再生巨流 ／ 楡 周平

ラスト ワン マイルの前年に発表されている、流通業界を題材にした経済小説です。テーマ的にはラストワンマイルと被るのですが、こちらも実現すれば革命的なことになると思うのですが、実際の運送業界はこれらのアイデアの片鱗も実行する気配なし。役員さん達は経済小説なんて読まないんでしょうかね？
まあ楡 周平というと、どうしてもデビュー作「Cの福音」とそのシリーズを思い浮かべてしまうので、経済小説というよりはアクションエンターティンメント小説作家というイメージが浮かびます。が、そもそも「Cの福音」も核となるアイデアは、日本の税関の仕組みなど経済の裏を突いたもので、いうなれば裏経済小説なわけです。そういう意味でいえば、正に経済の裏表を突く経済小説作家といえましょう。