズは消化できるとか。
こういうのを聞くと、「日本人は昔から乳製品は食べていなかったから、一切取るべきではない」というのが、只の思い込みから来る嘘ってことになりますね。
まあ、そんな感じでなかなか面白かったです。
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