2017年9月1日金曜日

大間違いの織田信長 / 倉山 満



何故か歴史学者とか歴史研究家という方々は、現代の自分達の感覚で、先入観たっぷりに歴史を語る方が多いです。
いやいや、当時はそんなの常識だからやって普通だよ、とか、今では常識でも当時は非常識極まりないんだよ、とか云いたくなるお説が多いのです。
それ故に、元新聞記者で小説家の井沢氏が逆説の日本史シリーズを書いたり、憲政研究家で政治評論家の倉山氏が歴史を読み解く「大間違い」とか「嘘だらけ」シリーズで歴史を語らないといけないんですね。

室町時代の解説書をシリーズで執筆されているところですが、室町時代を終わらせたと通説では云われている織田信長を解説します。
まあ通説とは如何に当てにならないかよく判ります。

始めの方でリーダーシップの話が出て来るのですが、その中で「号令」「命令」「訓令」の話があります。
部下にどのくらい権限を委譲するかの違いなのですが、これを分かってないというか、そもそも権限の委譲ということを知らない人が管理職や経営者になることが多いんですよね。
特に日本では。
それもあって、最近よく言われるブラック企業というのが、日本では多いんですな。
「お前に任せる」と丸投げしておいて「なんでそんなことを勝手にやったんだ!」と怒る人がほとんど。
勝手にやらずに、てめえのに一々指示を仰いでいたら、上手くいくもんもいかんわい!と返したくなることが、一体どれくらいあったか。
責任は押し付けるけど、権限は一切くれないのが多過ぎ。

まあ織田信長がリーダーとして、有能なのかと云われると、ちょっと微妙なところがあるんですが…何しろ最後は一番信頼していた直属の部下に殺されたわけなんで。
しかし、ここで説かれている信長は、企業を大きくするために必死に努力する中小企業経営者です。
幾度も危機を乗り越えながら、大企業になり、巨大企業へと導いていく経営者です。
最後に調子扱いて転けましたが、それまでは優秀な経営者なわけです。
詳しくは本書を読んで下さい。

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