2015年11月18日水曜日
ここまでわかった 縄文人の植物利用 / 工藤 雄一郎
縄文時代の遺跡から、当時利用されてた植物とその利用方法についての調査報告です。
縄文時代が原始的などというのは、完全な誤解で、想像以上に進んだ文化を持っていたようです。
大豆などは、読みが音読みなので、比較的最近(奈良大和時代以降)に大陸から日本へ持ち込まれたのかなと思っていたのですが、古事記で稗・粟・小豆と同時に生まれたとする記述もあって、伝来については本当のところはどうなんだろう?と思っていたのですが、本書で謎が解けました。
野生種であるツルマメから、日本と大陸それぞれで独立して栽培種になったらしいです。(日本の大豆と大陸のでは、種が異なる用ですし)
発掘されている遺跡では、日本で大豆が栽培されるようになる方が、大陸よりも2千年程早いらしいです。
#あくまで発掘されている証拠からなので、今後の大陸の発掘によっては覆る可能性もありますけどね。
漆加工品の出土も、日本の方が大陸よりも古いものが発掘されており、しかもその加工技術は日本の方が進んでいたようです。
木材の表面を滑らかにするために砥の粉のようなものを塗り、その上から炭粉を混ぜた漆、ベンガラ(酸化鉄)を混ぜた漆、水銀朱(硫化水銀)を混ぜた漆と、三層塗りをしているものが発掘されています。
しかも水銀朱が産出する場所が近くにはないのにも関わらず、仕上げに使われている。
縄文時代、凄いです。
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