2020年9月1日火曜日

デッド・オア・アライブ / 楡 周平



本作で登場する画期的な個体電池。
今のところ、世に登場する気配はありません。
リチウム電池の改良は、日々進んでいるようですが、重さ当たりの蓄電量が倍にもならないし、製造コストが半分以下になるわけでもなし。
ましてや充電時間が、現在の10分の1になるわけでもなし。
ガソリンやディーゼルに代わる純粋な電気自動車が、本格的に普及するにはまだまだ解決しなければならない課題が山積みです。

それよりも本書の主眼は、日本組織はどこも必ずお役所化し、硬直化し、正しい意見が通らないものになるということでしょうね。
日本経済が衰退し、日本企業の凋落が止まらないのも、このお役所化した組織の弊害が大きいと思います。
日本でベンチャーが育たない理由の一つに、海外では有望なベンチャーの多くは、大企業が買収して、自分達の組織の中に組み入れるのが盛んなのに対して、日本の大企業はベンチャーを潰すことに力を注ぎ、買収などは一切考えないことがあると思います。
何故に買収という手を使わないかというと、ベンチャーの起業者や社員(大体は学歴とかが、買収先企業の入社条件に満たない)を自社の役員や社員にしたくないからです。
米国のベンチャーは有名大学出身者も多いし、基本的に実力と実績で評価するので、その辺は障害にならないのでしょうけど。

コロナ禍がテレワークの普及の切っ掛けになりましたが、学歴が人物評価の基準として一生使われる奇妙な風習もいい加減止めるべきですね。

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