学研M文庫刊 倉橋 日出夫 著
記紀を読めば、古代出雲国は近畿を中心として中国、北陸、東海、甲信越辺りまで勢力範囲があったことは明白だと思うのです。が、何故かほとんどの歴史書では、現在の出雲地方のみを、その勢力範囲として扱っており、他の地域の支配については無視しています。
またその中心地が、三輪山を中心とする大和地方であることも明らかなのに、全くといっていいくらい無視されています。
縄文時代から弥生時代に掛けての日本は、かなり先進的な文化と文明を持っており、現代人が想像しているよりも遙かに広い範囲で流通や交易をしていたことも、遺跡に残された遺物から明らかです。
本書は、そういう私の考えを、豊富な資料の元に証明してくれています。年々発見される縄文時代や弥生時代の遺跡が、これまでの歴史書の書き換えを迫っていますが、今後の発見によってどのようなことが明らかになるか、非常に楽しみですね。
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