2016年8月16日火曜日

逆説の日本史 22 明治維新編: 西南戦争と大久保暗殺の謎 / 井沢元彦



逆説の日本史も連載開始から25年。ということで、過去の記事を一部訂正する補遺編が追加されています。
明治維新というのは、世界的にも希有な政治体制の革命であり、その後の文明導入の速度も革命的な出来事です。
明治に入ってからの鉄道網、電信・電話網、郵便制度、その他諸々のインフラ整備は、恐ろしいくらいに急速にしかも確実に行われています。
これがどれくらい凄いことかを、今の日本人には理解できないでしょうけど、西洋人は恐ろしさを感じたはずです。
その一端がここに書かれていますが、本書では武士達が自分達の身分と立場を江戸時代の体制のまま求めて、新政府の体制に対して反旗を翻した経緯がメインになっています。
この一連の流れを思いっきり省略して分かりやすくしたらラスト サムライになるわけで。

2016年8月11日木曜日

倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々 / 倉山満



後醍醐天皇を主人公とする太平記の時代は、意外と時代劇や小説には題材に余り取り上げられていないのですよね。
時代的にはそれ程年数は多くないですが、密度が濃く、まともに大河ドラマで描こうとすると回数が全然足りないそうで。
(それでも一度取り上げられていますが…私は観ていないんですよね)
後醍醐天皇の我が儘振りは知っていましたが、足利尊氏のことがよく分からなかったのです。
何故かを本書を読んで分かったような気がします。
かなりの躁鬱症で、歴史の表に出て来たと思ったら引っ込んで隠棲してしまうということを繰り返していて、むしろ弟の直義や家老の高師直が全面に出続けていて、尊氏の行動がよく判らんせいらしいですね。
尊氏という人はかなりお人好しだったらしく、そのせいで朝廷が南北に分断されたり、幕府も京都と鎌倉に分かれてしまったりしてるんですが、鎌倉府を設けたのは元々後醍醐天皇であることを初めて知りました。
今まで読んだものだと、南朝から目が離せないから将軍は京都から離れられず、かといって武家の本拠地になってしまっている鎌倉も押さえておかねばならないことから、鎌倉にも公方を置くことになったという説明を聞いていたのですが、それは既に後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒して親政を始めた時からだったんですね。
#おまけに東北にも鎮守府として、自分の息子を東北公方として据えているし。
何にしても、この時代は本当にめちゃくちゃですね。
1冊ではとても書ききれず、本書は数冊の連載形式になるそうです。

2016年8月7日日曜日

はなとゆめ / 冲方丁



清少納言が自身の半生を独白する形式で書かれた小説です。
冲方氏がこういうものを題材に選ぶというのは意外でしたが、紫式部に比べると影の薄い清少納言を選んだという点ではらしいと言えるでしょうけど。
源氏物語が世界最古の小説であると同時に、枕草子は恐らく世界最古のコラム集とも言える存在で、どちらも女性の手による文化的な文筆作品という点では、圧倒的に古くて恐らくこの点でも世界最古です。
当時の宮廷政治に女官達が重要な役割を果たしていることが描かれていますが、女性が政治に関わるというのは、他の国では近代に入るまで例がないんじゃないかと思います。
平安文化というものが、どれ程優れており先進的なものだったかを、今の日本の歴史の授業では全くといっていい程無視しており、共産党かぶれの日教組により貴族による人民の弾圧と搾取という大陸での常識をそのまま日本に当てはめて否定する無知振りです。
本書は当時の詩(ウタ)というものが、(中高生が古典で教わるような表面的な薄っぺらな解釈では到底理解できない程に)どれ程に奥深いものであるかを教えてくれます。
そして宮廷の権力争いというものが、どれくらいに卑劣で見にくいものであるかも。

2016年7月31日日曜日

本能寺の変 秀吉の陰謀 / 井上 慶雪



本能寺の変の実行犯は明智光秀ではなく、羽柴秀吉の手の者による犯行で、冤罪であるという説です。
今に至るまで、明智光秀が何故謀反を起こしたのか、動機が不明で、それ故に後世に色々と造り話がされ、それを史実と勘違いした歴史家が出る始末。
秀吉の大返しも、どう計算してもおかしなことばかりで、事前に事が起きることを知っていたとしか思えない。
お説のように、全ては秀吉の陰謀によるもので、光秀は濡れ衣を着せられただけと考えれば、かなりの点で筋が通ります。
が、それでも何点かは無理が残るんですよね。
いくら秀吉が天才的な知略の持ち主でも、信長の行動をあそこまで見事に予測し誘導できたか?という疑問が残ります。
本書で書かれていますが、本能寺は信長の常宿ではなくそれ以前には半年前に1回だけ、なので、当日本能寺に泊まることをどうやって予測できたのか。
茶会を催すため、ということなのですが、茶会は本能寺でなければできなかったとも思えません。
その茶会に多数の名物(茶器)を携えてくるのに、供回りが数十名程度というのも不自然です。

お説最もな部分は多かれど、筋が通らないことも多いのも確か。

F-4 ファントムIIの科学 40年を超えて最前線で活躍する名機の秘密 / 青木 謙知



ファントムというと、新谷かおる氏のファントム無頼を思い浮かべてしまいますが、その影響か戦闘機というとF-101スターファイターでも、F-15イーグルでも、F-14トムキャットでも、F-16ファイティング・ファルコンでもなく、このF-4ファントムIIがまず頭に浮かぶのです。
現在に至るまでの歴代の戦闘機でカッコイイと思うのが、我が日本の誇る零式艦上戦闘機とF-4ファントムIIであるということもあるんでしょうけどね。
そんなわけで、本シリーズは今まで手には取っても買うまでは至らなかったのですが、F-4に関してはそのまま買い物かごへ入れてしまいました。
こんな本を読むのは、中年の兵器オタクの証拠なので、あまりお薦めはできません。
強度のミリオタには、本書は物足りないでしょうしね。
極軽微なミリオタにはお薦めです。

2016年7月28日木曜日

よみがえる神武天皇 / 牧村 健志



この方も春秋二倍暦説を取られていて、記紀の元になった「帝紀」が二倍暦で「旧辞」が暦年の記載になっているという説を取られています。
それに基づいた修正暦は、長浜氏の修正暦よりも根拠が明確で、尚且つ考古学や半島資料などとの整合性もよく取れていて、納得の行くものになっていると思います。

灌漑のために掘り起こした土砂を集めたのが古墳である、という説は初めてですが、非常に納得の行くものです。
ピラミッドもそうなのですが、王の墓を作るためだけに人々が労力を使うか?ということは、快適な部屋の中で書物のみを頼りに推測する人達には思いも寄らないのでしょうね。
特に戦後の日本の学者さん達は皆さん共産党に被れて、搾取階級が労働者階級を強制的に働かせるものだという思い込みのみで説を立てていますから。

いずれにしても、本書で語られている数々の説は、理があり、各種資料や遺跡などの研究結果などとも整合性がよく取れているものが多く、納得できるものが多いです。
一部、ちょっとこれはどうかなというのもなくはないですが、そういう点はご本人も自説に完全に納得されているようではなく、まだまだ調査が必要的な書き方になっており、まだ自説は発展途上であることを明確にされているので、こういう点でもこの方の論は信じられる感じになります。

2016年7月24日日曜日

【くるまのおと】Demioのシートは長距離でも快適

購入してから1年を経過しましたが、週末に近所に行く程度で、長距離は全然と言っていいくらいに行っていませんでした。
最長で片道2時間程度。
今回、日帰りで往復約450km、時間にして13時間の旅に行って参りました。
13時間の内、少なくとも10時間は運転席に座って運転をしていたのですが、腰が痛くなることはありませんでした。
フットレストに載せっぱなしの左足がちょっと痺れたのと、背中が痛くなったのはありますが、左足はずっと伸ばしっぱなしで動かさないとそうなる(所謂エコノミー症候群)ので、もう少し休憩しながら運転しないとダメですね。
背中が痛くなったのも、シートのせいというよりも、同じ姿勢を長時間保っていたためと、周りのクルマの急な飛び出しなどで緊張が続いたせいだと思います。
まあ、ぶっちゃけ318tiの革シートよりも疲れが少なかったです。
翌日に疲れも持ち越しませんでしたし、長距離ドライブには318tiよりもDemioの方が向いているような気もします。
#18年前のクルマと比べること自体が無理あるんでしょうけどね。