2015年7月18日土曜日

ティラノサウルスはすごい / 土屋健



ティラノサウルスをメインに、最新の恐竜研究成果を解説している書です。
化石として残る骨だけからでは、なかなか生きていた時の姿や生態を解き明かすことは難しいので、私が子供の頃からティラノサウルスなどの恐竜の復元想像図は頻繁に変わっています。

一時期、恐竜が滅んだのは麻薬中毒が原因だ、という説がありました。
これはシダ類のような裸子植物がアルカロイド系成分を全く含んでいないのに対して、現代の森林を形成している被子植物はどれも多少の差はあれアルカロイド系成分を含んでいるので、裸子植物を食べていた草食性恐竜が被子植物を食べて、アルカロイド成分に耐性のない恐竜は麻薬中毒になって死に絶え、肉食性恐竜も食料の草食性恐竜がいなくなったため滅びたとされたものです。
が、本書によるとティラノサウルスが生息していた白亜紀末期には、既に世界の森林は被子植物が中心になっていたそうなので、この説は誤りですね。
本書では、小惑星落下による地球寒冷化説を、恐竜が滅んだ原因として有力としています。

著者はサイエンスライターで、科学者というわけではないらしいですが、それゆえに素人に判りやすい解説書になっています。

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