2006年2月23日木曜日

デジモノ×ステーション

たま〜に買うんですが、デジタル・グッズのカタログ雑誌です。
一世を風靡したモノ・マガジンのフォロワーでしょうけど、蘊蓄の固まりだったモノ・マガジンに比べると質より量的な感じがします。
とはいえ毎月怒濤のように新製品が登場するデジタル・グッズを扱っているから、一つのものに的を絞って特集するというのも難しいでしょうけど。




それにしてもですね、こういうのを見ていていつも感じるのは、日本メーカーの製品はなんであんなにデザインがださいのかと。
日本人デザイナーのセンスが悪いのかといえば、そういうことはないと思います。服飾や建築では世界で活躍する日本人デザイナー何人もいますし、海外の有名デザインスタジオで活躍している日本人も結構いますし、デザインを重視する海外メーカーの社内デザイナーとして中心的な働きをしている日本人も何人もいます。
にも関わらず、日本メーカーのデザインはいまいち垢抜けません。
パソコンなんかは、Appleが圧倒的なデザインセンスで他を圧倒し、次いでIBM(今はLenovoですが)のThinkPadが飛び抜けたセンスをしています。
他は米国メーカーでも差ほど優れたデザインではないように思いますが、この2社と他との違いって何か?といえばブランドイメージなんでしょうね。
パソコンなんかは、とにかく価格競争が厳しく、コストを下げることが至上命令なのですが、AppleとIBMは高付加価値高価格で売っていましたので、デザインにもコストを掛けることができたのだと思います。
単純に金を掛ければいいデザインができるわけではないですが、いいデザインを製品化するにはコストがかかることも事実です。
例えば、Appleは最初の頃、リンゴのロゴを3色で区切っていました。今は単色になってますけどね。
通常だと印刷するときの各色の版の位置がずれて色が混じって汚くなるのを誤魔化すために、黒い線で境界を入れるのです。が、Jobsは黒線を入れることを嫌って、大金を掛けて印刷精度を上げさせたのです。
こういうことは、日本人の経営者だと絶対にやらないし、日本人じゃなくてもやりませんわな。特にその当時は、たかがロゴに金を掛けるなんてと思われてましたし。
そういう小さな妥協が集まると、ほとんどの日本メーカーの製品みたいになってしまうということです。
現行の日産Zは久々に美しいと思わせるものがありますが、量産試作車ができたときに、デザイナーが「これは俺のデザインじゃない!違う!」といい、調べたところリアの膨らみが何mmだか違っていたそうなのです。
プレスされた鉄板は、残留応力で元に戻ろうとするので、その分を見越して金型を設計しなければならないのですが、そこがちょっと甘かったと。
しかし偉いのは、ちょっと前までの日産だったら「ただが数mmくらいどうでもいいだろう」とそのまま量産したはずですが、デザイナーのいう通りに金型を作り直して、問題の誤差を埋めたのだそうです。
1815mm幅で数mm違っていたって、普通の人は判りませんよ。そのデザイナーさんもよく見ただけで判ったなと思いますよ、ホントに。
でもそれを拘って、ちゃんとデザイナーの思ったとおりに作ったから、美しいのでしょうね。
そういう拘りを判る経営者が、世の中にどれくらいいるんだろうか?

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