2018年3月7日水曜日

インドクリスタル / 篠田 節子




インド山中の田舎町を舞台にした物語。
インドは中国に次ぐ、広大な国土と膨大な人口を抱えていますが、数々の民族の数々の文化と言語が混沌となっており、一つの政府の支配下にあるとはいえ、その実は正に混沌(カオス)としかいえない状況です。
あまりにもカオス過ぎて、政府も統一するにできずにいるというのが現実でしょうか。
そんな混沌に翻弄される日本人の物語。

篠田節子氏の小説は初めてですが、よくできており、面白かったです。
下巻の帯に「一気読み必至!」とありますが、正にこの膨大なページ数を一気に読んだ感じです。
ここで描かれているインドの混沌とした社会が特別かというと、そんなことはなく、むしろ日本が平和過ぎなわけですわな。
東南アジアだと、中共を含め、どこも法律や契約なんかは信用できない。
信頼できそうな人でも、隙を見せればすぐに裏切る。
嘘を平気でつき、欺す奴ではなく欺される奴が悪いのが常識。
バブル景気以来、日本もそういうのが普通になりつつあるのが悲しいですが。

2018年3月4日日曜日

がん消滅の罠 完全寛解の謎 / 岩木 一麻



本作も「このミステリーがすごい!2017年」で大賞を受賞した作品です。
内容的に実際に癌治療を行った経験があるのかな?とプロフィールを確認したら、実際に国立がん研究センターで研究を行われていたそうです。
現在は医療系出版社に勤務だそうで、文章の巧さも納得です。
本作が作家としてのデビュー作になるわけですが、ストーリー構成や進め方、文章の読みやすさなど、なかなかのものです。
最後の落ちの部分が、ヒントになるものが直前まで出て来ておらず、物語の途中で推理するには材料が不足しているのが、ちょっと惜しいかなという気はします。

現在の医療技術だと、癌を利用した保険詐欺も可能なんですね。
癌が高い確率で治癒できるようになるまで、もう少しらしいですが、どうなのでしょうか?
本作の中での主人公が妻にがんの説明していて、妻が「がんへの道は長く険しい」とつぶやくシーンがあります。
がんになるまでには、細胞内の様々ないくつもの安全装置が働いて、なかなかがんに至ることはなく「がんはひとつの奇跡だ」そうです。
まあ人の寿命が飛躍的に伸びて、なかなか死ななくなったから、何とか死のうとしてがんになるということなんですかね?

2018年2月26日月曜日

Catharsis / MACHINE HEAD







前作ブラッドストーン・アンド・ダイヤモンズから4年振りのスタジオアルバムです。
完璧すぎるHeavy MetalアルバムであるThe Blackeingまでは、コンスタントに2年毎のアルバム発表を行っていましたが、それ移行は4年毎になっています。
それだけThe Blackeingの破壊力は凄まじく、MACHINE HEADもそれ以上のアルバムを生み出すのに苦労しているんだろうなという感じですね。
本作もThe Blackeingの延長線上というか、同様の手法を使った作品になっています。
アコースティックを使った曲もあり、メロディ重視で作られている感じ。

学校では教えてくれない戦国史の授業 / 井沢 元彦



この「学校では教えてくれない」シリーズは、もう何冊も発刊されているのですが、通番が振られていないので、どれを読んでどれを読んでないのかさっぱり判らなくなってます。
それはさておき、本巻はタイトル通り戦国史についてを、戦国時代になる原因になった将軍 足利義教から、織田信長までを説明しています。
戦国時代というのは非常に密度の濃い時代なので、もう少し細かく章分けして詳細に説明してもよかったんじゃないかという気もします。
大まかな筋は、既に逆説の日本史で語られているわけですし。

2018年2月22日木曜日

GRIMMEST HITS / Black Label Society



Zakk Wyldeがデビューして30周年だそうです。
ガソリンスタンド店員をしていたのが、一躍人気ギタリストになったのだから、世の中はどこにチャンスがあるか判りません。
本アルバムのタイトルをパッと見て、「Greatest Hits」と勘違いしたのですが、ジャケットのシルエットの鎌を持った怪人の一撃のことらしいです。
その格好からすると、かなりおどろおどろした強烈にHeavyなサウンドを想像してしまうのですが、今回はちょっと大人しめです。
Heavyなサウンドの曲も多いですが、リズムは軽快なRock'n' Rollなので、軽めに聞こえてしまうのですよね。
アコーステックな曲も多めですし。

Zakkの歌い方は、かなり個性的なのですが、どうもOzzy的な歌い方をしているからじゃないかと、今更ながら気が付きました。
ちょっと前に「Ozzyはヴィブラートを描けないで歌っているから、真似するのは却って難しい」という話を聞いたのですけど、Zakkもそういうヴィブラートをかけずに歌ってます。
ギターはヴィブラートバリバリなのに。
道理で独特な声に聞こえるわけだ。

縄文の思想 / 瀬川 拓郎



日本人のDNAを調査した結果を述べた書籍を何冊か読んでいますが、縄文人と現代日本人の関係やアイヌ人との関係についての考察が、著者によって異なるのですよね。
DNA解析データを見ていても、どうにも納得できない部分があったのですが、本書を読んでこういうことか?というのがありました。
現代アイヌ人は、縄文人直系のアイヌ人(以下旧アイヌ人)と、オホーツクからやって来たオホーツク人との混血らしいです。
現代アイヌ人のDNAは、縄文人や沖縄民族に非常に近い部分とかなりかけ離れた部分があるのですが、この混血が確かなら納得のいく話です。

捕鯨で世界的に有名になった太地町では、昔から鯨が捕れるとその肉を町の人に平等に配る風習があるのですが、そういう風習を持った漁港町は日本全国に結構あるようで、どうもそれは縄文時代の風習がずっと伝わって残っているからのようです。
縄文時代の日本は、理想的な共産主義社会で、リーダーがいても富を独占することはなく、捕った獲物は赤子から年寄りまで平等に分けていたんだそうな。
実際、古代から日本には(ソ連や中共のような、共産主義の名を騙る独裁主義ではなく、正に本来の意味での)共産主義的なところがあり、つい最近までの日本企業の終身雇用制とか給与体系、職制は平等主義であり共産主義的で、「資本主義の皮を被った社会主義」なのですよね。

平等主義は外敵がいない所では、長期的に平和で安定な社会を形成できます(事実縄文時代は戦争のない社会が1万年以上続いていました)が、海を越えて独占主義、独裁主義が入ってくると崩れてしまいました。
まあ縄文時代は温暖期で、自然の恵みが豊かだったが、弥生後期になると地球の寒冷化で作物が採れなくなったということもあるんでしょうけど。

また、本書では縄文時代の人びとが、海を渡って非常に広範囲な活動・交易を行っていたことが示されています。
縄文人がどのような船を使っていたのかは、殆ど判っていません(土器や壁画の線画程度しか残っておらず、恐らくは木製の船は跡形もなく朽ちて痕跡がないのです)が、日本列島だけではなく半島や大陸にも進出していたことは、遺跡から判っています。
その割には、半島や大陸から縄文土器が見つからないのは不思議ですけどね。

本書を読んで、我々の内にある縄文を思い起こすことが、今の日本人には必要ではないかと思います。

2018年2月18日日曜日

WHAT HAPPENS NEXT / Joe Satriani



Satriani師匠のアルバムを買うのは久しぶりだ。
ギター・インストって、聴いていて飽きるというのがあって…どの曲も同じに聞こえるし…で、ここ数年は、師匠に限らずインストアルバムは殆ど買ってないのです。
Legacy ''Demon's Strike''が例外ですね。まだBlogに書いてないですが。
に関わらず今回購入したのは、何といってもベースをGlenn Hughes様が弾いているからに他なりません。
おまけにドラムがChad Smithですよ。
洒落にならん、超強力なリズム隊。
このドラムとベースだけで、買う価値があるでしょ。
Glenn Hughes様がベースだけを弾いて、歌を歌わないというのは、前代未聞なのですが、Glenn様のベース・プレイの素晴らしさは、ベーシストなら例外なく讃える程のもので…でも一般のベースを弾いたことのないファンには理解できないものなんですが…恐らく世界中のRockベーシストは、全員このアルバムを買うんじゃないでしょうか。
いやほんま、実際アルバムを聴いても、Glenn様のベースがブリブリ鳴りまくっていてたまらんですわ。
とにかくベース弾く奴は全員このアルバムを買って聖典として崇め奉らないとあかんですよ。