2014年8月30日土曜日
【くるまのおと】MortorFan Illustrated Special Edition マツダのテクノロジー
新型デミオが素晴らしいできなのは、4〜5年前からマツダが進めているSky Active改革のお陰です。
製造上変更に簡単に対応できる部分とできない部分を明確化し、設計がそれに合わせて車種間の共通部分と独自部分を設計してまとめる。
これにより低コストで高品質な設計と製造が可能になり、対ドル70円台でも利益が出せる企業体質を作り上げ、最新鋭の欧州車と同等という評価を勝ち取ったわけ。
新型デミオのディーゼルターボを本気で買おうと考えていますが、書店でふと目にしたこの本で、ちゃんと今のマツダを勉強しておこうと思い立ち、買うことにしました。
発刊は昨年末なので、記事の内容は1年くらい前のマツダの状況になります。
通常はコストが高くなるからと、今の日本メーカーの多くではやらないことを、マツダは敢えてやってます。
MT/ATをマツダでは内製しています。普通は専業メーカーの製品を買います。マツダも以前は外注していました。
その方がコスト的に安いし、開発リスクも少なくなります。
それを「走る歓び」のために内製を選んだそうです。
エンジンブロックは砂型による精密鋳造です。今は日本に限らず多くのメーカーが金型によるダイキャスト鋳造です。その方が大量生産時の製造コストが遙かに安いからです。
少数製造のスーパーカーメーカーか、大手でも少数生産の車種用では砂型鋳造です。レース専用エンジンもです。
少数生産では逆にその方がコスト的に安くなるというのもありますが、より性能を高めるには砂型鋳造の方がよいからです。
そのコストの掛かる砂型による精密鋳造により、全てのエンジンを製造しています。
日本の車メーカーというと、TQCによる品質管理が有名ですが、これまでのTQCの考えた方では、上記のようなことは出て来ません。
TQCというのは、品質を高めるためのものではなく、どこまで品質を落としてもユーザーにはばれないかを突き詰め、高コストな部品や製造方法を低コストなものに置き換え、コストを低減するためのものなのです。
そしてそれは全体のバランスとかを考えず、全ての部品や製造工程で一律にコストダウンを要求するので、エンジンブロックの品質を高めるために高コストの砂型鋳造にするという考え方は出て来ないのです。
#TQCでは低コストなダイキャスト鋳造で精密鋳造を可能にすることを考える方向に進みます。
特にここ10年くらいは、TQCは品質管理は何処かへすっ飛んで行ってしまい、ひたすらコストダウンのみが叫ばれるようになりました。
そんなのだから、今時バルブスプリングが折れるというあり得ないリコールを出したりするわけです。
コストを掛けるべきところにはキチンと掛ける。
削減しても品質に影響しないところはしっかりと削る。
その上で本当の意味での高品質を実現する。
物造りでの基本をキチンと実行しています。
20年くらい前から、日本車のコストダウン一辺倒な物造りに嫌気が指して、欧州車以外には興味がなくなった私ですが、今のマツダの車なら是非乗りたいと思います。
新型デミオに試乗するのが楽しみです。
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