九鬼水軍の最後将の生涯を描いた物語です。
九鬼水軍というと、源義経に合力し、瀬戸内海での海戦で平氏の水軍を打ち破ったのと、織田信長が石山を攻めるときに鉄鋼船で村上水軍を撃破したことが有名です。
本書の主人公は、後者の鉄鋼船を建造した九鬼嘉隆の子息です。
嘉隆は九鬼家の傍系で、本家の跡取りが幼いときに主権を握り、本家を立てつつも九鬼水軍の主流を奪い取ってるんですね。
そして織田信長に重用されるものの、豊臣政権では水軍の主力を担えず、徳川政権になってからは秀忠に嫌われて、最後は断絶する。
江戸時代の平和には、水軍は不要となり、海外への渡航も禁止され、船を操る技術は廃れていくのですから、仕方がないのかも知れません。
村上水軍傘下の海の民達は、瀬戸内の漁業と海運を握り、明治まで生き延びたようですが、鳥羽ではそうならなかった。
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