2016年3月16日水曜日

生命の暗号 / 村上和雄



目次をみた感じでは、生命工学の博士が書かれたちゃんとした遺伝子の書籍だと思ったのですが、出版社がサンマーク出版なだけあって、メインのテーマは「遺伝子の働きは意思の力で変えられる」ということでした。
本書は20年近く前に単行本出版され、10年前に文庫化されていますが、本書の続編が文庫化されたので、再度書店店頭に続編と並べて置いてありまして、読むなら先に出版された方からと、こちらを手に取ったわけです。

人間のDNAの内、遺伝子としての役割を持っているものは数%で、更にその中で実際に活性化されて使われているものは10%にも満たないのです。
殆どの遺伝子は使われずに眠っているわけで、それを活性化することができれば、人間はもっと凄い能力を発揮できるはず。
眠っている遺伝子を活性化するためには、人間の意識が重要で、意識することで遺伝子の働きを制御できる。

まあ要約するとそういうことなのですが、ではそれが本当にそうなのかというと、残念ながらその証拠になるようなものは何もなくて、著者が研究をしている内に「感じた」というだけですね。
科学が発達したといっても、世の中のことは実はまだまだ分かってないことが多い(というか、科学が発達すればする程、謎が増えていく)ので、著者が主張されていることが滑稽無糖とは言いませんが、もう少し何か具体的な証拠になるようなものを提示して欲しかったです。

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