2017年6月11日日曜日

秘伝・日本史解読術 / 荒山徹



伝奇歴史小説家の荒山氏が解説する日本史です。
氏独特のユニークな見方と解釈が満載です。
これはいくらなんで、という箇所も多々ありますが、成る程と思わされる箇所も多いです。
氏によると日本の歴史に疎い方向けに書かれたとのことですが…これを入門書として読むと、色々と後で他の日本史関連の書籍を読んだときに苦労するような気もしますが。

2017年6月7日水曜日

名刀に挑む 日本刀を知れば日本の美がわかる / 松田 次泰



古刀の再現とそれを超える作刀を目指されている刀匠が、日本刀と日本文化について語った一冊。
日本刀は鎌倉が最高で、その後は美術品としての価値が落ちていく。
鎌倉に戻ることを目指して、江戸時代から多くの刀匠が挑戦しているけども、まだ再現できた刀匠はしないそうで。

かなり昔に、ある刀匠の方が、鞴の技術が進んで温度が上げられるようになったのが原因として、わざと温度の上がらない状態で作刀をされている方がいました。
この方も同じようなことをされて、かなり近いところまで来られているようです。
そこから先は、材料になる玉鋼の問題なのか、何なのか。

今の日本では生産性を重視して、西洋式の溶鉱炉を使った鉄を盛んに作っていますが、それだと結局はコスト競争で韓国や中共に負けている状況です。
それよりも錆びに強い、和鉄の良さを見直して、蹈鞴製鉄をもっと増やすべきとの論を唱えられています。
日本刀も世界的に人気で、購入を希望する人が多いらしいですが、日本の刀匠が作刀したものはなかなか手に入らないので、中国、韓国、タイなどで作られた日本刀っぽいものが大量に出回っているんだとか。
とても日本刀とは呼べない質の悪いものばかりだそうですが、それを日本刀だと思われたら、日本の恥になるんですよね。
日本では一人の刀匠が作刀できるのは、年間24本と制限されており、そのために刀匠の方々は収入が制限され、後継者を碌に育てることもできません。
是非とも、日本の誇りである日本刀の普及に、政府が力を入れて欲しいものです。

2017年6月5日月曜日

ローガン (LOGAN)

ローガン公式サイト

ウルヴァリンではなくローガン。
不死身のウルヴァリンのはずが、体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素によって、再生能力が失われていき老化して…後は映画をご覧下さい。
ローガンというタイトルであるのも、超人ではなく人間としての彼を描いているからでしょうね。

主演のヒュー・ジャックマンさん、劇中でずっと足を軽く引き摺った歩き方をしてるんですが、インタビューを読んだ感じでは演技みたいですね。
ずっと演技でああいう歩き方や走り方を続けるというのもかなり大変だったんじゃないかと思います。
ヒュー・ジャックマンさんは、昔から味のある演技をする俳優さんで、私は大好きなのですが、こういう細かいところも上手いなぁと、今回は特に感じました。

2017年6月4日日曜日

人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理 / 永田 和宏



著者は鉄冶金学の博士で、蹈鞴製鉄を中心として製鉄の研究をされている方で、本書が一般向けの著作としては初めてのもののようです。
が、この本の内容の濃さは凄いです。
今まで蹈鞴製鉄についての本は何冊か読んできましたが、ここまで詳細に科学的に解明され、説明しているものは初めてです。
更に日本の製鉄だけではなく、欧州の古代製鉄や、今でも残っている古い製鉄方法による農家製鉄というものも実際に見学され、解説されています。

日本の蹈鞴製鉄というのは、日本独自のものなのですが、何故独自のものになったかも解説されています。
ある意味、日本は資源に恵まれていないからなのですが、逆にそれが日本刀が日本独自のもので、半島や大陸で生まれなかった理由もよく判ります。

以前から疑問に思っていたのが、現代に残っている蹈鞴製鉄では、日本刀を製作するための鋼鉄だけが作られていて、鍋や釜を製造するような鋳鉄が作られていないのですよね。
日本刀が大量に製造された室町時代には、同時に鉄製の鍋や釜も大量に製造され普及しているので、蹈鞴製鉄の副産物として鋳鉄も作られたのではないだろうかと想像していたのですが、当たっていました。
明治初期頃までの蹈鞴製鉄では、鋼鉄と鋳鉄を同時に同じ量が同時に生成できていたそうで、長年の疑問があっさりと解消されました。

現代の西洋式のコークスを使った溶鉱炉では、燐や硫黄という鉄を脆くする元素が多くなるのですが、木炭を使った蹈鞴のような方式だと量産性が低くなります。
これの両者のいいとこ取りをした製鉄方法を考案され、本書末尾でも披露されています。
これが日本の製鉄会社で実用化されると、日本の製造業が復活できるきっかけになると思うのですが…。

2017年6月2日金曜日

「任那」から読み解く古代史 / 大平 裕



任那は、大陸の史書にも、半島の史書にも登場し、倭国が事実上支配していたこともはっきりと書かれているのですが、何故か日本の歴史学者の方々は「なかった」ことにしようと一生懸命です。
本書は任那の実在について詳細に検証されています。
大平氏の著書を読むのは2冊目なのですが、前著同様キチンとした物証に基づいた推論だと思います。

どこかの国の元大統領が「1000年の恨み」とかほざいていましたが、任那の実在と倭国の支配が確かなら、1000年の恨みを以て、日本(倭)国は半島の南半分を返却して貰うべきですね(笑

2017年5月31日水曜日

脳はいいかげんにできている: その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ / David J. Linden



脳の構造は、進化の過程で元の脳の上に機能アップのモジュールを付け足した形になっており、行き当たりばったりで機能拡張して来ているのですね。
そのため色々と不都合なことも多いのですが、結果的にそのいい加減さが人間らしさを生み出していると。

しかしこのことを読んでいて、人間の作るものも同じだなと思いましたね。
古いものを完全にぶっ壊して、新しく作り直せることはほとんどなくて、殆どは今まで使っているものを温存したまま付け足し付け足しでやってます。
作り直した方が速いんだけどと思っても、何かあって動かなくなると怖いから、とか、今動いているものを止めるわけにはいかないから、という理由でそうなってしまうんですよね。
脳の設計を一からやり直した方が、より高機能なものが生み出せるのは分かっていても、それができるまでの間を脳なしで生物進化をするわけにもいかんからね。

2017年5月24日水曜日

超能力微生物 / 小泉 武夫



醱酵と云えばこのお方、小泉博士の最新刊です。
前半は特殊な環境で生き延びる微生物のお話。
中盤が、普段我々が食している味噌・醤油・酒・酢などが、目的の微生物だけが繁殖し醱酵して、他の雑菌が繁殖しない原理を解説されています。
後半にこれからの世の中に役に立つであろう微生物の活用方法、野生の微生物から人類に取って都合のよい性質を持った微生物を探索するお話。
いやいや、世の中便利にできているもんですわ。
遺伝子組み換えとか編集とかが脚光を浴びていますが、そんなことしなくとも世の中には人類に都合のよい微生物が一杯存在してるんですね。