2002年5月5日日曜日

【BMW雑記帳】低重心化

車好きに人気のある漫画といえば、「頭文字D」と「湾岸ミッドナイト」でしょうね。私も毎週楽しみにしています。
奇しくもこの2つの漫画の主人公の愛車が、ドライサンプ化されたエンジンを積むことになりました。エンジンの搭載位置を低くして、車の重心を低くすることが目的です。では、何故重心を低くするとよいのでしょうか?
低重心化するとコーナリングがよくなるといいますが、厳密にいうとロールが減るのです。で、このロールというやつですが、要するにコーナリングの時に車が外に傾きますよね?あの傾きのことです。
この傾きなのですが、車は外側に向いて傾きますが、バイクや航空機は内側に傾きます。このことは、私にとって長年の謎で、何故車が外向きでバイクが内向きかを答えてくれる資料になかなか出会えませんでした。
答えは簡単で、ロールセンターと重心の上下関係にあったのです。ロールセンターより重心が高いのが車で、低いのがバイクや航空機という訳です。じゃあロールセンターってなんじゃい?という方は、適当に資料を漁って下さい(笑)いや、これを説明するのは細かい図をいくつも書かなきゃならないし、私の知識では十分な説明もできませんので。
で、通常の車では重心がロールセンターより結構高い位置にあります。重心を下げて、ロールセンターに近づけると、その分ロールは減ります。ロールが減るとコーナリングがよくなるのです。まあ厳密にはロールを減らすとタイヤにまた問題が出るそうなので、単純にロール減らせば全て解決というわけではないですけどね。重心をどんどん下げていって、ロールセンターと重心が同じ位置になると、ゼロロールになります。今のF1マシンがそうらしいです。
単純に重心を下げるというと、ローダウンを思い浮かべる方も多いと思いますが、こちらの低重心化は意味がないそうです。理由はこれまた単純で、ローダウンすると重心も下がる代わりに、それ以上にロールセンターが下がってしまうからです。ローダウンしてもロールは減らないことになります。え?と思うかも知れませんが、そうなのです。
メーカーが決めた車高というのは単に最低地上高を稼ぐためだけではないのです。BMW純正のローダウンキットともいえるMテクサスキットは、車高をほとんど下げていません。これはロールセンターとの位置を考えると、あまり車高を下げられないからです。
ということで、無闇に車高を下げるのは百害あって一利なしです。


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