2013年2月24日日曜日

同軸のシールドケーブルにするから音が悪いんだ

オーディオ用のケーブルというと、真ん中の1本の導線を網線で囲った同軸シールドが一般的です。
TVアンテナから高周波電波を引っ張ってくる場合は、この同軸ケーブルでないとまともに伝送できないので、オーディオ帯域でもそのまま同様なケーブルが使われるようになったみたいです。
MHz領域の高周波伝送では、送り出し側の出力インピーダンスと受け側の入力インピーダンスと伝送路(つまりケーブル)のインピーダンスが一致していないと、反射波が発生して信号が乱れるからです。
そして伝送路のインピーダンスを、TVアンテナなどの50オーム、75オームに厳密に合わせるには、同軸ケーブルが必須になります。
インピーダンスが合った状態だと、真ん中の導線と外側のシールド導線の発生する電磁波が打ち消し合って、ケーブルの外側には電波が漏れず、かつ外来電波(つまり外から飛んでくる雑音電波)も打ち消されて雑音も乗らないというのも、同軸ケーブルが使われる理由です。

極初期のオーディオ伝送も、送り側と受け側と伝送路のインピーダンスを同じにした電力伝送が使われていたのですが、今では送り側のインピーダンスが低く、受け側のインピーダンスが高い、電圧伝送が主なので、同軸にしても先の同軸ケーブルの利点はないのです。
(こう書くと、エレキギターなんかのシールドも意味ないのかと突っ込みが来そうですが、エレキギターの場合はピックアップの出力インピーダンスが数十kオームから数百kオームというハイインピーダンス出力で、オーディオのローインピーダンス伝送とは全く話が別なのです。まあそれでも今の単芯の同軸シールドは意味ないと思うんですけどね)
なので、昔々自作オーディオに凝っていた頃は、CDプレイヤとパワーアンプの間を繫ぐのに、普通の配線用の電線を2本撚ったものを使ってました。

PC/MacにUSB DACを接続する時には、何気に適当に買って来たSONYのオーディオ用ケーブルを使っていたのですが、DAC Magic Plusを使うようになってから、どうもケーブルの音が原因で気に入った音になっていないんじゃないか?という気がして、ふと昔使っていた撚り線ケーブルを引っ張り出して来て繫いだところ...何でもっと早くこいつを使わなかったんだろう、と自分に嫌気が差しましたよ(苦笑)

そもそも未だに世の中は、何でオーディオ伝送に同軸ケーブルなんか使ってるんだろうか。
確かに外側を編み線で囲んだシールド形式は、ノイズから真ん中の導線を隔離してくれて外来ノイズのない綺麗な音になる、気がするのだけど。
でもね、信号というのは行ったままではなくて、戻って来るんですわ。
行きの真ん中の導線を通る電気信号はノイズがないかも知れないけど、戻りの外側のシールドにはノイズが乗って電気信号に乗るんですよ。
帰りに乗るだけなら送り先に伝わらないと思うのは間違いで、しっかり受け側にはそのまま伝わります。
シールドするのであれば、電気信号の行き帰りの2線をシールドしないと意味ないんです。

実際のところ、シールドのない撚り線を長く使ってましたが、ノイズが乗って困ったことはありません。
今も特にPCの雑音が乗っているような気配は一切なし。
まあそれでも20年前に作ったケーブルを使うのは、ちょっと精神衛生上よくない(銅なので中が酸化して音質が劣化している気がする)ので、新たに音のよさそうなケーブルを買って来ました。
ちなみに旧いのは、オーディオお友達に頼んで普通のエナメル銅線を、一昼夜300℃でアニールして貰ったものです。本当は380℃でするのがいいんだけど、そこまで高温槽の中の温度が上げられなくて限界が300℃だったのです。

今回は日本橋のパーツ屋さんで探して、今評判のクライオ処理(それもDCT処理という最新の方法で時間をかけて処理)を施した、エレキギター内部配線用(実売価格440円/m税抜き)を選びました。
極低温にすることで金属原子の配列を綺麗に整列させるという処理です。
RCAプラグは昔買ったオーディオ用(といっても1個数百円程度だったと思います)のを再利用しました。



なかなかいい音です。
若干気になる部分もあるのですが、少なくとも旧い自作ケーブルよりはよくなりました。
メッキ線というのが原因なのか、線径が細いせいか。
メッキしていない7Nか8Nのケーブルが手に入ればいいんですけどね。

(2013/03/03 20:00追記)
MOGAMIのNEGLEX 2549というスタジオ用マイクロフォンケーブルとしては定番中の定番(らしい)のを買って来て、シールドを剥がして中の2芯だけを使って接続ケーブルを作ってみました。
音の出方はフラットで色づけも少なく非常に聴きやすい音なのですが、BELDEN DCT処理のに比べると音像が平板で妙につまらない音になってしまいました。

一晩悩んだ末、BELDEN DCT処理の方を一旦ばらして、配線材を半分に切って2芯パラにして(つまり伝導面積が倍になる)作り直したところ、高音に偏り気味だった音がちょうどいいバランスになり、音像の立体感や解像感はそのままという素晴らしい結果が得られました。
長さが半分になった効果もあると思いますが、ここまで思った通りの結果になるのは珍しいです。
BELDENの配線材そのものがいいのか、DCT処理がいいのか。
同じ型番の素のBELDENだとどうなるか興味が湧いてきてしまいました。

PlayStation4で実現するAMDの野望

SCEが今年末に発売するPlayStation4の概要を発表しましたが、SCE独自のCELLアーキテクチャを諦めて、汎用的なx86に移行することになりました。
まあそれ自体はNvidiaがSHIELDを開発した理由を読んでいたので、至極当然だと納得できます。
またAMDと協業するのも、CPUとGPUの両方を一緒に供給できるチップメーカーが他にはほとんどないので、当然といえば当然。
そのAMDのチップの中で開発コードJaggerというチップを選択したのは、Jaguarしか選べなかったという記事から、まあそんなところか、という程度で。
ということで、PlayStation4には何の感激もなかったのですが、昨晩ぐぐたすに流れて来た引用にこんな話が。

これ本当か?
アーキテクチャ的には、GPUのメモリにCPUが直接アクセスできるってことか??
これが可能になり、プログラム的にCPU処理とGPU処理との境目が減れば、確かにこれはかなり画期的なことです。
OpenGLがAndroidで積極的に使われ始めていますが、画面描画の高速化に使われているだけで、GPGPUにはなってません。
GPGPU構想も、Nvidiaが打ち出してから結構経つけど、なかなか浸透していません。
AMDもNvidiaに続いてGPGPU構想を打ち出していますが、Nvidiaに遅れを取っている感ありありです。
が、ここへ来てAMDが一気にNvidiaもIntelも周回遅れにしそうな。

AMDの汎用チップでの実現なので、まずはPlayStation4から始まるのですが、すぐに一般のPCにも搭載され始めることになります。
そうなると構造解析とか、スパコン系でも革新が起こることになりそう。
これに対してNvidiaとIntelがどうでるか。
両者とも開発能力はAMD以上に高いので、年末にPlayStation4が発売される頃には、対策は完了している可能性大ですが。

(2013/05/12 2:45追記)
CPUとGPUのメモリ空間を共有にするアーキテクチャについての詳細な解説が以下にあります。
CPUとGPUのメモリ空間を統一するAMDの「hUMA」アーキテクチャ

2013年2月16日土曜日

Cambridge Audio DAC Magic Plus



ステレオ誌付属のLXU-OT2を弄っている内に、ちゃんとしたUSB DACが欲しくなり、色々と調べた結果、英吉利は剣橋にあるオーディオメーカーのを買うことになりました。
BitPerfectのオーバーサンプリング効果もよかったのですが、ソフトウェアでのアップサンプリングはMac miniには向かないようなのと、BitPerfectでアップサンプリングされるのがiTunes音源のみのため、音源に関わらずアップサンプリングしてくれるものを探すと、USB DAC自身にアップサンプリング機能が付いている方がよいなと。
最初は仕事仲間と、欧州で話題という中国のガレージメーカー品を輸入しようかと考えたのですが、eBayで色々とUSB DACを漁っていると、Cambridge Audio DAC Magic Plusを安く出している業者がおり、更に値切り交渉OKだったので試しに値切ってみたところ、結局送料込みで5万円を切る値段で買えました。(その時のUSDレートは90円ちょい)
日本での最安値よりも1万3千円くらい安いので、メーカー保証が効かないリスクはありますけど、届いてから2週間程経過して順調に動いているので、結果的にラッキーだったなと。
(ちなみに出品者は本品を2台だけ出品していて、常にこの値段で出しているわけではないので、常にeBayで安く買えるわけではないです。普通に出品されているのだと、送料込みだと日本で買う方が安いです)

Cambridge Audioの価格が高い製品には、ATF Upsamplingという瑞西の音響研究会社で開発された技術によるソフトを、Analog Devices社とIntel社が開発したBlackfinという32bit DSPで処理するという、優れたアップサンプリング機能が搭載されています。
Cambridge Audio DacMagic 100 [Silver] ケンブリッジオーディオ 192kHz/24bit入力対応 USB DACというお手頃価格のDACには、このATFが搭載されていないのですよね。
また中国のガレージメーカー品のアップサンプリング品は、ここまで賢いアップサンプリング機能ではないのです。

到着して、始めにMac miniの光出力を繫いで聴いたのですが、あまりいい音ではなくがっかりしたのですが、USB接続に切り替え、USB入力のサンプル周波数設定を192kHzにし直し、デジタルフィルター設定をやり直して、と設定を変えていく内にドンドンよくなり、最終的に「うわ、こんなに色んな音が今まで聞こえてなかったのか!」と、もっと早くDACをまともなものにしておけばよかったと後悔するくらいに、凄い表現力のある音になってくれました。

こうなるとですね、今使っているSTAXのイアスピーカのアンプが、音質のボトルネックになっているんじゃないかという気がしてくることしきり。
人の欲望の果てしなさには、困ったもんだ。

【ZEISSコラム】3本のF1.4/35mm

今、私の手元にはF1.4/35mmのレンズが3本あります。
・CONTAX Distagon T* F1.4/35mm AEGのマウント改造品
・Ditagon T* F1.4/35mm ZF.2
・SIGMA F1.4/35mm DG HSM
この3本で女性を撮影して比較してみました。
全て最短開放です。



分光透過率はSIGMAとZF.2が同じくらいによく、CONTAXは時代が古いため少し劣ります。
でも作例の露出が変わらないのは、RAW現像時に色と露出を揃えるように調整しているからです。

まあこのサイズに縮小したら、全く区別は付きません。
でも撮影している時のピント合わせは、SIGMAがマニュアルでも一番楽で、次いでZF.2、最後がCONTAXになります。
でもCONTAXも、結構ピントの山がはっきりしていて、合わせやすいんですけどね。

SIGMAはボケが堅いという人がいますが、それはSIGMAのピントが合っている部分が、35mm/F1.4としては常識外れに高いMTF値を示しており、よってその前後のピントを外れた部分でも他のレンズよりもMTF値が高くなり、像が崩れないためにそう見えるのではないかと思います。
モデルの子の肌の調子がよくないので作例としてどうかと思いましたが、むしろ測定性能値のよさとポートレートでの善し悪しは別だということがよく判るかなと思います。
SIGMA Art Lineの凄さがよく判りますね。
逆にいえば、ポートレートを撮るときは、製造の時代が旧いレンズの方がモデルには喜ばれる理由も判ると思います。

2013年2月10日日曜日

【くるまのおと】Stingray comes back!



Corvette Stingray復活!
American Sport Carの象徴ともいうべき、Vetteが、あのStingrayの名前を復活させると。
一度倒産したGMですが、クルマ造りの底力は凄いですからね。

GMに限らず、Fordといい、Chryslerといい、マッスル・スポーツカーを頑張って造り続けています。
その点、日本のメーカーの情けないこと。
辛うじて日産がZとRを造り続けている程度ですからね。
いくらスポーツカーが売れないからといっても、実際に売れるのはSRVばかりだからといっても、憬れになるような車種のないメーカーのクルマは買いたくないよね。

大学生の頃は、Corvette Stingrayに憧れてました。
だってめちゃくちゃカッコいいんだもの。
更にアメリカのメーカーは、レーシング用の改造パーツを純正で出していて、それを使ったストリートカーも多かったんですよね。
その頃の日本では、排ガス規制のこともあって、クルマを改造するのは極悪残虐な行為と扱われていたのと、全く正反対で。
でも、日本でもレーシング用のスモールエンジンブロックLT-1を組み込んだ改造Corvetteに乗っている人が結構いたんですよね。
アメリカ車なら改造車でも、何故か堂々と車検が通ったんですわ。

今でもアメリカ車は、純正レーシングパーツを販売しているんでしょうか?
昔のアメリカでは、サンデーレーシングという、親しい地域の仲間が毎週末集まってレースを行うのが普通でした。
そのために純正レーシングパーツがよく売れたんでしょうけど。

それにつけても、今度のCorvetteもカッコええなぁ。
まあ私には買えませんけど。
アメリカン・マッスルを買うにしてもMustangベースのコブラ買いますけど(笑)
でもVetteには憧れます。

2013年2月9日土曜日

敵は海賊・海賊の敵 / 神林長平



6年振りの一人と一艦と一匹の物語。
シリーズ第一作目の海賊版が1983年刊行なので、なんと30年にも及ぶのですね。
30年前から変わらぬ面白さで楽しませてくれています。
何もいいようがありません。
ただ買って読んで下さい。
絶対に損はしませんので。

2013年2月3日日曜日

USBケーブルを交換して音がよくなるのか?



昔、電子回路設計をしていた頃は、ほぼ毎月買っていたトランジスタ技術ですが、ソフト屋になってからはすっかりご無沙汰しています。
が、今月号の「作る!Myデジタル・オーディオ」というタイトルに惹かれて、中身をパラパラッと見たら、今はDACとかを自作できる環境が整っていると書かれていました。
実際に自作をしなくても、デジタル・オーディオをするのなら、ある程度は知識を持っておいた方がよかろうと購入しました。

これを読む前、先週辺りに、ちょっとUSBケーブルの質で本当に音が変わるのか?を試すために、Belkin ハイスピード 高品質オーディオ用 USB2.0ケーブル F3U133V-06-GLD 1.8MとかAmazonベーシック USB2.0ケーブル (A)オス-(B)オス 高密度編組 1.8mとかを買って、LXU-OT2に付属していたUSBケーブルと入れ替えてみたのですが、これが不思議なことに確かに変わるのです。

付属ケーブルよりもAmazonベーシックUSBの方がよく、Belkinのオーディオ用は更によいのです。
デジタル信号伝送で音が変わるというのは、納得がいかなかったのですが、トラ技の記事を読んで納得。
なんと、LXU-OT2のような安いDACのデジタルインターフェースは、送り側と受け側でちゃんと同期を取っているわけではなく、信号のやり取りの確認なんかもしておらず、ビットの取りこぼしとか重複取り込みとかを許す仕組みになってるのだそうで。
そりゃ安いUSBケーブルは、ジッタ(信号の時間軸に対する揺れ)が発生しやすいから、ちゃんとした信号が届かず、高いジッタの少ないUSBケーブルなら信号が正確に届くから、音が変わるのは当然ですな。
ちゅーか、デジタル信号伝送でそんな適当なことを許しているってどういうことよ??

最近のそれなりのUSB DACでは非同期USBで、信号の取りこぼしがないようにしているものが主流になってきていますが、それが当たり前でしょうにね。
逆にいえば、USBの信号伝送が100%確実に受け取れる仕組みになっているのであれば、USBケーブル交換して音が変わるということはないはず。
まあ厳密にいえば、LXU-OT2みたいにUSB電力を使う場合は、それに乗っかっているノイズの影響とか、ケーブルインピーダンスによる電流伝送の違いとかで音が変わる要素はありますけどね。

少し真面目に勉強して、デジタルオーディオ機器のガレージメーカー目指そうかな。