2013年4月7日日曜日

秀長さん / 鞍馬良



豊臣秀吉の弟、秀長の生涯を追った小説、というよりは解説書みたいな感じです。
特に目新しい説とかは取り入れていなくて、一般的な説に基づいて秀長の生涯を淡々と説明しています。
秀吉の陰に隠れてあまり目立たず、小説でも堺屋太一氏が取り上げているくらいです。
(堺屋氏の作品はNHK大河ドラマの原作になりましたが、ドラマでは秀吉が主人公に替えられていたし)
秀吉に懇願されて家臣となって以来、ずっと秀吉と共に行動しているので、ほぼ秀吉の生涯=秀長の生涯でもあるので、小説的には秀吉の生涯を描いたものと内容的には同じになってしまうんですよね。

秀吉が行ったと言われることの大半は、実際には秀長のしたことという説もあるのですが、本作では特にその辺りを強調したりとか説明したりというのは、ほとんどありません。
ただ、非常に人当たりがよく、接した人々からは常に信頼をされ頼りにされていたことが描かれています。

秀長の直臣に藤堂高虎がいるのですが、秀長に才を見出されて取り立てられ、秀長が亡くなるときには家老を務めていた人ですが、この人は何回も仕える主を替えたことで有名です。
それが秀長が存命中は、ずっと秀長に忠実に仕えているんですね。
主を何回も替えるのは秀長の亡くなった後のことで、秀長以上に高虎が使える気になる人物は他には(最終的に大名として仕えた徳川家康以外)いなかったということでしょうね。

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