2014年8月15日金曜日

宇宙が始まる前には何があったのか? / ローレンス・クラウス



何もないはずの「空っぽの空間」が実はエネルギーを持っていて、極々極々短い時間に物質とそれの対である反物質が生じては即結合して消えてしまう、をひたすら繰り返している、という話はこれまでもいくつかの書籍で読んでいるのですが、まあそれについてのお話です。
主にはビッグバンが如何にして証明されたかについて語られています。

今までいくつか疑問だったことの内、何点かは解決したのですが、お陰で益々疑問が増えてしまいました。
1つの謎が解決すると、それに伴う新たな疑問が3つも4つも出てくるのですよね、宇宙物理学とか量子力学とかってやつは。
なので、人類はいつまで経ってもこの世の中のことに対する疑問が尽きないというわけで。

ビッグバン初期のインフレーションでは、計算上空間が広がる速度は光速を遙かに凌駕していて、相対性理論と矛盾するのでは?と謎だったのですが、クラウス博士はあっさりとその疑問を解決してくれました。
相対性理論では、空間内部を移動する物質・エネルギーの速度は光速までという制限があるけど、空間そのものの移動速度にはそのような制限はないんだそうで。
それから考えると、空間自体が光速を凌駕する速度で拡大もしくは移動しているならば、その内部の物質も空間ごと光速を凌駕する速度で移動できるはずですな。
その場合、その空間に乗った物質を観測した場合、光速以上で移動しているように見えるのか、それとも光速付近の速度でしか移動していないように見えるのか...。

また我々のいるこの宇宙の物理法則は、必ずしも今の物理法則や物理定数でなければならなかった必然性はない...らしい。
よくいわれる多元宇宙があるとすると、少しずつ物理法則や定数が異なる宇宙があるわけで、その場合に膨張する宇宙になり恒星や銀河が形成されるのは、今の我々の宇宙の物理法則や定数がドンぴしゃの値で、そこから外れた他の宇宙では恒星や銀河は形成されないらしい。
地球の生命起源の話もそうなのですが、どうも我々人類という存在が今存在するためには、何億分の一の奇跡が何億回も連続して、ドンぴしゃのタイミングで起きないといけないことになるとしか思えないんですよね。
この奇跡をどう捉えればいいものか。

0 件のコメント:

コメントを投稿