2014年5月17日土曜日

SIGMA Art 50mm F1.4 DG HSM



SIGMAのArt Lineの単焦点レンズとしては35mm/F1.4に続く第二段です。
通常50mm/F1.4というと、対称ガウスという構成が取れられることが多かったのですが、ここのところ非対称型やレトロフォーカス型にして、収差を徹底的に減らした50mmクラスのレンズが各メーカーから発売になっています。
このSIGMAの50mmもレトロフォーカス型を採用して、更に軸上色収差や球面収差、非点収差を徹底的に補正したものになっています。
とはいえ、近接ではわざと球面収差が残るようにして、ボケ味がよくなるように配慮されているそうです。

ではそのボケ味が絞り値によってどう変化するかの作例を。D800E ISO100 撮影距離0.75m、です。



開放F1.4とF2.8を100%切り出ししたのがこちら。



開放から切れ味鋭い紙一枚の厚みのピントですが、F2.8に絞ってもピントの厚みはほぼそのままで、前後のボケが減っているだけ。
かってCONTAX Planar T* F1.2/55mmがそうであったように、絞りは被写界深度を調節するためにだけあって、開放から最小絞りまでピント位置での描写が変わらない、レンズの理想型を実現していると言ってしまってよいんじゃないかと思います。

ここまでピント位置の画像がシャープだと、F2.8でもピント位置前後が暈けてしまっているのがはっきりと判るので、AFで気軽にピント合わせしてシャッターを切ると、ほとんどピントが合わない事態になってしまいます。
開放だともうピントをきちんと合わせるのは無理なレベルじゃないだろうか。
距離1mでAFで合わせられる精度は、大体1cmもないと思いますが、こいつの開放では1mでピントが本当に合っている範囲は5mmもないと思います。
5mmずれたら、100%拡大でピントが合ってないのがはっきり判るくらいに、ピント位置のシャープさが飛び抜けてます。
いやもうこれは、気軽に手を出してはいけないレンズです。
なので、ピント合わせと撮影技術によほど自信のある方以外は、買わないことをお薦めしますね。

開放からの解像感は半端ないです。



この真ん中の雀を100%切り出ししたのがこれ。



これでも微妙にピントが合ってないんだけどね。
まあほんと、このレンズ評判が高いからって、下手が手を出してはいけないレンズですからね。
AF精度の高い値段の張るボディで使うことと、解像力を活かすためにはフルサイズの高解像度ボディが必須です。


作例はこちらから

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