2003年11月5日水曜日

秦の始皇帝

津本 陽著 ハルキ文庫
秦の始皇帝の生涯を描いた小説、というか歴史。
史実に忠実に書かれている模様。


皇帝という称号を始めて使ったのが、この秦の始皇帝だったんですね。中学の歴史の授業では、中国の各王朝の初代はみんな「始皇帝」である、ということ聞いたのですが、どうも違うっぽい。中国全土を制覇した王朝が始めてで、単に「王」では物足りないということで「皇帝」という称号を創ったとのこと。
始皇帝は紅毛碧眼で白人だったという説を聞いたことがあるのですが、これにはそのことについては触れられていません。ただ秦という国は、元々今の中国の西部にあった国で、遊牧民族だったということなので、東アジアにいたペルシャ系民族の国だった可能性は高いのではないかと、個人的には思ったりしています。
この小説では、秦国の王子が世話になっていた商人の囲い者の踊り子に一目惚れして貰い受け、その踊り子との間にできた子が、後の始皇帝ということになっています。更に実はその踊り子は、商人の子を宿したまま王子に嫁ぎ、王子の子と偽って生んだと。つまり始皇帝は秦国の血は引いていないとう話です。
が、商人は韓人(今の韓国とは無関係な、大陸中央西部にあった国)、踊り子は趙人(大陸北西部にあった国)でどちらも新モンゴロイド系の人ですから、もし始皇帝が紅毛碧眼ということであれば、秦人であるはずなので、まごうことなき秦国王子の血を引いていることになります。
そういう展開だと面白くないから書かれていないのか、中国大陸に白人の国があったはずないという考えで書かれていないのか。
まあ、どちらにしても、酒宴の踊り女つまりは娼婦の子なのは間違いないのですけどね。

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