逆説の日本史の中で、本作著者の前作蒙古襲来
が、この度、最新の考古学の成果を踏まえて、更に新書版ということで専門家ではない一般の人にも読みやすいように配慮して、書き直されているそうです。
とはいえ、かなり詳細に語られており、また参考にされている資料も多岐に渡るため、読みこなすのに時間が掛かりました。
1ページに書かれている内容の密度が濃いことも、読むのに時間が掛かった理由でもあります。
「神風」という幻想が、大東亜戦争へ国民を向かわせた原動力の一つになったのは、間違いのないところだと思いますが、その思い込みがどこから来たのか?という話から始まります。
最初の文永の役は夏で、公家達の日記から台風が来たことは間違いないそうですが、台風一過の後も戦いは暫く続いていたそうなので、台風で敵が全滅したわけではないようです。
更に2回目の弘安の役は冬で、公家達の日記からも台風や嵐が来た様子はないそうです。
戦前に東京帝国大学のお偉い先生が称えた説が、延々と信奉され、その説を孫引きした学説が蔓延って、神風伝説が作られたんだそうで…。
憲法にしてもそうですが、東京帝国大学の先生方は、政権の御用学者さんばかりなんですかね?
まあ、今でも一番高給取りの役人は、最高裁裁判長と東京大学学長だそうなので、その座を狙うために政権に忖度した学説を広めているのかも知れませんけど。
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