2009年4月26日日曜日

【BMW雑記帳】耳が聞こえないと車両間隔が掴めない

先週土曜日にHR/HMのライブ撮影に行って、次の日は難聴状態でした。
その状態で近所へ買い物に車で行ったのですが、耳が聞こえないと車両間隔が掴めないことに、今更ながら気が付きました。今まではこういう一時的に難聴になっているときは、運転するのは危ないから、車を乗らないようにしてたってこともあるのですけどね。
その後で「クルマはかくして作られる3」の防音材製造の項を読んでいて「遮音一本でいくBMW7シリーズ」というのに気が付きました。BMWは吸音材を使っていないらしい。
初代セルシオを運転した時に、その異様な静かさと共に、車両感覚の掴みにくさに閉口したという強烈な印象があるのですが、どうも吸音材と制震材を中心にした防音処理が原因だったのではないかとという気がします。
吸音材を多用すると静かになるのは、反射音が減って、耳に届く音が減るからです。車内では乗務員が擬似的な難聴状態になって、他人の声やオーディオの音が聞こえにくくなるわけ。
当然外の音なんか全然聞こえないので、真後ろで救急車やパトカーがサイレンを鳴らしていても、聞こえません。
対して遮音材の方は、エンジンルームからの音は聞こえにくくなるけども、車内での会話は普通にできます。
外の音は遮音されるはずですが、救急車なんかのサイレン音は遠くからでもよく聞こえるので、遮音する周波数を調整しているのだろうと思います。
そのせいか車内が静かでも、車両感覚が失われることはないと。
たぶん、日本の技術者は測定器の測定値だけで静かさを評価していて、運転のしやすさとか安全性との関連性には気が付いてないんでしょうね。

また同書のGT-R製造工場取材で、ボディのねじり剛性の特性がリニアであることが必要ということを、欧州製のライバル車を解析測定して判ったとあります。欧州の自動車メーカー技術者達は、半世紀以上前からそのことには気が付いていたと思う(*1)のですが、最新の測定器を駆使してようやっと日本人もそのことに気が付いたと。
*1 : 30年以上前に某日本人自動車評論家さんが「ロータスエランの車両剛性は低いけど、フロントからリアが綺麗に捻れるから、運転性能が高い。こういう設計をできるからチャップマンは天才だ」と書いていたことがあります。

私も製造業の技術者なんだけど、どうも日本人は測定器で評価できる性能を向上することは得意なんだけど、測定器では測れない性能については感じることすらできないと、いつも思わされるのです。
結果、私の使う機器や道具は、欧州製のものが増えていくと。


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