学研M文庫刊 江宮 隆之 著
石田三成は大儀に生きた人である。というのが著者の結論でしょう。
石田三成はその才を秀吉に見出され、信長や光秀も近臣に欲しがったという異才であるにも関わらず、生涯を豊臣家のために尽くした忠義の人です。
三成の俸禄は知行として貰っている分と、豊臣家の直轄地を代官として治めている分とが、諸説で違っていてはっきりしないのですが、本作では関ヶ原の合戦の頃には40万石であったとしています。これだけの大録にも関わらず、その生活は非常に質素であっとされています。
父親に教わったという「小さな誇りはちょっとしたことでズタズタにされるが、大きな誇りは決して身じろぎしないものだ。大儀に裏打ちされたものこそ、大きな誇りである。」という言葉が、物語で何回も繰り返されます。
今の日本に必要なのは、何よりもこの言葉ではないでしょうか。
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