2006年10月30日月曜日

ナポリ仕立て―奇跡のスーツ / 片瀬 平太



王様の仕立て屋~サルト・フィニート~の原案を担当されている片瀬氏と池田哲也氏が雑誌BRIO (ブリオ)で連載していたコラムを1冊にまとめた書です。

バブルの頃、ン十万円の吊しのブランド物をこぞって買っていた人達がいました。白人の体型に合わせた既製服なので日本人にはサイズがちゃんと合うわけもなく、サイズが合わないから大きめのを買いダブダブしただらしないスーツを着ることになるのですが、そのダブっとしたのがいかにもイタリアブランド物のスーツということで持て囃される、という訳の判らない流行が一時期あったんですよね。流石に今はそんなことはないでしょうけど。
私はなで肩猫背というスーツが最も似合わない体型で、吊しのでは着れないため(社会人になって初めてスーツ買いに行ったら、売り場のおばさんに入るなりいきなり「あなた既製服は無理よ。注文じゃないと」といってオーダーの方に回されてしまったくらいで)、流石にフルオーダーは無理なのでイージーオーダーで仕立てています。仮縫いなしのイージーオーダーでも、それなりに着心地のいい、身体にピッタリとした仕立てはできますし、生地やデザインは自分の好みを反映して貰えるので、既製服しか着たことがない方は一度試してみることをお勧めします。

さて、本書はフルオーダースーツの究極と謂われるナポリ仕立てについて、色々と書かれています。ナポリ仕立ては見た目よりも着心地重視で、客の体型に合わせるためしつこいくらいの仮縫いを繰り返し、身体にピッタリとフィットしながら動きやすいという魔法のような服だそうです。
是非一度はそういう服を着てみたいと思うのですが、徒弟制度の崩壊やサイズの合っていない既製服をありがたがる世の中では、技を伝える職人さんが段々といなくなっているそうで、果たして着ることは叶うのかどうか。

でも実は、フルオーダースーツというものを一度経験しておこうと、梅田にあるフルオーダー専門店に注文を出しているのですよ。先週仮縫いが終わったばかりで、後半月程すれば完成のはずなのですが、果たしてどんな仕上がりになるでしょうか。


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