2013年11月21日木曜日

【α7R】オールドレンズ50mm三題

AF以前の銀塩時代に設計されたオールドレンズは、基本的に空間周波数が低い領域での性能を重視しているため、35mmフルサイズより小さい撮像素子ではその特性を活かしきれません。
フルサイズ・ミラーレスのα7/7Rの登場が、このオールドレンズファン待望なのは、設計時に想定された空間周波数で撮影でき、本来の設計者の意図が再現できるからです。
ということで、60年代から70年代に設計された50mmレンズ3本の作例をば。

まずはMayerが生んだ奇跡のレンズ Domiplan 50mm/F2 です。

全群繰り出しながら、最短が30cmとセミ・マクロ的な使い方ができるレンズです。
まあ流石に50cm未満になると明らかに性能が落ちるのが判りますが、逆にその収差が増える領域での描写がフワッとして軽く霧が霞んだように滲んむような感じになり、幻想的な描写になります。
ピントが合っている部分はそれなりに解像しているのですが、その前後のボケ始める箇所が美しい滲むようなボケ方をするのです。

次はRollei SL35用の Planar HTF 50mm/F1.4 です。

CONTAX RTS用のPlanarと同じ設計という説もありますが、私の個人的な感想としては(同時に撮影比較したことはないですが)描写は異なります。
CONTAX RTS用の方は後ボケに二線ボケ傾向が強かったのですが、Rolleiの方にはあまり見られません。
また開放最短での描写性能も、CONTAX RTS用がフワッとした感じになるのに対して、Rollei用の方は結構シャープな描写性能を保っています。

三ッ目は旧東独Carl Zeiss Jenaの Prakticar MC 50mm/F1.4 です。

開放での球面収差が過剰補正になっているみたいで、これも開放最短ではピント前後に滲むようなボケがあります。
最短が40cmなのと球面収差の絶対値がDomiplanに比べると少ないので、Domiplan程明らかな滲み方はしませんが、拡大すると微妙に滲んだ感じになっており、しかし全体をみるとそこそこシャープな感じで、柔らかな描写とシャープ感が程よく合わさっています。

こういう特徴あるレンズを活かせるα7Rを発売してくれたSONYさんに感謝!

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