ということで、006Pのニッケル水素電池を2個使った18V電源にしてみました。
USBの5Vからアナログ電源の12Vを生成しているDC/DCコンバータ周りの部品を除去して、そこへ006P2個を直列接続した18Vを接続します。
まずは元々付録に付いていたJRC 4558Dで試聴。
ヘッドフォンアンプの方のOPAmpは外して、RCA出力をSTAXのコンデンサヘッドフォンに繫いでの試聴です。
まあ、呆れるくらいによくなりました。
ずっとつきまとってた歪みっぽい感じがあっさりとなくなりました。
やっぱりDC/DCコンバータのリップルが悪さをしていたんでしょうかね?
MUSES 8820に交換してみましたが、こちらは前の時同様、サ行のキツイ感じが取れず。
C-MOS OPAmp JRC 7043Dに交換したところ、すっきりとした音になったのですが、電源電圧耐圧が規格では7Vと低いことに気が付いていなくて、突然音が出なくなって焦りました。
4558Dに戻したら音が出たので、規格表を再確認して電源電圧の規格を大幅に超えてしまっていたため、OPAmpを壊してしまったことが判明。
電流出力が大きくてヘッドフォン出力側のOPAmp交換用に推奨されているMUSES 8920Dに入れ替えてみたところ、こちらは8820程のサ行のキツイ感じはなく、素直な音です。
当面はこれで行くかな。
C-MOS OPAmpの電源電圧が高いのを探してみたいと思いますけどね。
(2012/01/06 21:31追記)
電源耐圧18VのNJU 7032というのがあり、買って来てMUSES 8920Dと差し換えてみました。
サ行の感じは同じくらいですね。
が、全体的に音の分離がありながらも、太くしっかりした音になったように思います。
バイポーラの4558D, MUSES 8820やJ-FET入力のMUSES 8920Dと、C-MOSのOPAmpの違いは、オープンゲインとオープンポールが全然違うことです。
通常のOPAmpは、オープンゲインを110db以上と非常に高く取り、代わりにオープンポールが10Hz程度と低いです。
大量のNFBをかけることで、DC領域の安定性と静的な歪み特性を改善しています。
1970年前後には、オーディオアンプでも、この大量のNFBをかけて、測定可能な高調波歪率を0.00000001%以下とかの超低歪みにすることが流行りました。
が、その後1970年代半ばには、TIM歪みとかTP歪みという動的な歪みの提唱がされ、「NFBは測定可能な歪みを測定できない歪みに変換しているだけだ」というのがオーディオ研究家での一致した結論になり、大量のNFBをかける方法はオーディオには向いていないとなりました。
代わって、1980年頃からはオープンゲインを低めにして、オープンポールを高くして、可聴帯域内のNFBを一定にすることが一般的になっています。
#でも10年に一回くらい、繰り返して、電子回路設計の専門家を称する人達が大量のNFBをかける設計を持ち出してくるんですよね。
#安いオーディオアンプでは、汎用のOPAmpを使用するため大量のNFBをかけるやり方にならざるを得ないことと、工業用のアンプで静的特性を綺麗に出すのには、大量のNFBをかける方がいいですからね。
C-MOSのOPAmpは、オープンゲインが40dbとOPAmpとしては低く、代わりにオープンポールが1kHzとか10kHzくらいあります。
7043Dや7032は、オープンポールが10kHzなので、可聴帯域のNFBがほぼ一定になります。
実際の特性測定はしていませんが、動的な特性は綺麗に出ていると思います。
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