2015年2月18日水曜日

古代史の謎は「海路」で解ける / 長野正孝



古代日本は海洋国なのは、新潟のでしか産出しない翡翠が、南は八丈島から北はアラスカまで散らばっているいることからも間違いのないことです。
著者は普段からカヌーを始めとして、舟を楽しんでいる方のようで、古代の船旅を実際に舟を操った経験から再現しようとされています。
平安時代から江戸時代において、大阪湾から琵琶湖までの水運が発達していたのは確かなのですが、河の流れに逆らって大阪から京都までをどうやって遡ったのか不思議でしたが、本書を読んで何となくそう不可能や不条理なことではないんだなという気がしてきました。
陸路を川沿いに舟を牽いて超えて進むのことが、古代では普通のことだったというのも、読み進んでいく内に納得できるようになりました。
山の中に「船越」という地名がちょくちょく見当たるのですが、その由来も納得できるものです。
古代史に興味のある方は、必読の書ですよ。

2015年2月14日土曜日

【ZIESSコラム】コシナ、こだわりのメイド・イン・ジャパン ツァイス&フォクトレンダーの作り方 / ガンダーラ井上



コシナのサイトで「こだわりの理由」という、レンズ造りに対するこだわりについてを解説した連載が、掲載されています。
その記事をまとめ、写真を追加し、開発者インタビューを追加した一冊です。
Webで読むとの紙で読むのとは、やはり雰囲気が変わりますね。

金属鏡胴と職人による手作業による製造は、コストは掛かるけど、買って使う人が満足感に浸れるためには必要なものです。
そういう体制を築いたからこそ、Carl Zeissから協業の申し込みがあったのでしょう。
デジタル時代になってCONTAXが撤退し、もう写真を撮れなくなる(撮る気になれるレンズがなくなってしまう)んじゃないかと、真剣に悩んだこともありましたが、コシナとCarl ZeissがZFシリーズを発売してくれたことと、Nikonがフルサイズ一眼レフデジカメを発売してくれたことで、きっぱりとフィルムに別れを告げてデジタルに切り替えることができました。
これからもこだわり抜いた、素晴らしいレンズを造り続けていって欲しいです。

2015年2月12日木曜日

本朝甲冑奇談 / 東郷隆



古文書を丁寧に読み解いて、埋もれた無名な人達の歴史を掘り起こして書かれた短編集です。
タイトルの通り、甲冑についてとそれに関わる人達の歴史物語です。
日本刀を扱った小説は珍しくはない(本作者も日本刀についての物語も書かれているようです)のですが、甲冑となるとあまり読んだことはありません。
5月人形には兜や甲冑が付きものなので、そちら方面にも男子は興味を持ってよいのではないかと思いますが、日本刀に興味を持つ人は多くとも、兜や甲冑に興味を持つという人はあまりいません。
本書は兜は甲冑の蘊蓄が語られているわけではないですが、戦国や江戸時代の歴史の裏にこういうこともあったのかと、興味深く読み進めました。
戦国の歴史に興味ある方は、一読をお奨めします。

2015年2月11日水曜日

SIGMAからARTシリーズの単焦点レンズが

次は85mm/F1.4を期待してたら、広角側に来ました。

デジカメWatchの記事
大口径広角レンズ「SIGMA 24mm F1.4 DG HSM」 Artライン新モデル サジタルコマフレアや歪曲収差を低減

SIGMAの製品紹介
Art 24mm F1.4 DG HSM

フルサイズ対応のARTシリーズは3本目ですが、35mm/F1.4と50mm/F1.4はどちらも強烈に素晴らしかったので、この24mm/F1.4も欲しいです。
FLDガラス3枚、SLDガラス4枚、非球面2枚、通常の光学ガラス6枚と、今回も色収差低減にコストをがっつりとかけています。
FLDとSLDの使用枚数は、35mmと50mmのF1.4コンビよりも多いんですよね。
Distagon F2/25mm ZF.2と焦点距離が近いので、使い分けに悩みそうな気もしますが、開放F値が1段明るいから、いっその買い換えでもいいのかなぁ。
D2/25の映りの素晴らしさも捨てがたいから、なかなか踏ん切りも付かないのですが。



また、既に発表されていますが、Contemporary 150-600mmの価格が決まったそうです。発売日はまだ未定。

デジカメWatchの記事
SIGMA 150-600mm F5-6.3|Contemporaryの価格が決定

ライブ撮影用にSportになる前の120-300mm/F2.8を使用しているのですが、こいつが重さが3.5kgくらいあって、非常に重い。
その前は150-500mm、50-500mmと買い換えていたけど、F値が暗いこともあって120-300mmに思い切って切り替えたのですが、ライブ撮影だとやはりズーム比が低いのと重さが半端ないので、結局出番が年に数回あるかどうかということになってしまてて。
(ここ数年でライブ撮影用で一番出番の多いのが、Nikkor 24-120mm/F4)
よってライブ用に、画質が向上し、重さも軽くなったContemporaryの方に興味津々なんですよね。

【ZIESSコラム】今週末のCP+開催に合わせて、一気に発表が

海外ではとっくに発表になっていましたが、コシナからCarl Zeissレンズが2本発表されました。

デジカメWatchの記事
コシナ、Mマウントカールツァイス「Distagon T* 1.4/35 ZM」
カールツァイス「Otus 1.4/85」が国内発表

コシナの製品ページ
Carl Zeiss Distagon T* 1.4/35 ZM
Otus 1.4/85 ZE, ZF.2

Otusは1.4/55に続く第2弾ですが、今回も49万円(税別)いうことで、とても買えません。
D1.4/35ZMの方は21万8千円(税別)で、買えなくもないかなというところですが、いずれにしても私的にはZF.2があるのであまり興味は湧かなかったのですが...MTFが全面的に改善されていて、かつディストーションが大幅に小さくなっているのに、ちょいとクラッと来てしまってます。
まあ実写サンプルが出てから、じっくりと検討したいですね。



またZeissではないですが、コシナVoigtolanderブランドで1本発表になりました。

デジカメWatchの記事
SUPER WIDE-HELIAR 15mmがリニューアル デジタル向けの新規光学設計 周辺色被りに配慮

コシナの製品ページ
SUPER WIDE-HELIAR 15mm/F4.5 Aspherical III

IIは以前α7Rに装着していたのですが、本Blogでも書いたように色被りがどうしようもなく、諦めて処分してしまったのですが、今度のはそれが改善されているそうなので、期待しています。

私たちは今でも進化しているのか? / マーリーン・ズック



生物が進化するのには何十万年〜百万年という長さが必要なように思われているますが、実際には数千年単位でも進化するし、昆虫のような寿命が短く代替わりの速い場合は数十年で進化する例が出ています。
大人になっても乳糖分解酵素の分泌が続き、牛乳を飲んで栄養にできるのは、ほんの数千年程度で人類に起こった進化の一例だそうで。
本書ではそういう例をあげ、パレオ主義(日本では炭水化物を食べずにダイエットするというのが、この主義の流れを汲んでる)の主張を否定しています。

パレオ主義というのは、1万年以上前の原始人の生活に沿って生きることで、病気(特に癌)にならず健康的でいつまでも若々しく長生きできる、という主張なんですが...そもそも1万年前の人類が健康的で長寿命だという根拠はどこから来たんだよ(笑
癌は歳を取ると発症しやすくなるので、癌になりたくなければなる前に死ぬのが一番でしょ(爆

農業の発達により、人類は穀物のデンプン質を主な栄養源とするようになったというけど、縄文時代の日本人はドングリや木の実を主食にしていたことが判っているし、本書でも原始人が植物の根や木の実からデンプン質を大量に食べていたことが示されています。
肉だけ食べていたなんてのは、完全な妄想です。

まあだからといって炭水化物だけ食べていればいいってもんじゃないのも当たり前で。
要はキチンとバランスのよい食事と運動が必要ってことですよね。


また本書では、人類が走ることが得意であるという話が出ています。
え?と思うのですが、人類の走る速度は哺乳類の中でも遅い方ですからね。
が、得意なのは短距離のスプリント走ではなく、長距離のマラソンだそうで、マラソンのような何十kmも走り続けられる生物は人類だけだそうです。
確かに、明治時代に日本在住の西洋人が、30km程離れた場所へ行くのに、馬で行った(しかも途中で1回馬を乗り換えている)時と、人力車(途中で乗り換えなしの一人の車夫)で行った場合で、掛かった時間に差がないことに驚いていた話を聞いたことあります。
また、今でもマラソン大会というと1万人くらいの人が参加しており、多くの人が完走しています。
ランニングは身体中の筋肉をまんべんなく使うので、スポーツ選手が必ずランニングを行うのは、持久力を養うだけでなく、鍛えてない筋肉がないようにするためという話も聞いたことがあります。
なので人類が長距離走を行うために進化したというのは納得できるんですよね。
2本足で走るのは長距離で走るためと考えれば、他のデメリットがありながらわざわざ2本足で歩くようになった理由も付く気がするし。

2015年2月1日日曜日

哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎 驚異の器官がが生まれるまで / 酒井仙吉



本書の半ばまでは、地球に生命が誕生してからの進化についての話が延々と続いて、なかなか哺乳類も乳も出て来なくて、タイトルに偽りありか?と思い始めたところで、カモノハシが登場してやっと乳を分泌する話が始まりました。
まあ哺乳類が誕生するまでの説明をしたかったのは理解できますけど、本書のタイトルからすると前振りが長すぎるんでは?という気がします。
こういう本を読む人は、ある程度地球の生命体の進化についての知識はあるはずなので、一般的な話を延々と続けられると、同じような話を他の多数の本で読んでいるので、なんか同じことの繰り返しで嫌気が指すんですよね。

後半に入ってからの、乳を分泌するカモノハシ、有袋類、哺乳類の比較の話とか、ヒトの乳での保育の仕組みとかは、他では読めない興味深い話の連続なので、余計に前半の話はもっと手短にして、本書のタイトル関連の話を多くして欲しかったと思います。
ヒトの乳についてもかなり巧妙な仕組みが組み込まれていることは、進化の妙とはいえ、驚くべきことです。

日本人は牛乳を消化できないというのは割と知られた話ですが、哺乳類は乳を必要とする赤ん坊の時は乳(正確には主成分の乳糖)を消化する酵素が腸内に分泌されるのですが、成長するとその分泌が止まって乳糖を消化できないようになっているそうです。
しかし、白人系のヒトだけが成長しても乳糖の消化酵素の分泌が止まらず、大人になっても乳を飲んで栄養にすることができると。
つまり牛乳を飲めないのは、哺乳類として正常で、飲める方が例外なんだということですね。

ヒトは雑食性ですが、元々は肉食の消化系になっているそうで、しかし肉食だけだとビタミンCが不足するため果実などを食べるようになったとか。
ゴリラとオランウータンは果実が主食の植物食で、チンパンジーとボノボは果実中心に昆虫なども食べる雑食性、なのにヒトだけ元々は肉食性というのはなんでやねん?という気がしますが...類人猿は元々肉食なのが草食性に変わったのか、元々草食性なのがヒトだけ肉食性に変わったか。
いずれにしても消化器系はそれ程速く進化するとは思えないので、キツネザル−>猿−>類人類は基本草食なので、ヒトが肉食性の消化器を持っているというのはかなり不思議なことだと思います。