2021年12月27日月曜日

星のパイロット / 笹本 祐一

 

作者はインターステラテクノロジーズ(ホリエモンロケットで有名な航宙技術開発会社)にお勤めで、バリバリの宇宙船の専門家だそうですが、本作は1997年に執筆されたそうで、まだ航宙関連のお仕事はされていなかった頃だと思うのですが、なかなかリアリティのある仕込みがあちらこちらにされていて、リズムとテンポのいい文章も相まって非常に楽しく読ませて頂きました。

執筆当時に、現在の2020年から2030年頃には、こうなっているんじゃないだろうかという予想をされて、書かれているわけですが、後書きで氏も書かれている通り、宇宙開発は進んでいません。
何故に人類の技術が発展しないかというと、単純に予算を誰もそっちへ回してくれないから、ですわ。
金融関係、投資関係の人達は、毎夜パーティを開く豪華な家を建てたり、プライベートジェットで世界を飛び回ったりするためには、巨額の資金を投入しますが、こういう何十年も先の技術にはこれっぽちも投資をしてくれないんですよね。
ゆえに、元から技術の発展に興味があってそれに人生をかけているような、ベソス氏やマスク氏が航宙技術に投資するけども、技術の発展よりも美味しい酒を飲むことの方が大事な殆どの大富豪は、そういう関係には投資しないんですよね。
#最も美味しいお酒を作るワイナリーとか醸造所に投資もしてないみたいだけど。

で、続編を25年の時を経て執筆されたそうです。
今月発刊されて、購入したのですが、まだ読んでいないので、また後日のお楽しみということで。

 

DOOM CREW INC. / Black Label Society

前作(グリメスト・ヒッツ)から3年半を経てのリリースです。
同じメンバーで続けて制作されるのは、B.L.S.史上初とのことですが、その時その時にスケジュールが空いているメンバーを探して起用するというやり方だったから、頻繁にメンバーが入れ替わっていたみたいです。

また、今回はZakkの自宅スタジオーBalck Vaticanにメンバーも集まって行われたようで、これもB.L.S.の歴史の中では珍しいですね。
大体は、ドラムやベースは、メンバーが地元スタジオでレコーディングして、録音データをZakkに送って…というやり方でしたが。
今回のメンバーが地元の学生時代からの友達だとかで、そういう仲間とワイワイやりながら制作したのかなという気がします。

今回はギターソロにツインリードのパートが増えており、Zakkの個人プロジェクトというよりも、バンドとしての一体感みたいなのが増えてきており、私個人的には本アルバムはB.L.S.最高傑作だと感じました。
いや、とにかく聴いていて気持ちいいんだもん。


2021年12月19日日曜日

麒麟児 / 冲方丁

幕末に勝海舟が奮闘する物語です。

勝海舟という人は、かなりの大洞吹きという話もあって、胡散臭い人なのですが、冲方氏はそこの事情を巧くまとめていて、成程そういうことであれば勝海舟を悪くいう人が大勢いるのは宜なるかなという気がします。
本当のところは、幕末のどさくさでまともな記録が霧散したり改竄されたりしているので、分かりませんけどね。
朝廷と幕府だけではなく、英吉利を始めとする諸外国なども介入していて、しっちゃかめっちゃかな状態だったから、仕方がないのですが。
そういうぐちゃぐちゃの状況の中で、よく日本が諸外国の植民地とならず、しっかりとした独立国としての立場を守れたものだと、感心するしかないです。

それはさておき、冲方さん、時代劇作品ばかりにかかっていないで、マルドゥック・スクランブルをさっさと片付けてくれないものか。

 

戦争獣戦争 上・下 / 山田 正紀

 

神狩り2以来なので、11年振りに氏の作品を読むことになります。
相変わらず難解ですわ。
高次元の生物という時点で、そもそも人類には理解不能なものなのですが、生物ではなく死物となると、更に意味不明です。
そういう点で言うと、氏も消化しきれず表現しきれていないんじゃないかという気もしますが、時間を飛び越しながら、最後には辻褄がちゃんと合うところが流石です。

 

2021年12月13日月曜日

【くるまのおと】AUTOEXEのクイックシフターを付けました

 

 

マツダの公認チューナーautoexeから、Roadster RD向けに、シフトストロークを短くするクイックシフターというのがリリースされているのですが、今年1月に発売になったばかりのせいか、あまり装着している人はいないようです。
新車1ヶ月点検のついでに、購入ディーラーで付けて貰ったのですが、初めての作業だったようで、固着したシールを剥がすのに苦労してautoexeの参考作業時間では無理だったっぽくて、予定時間を超えての作業になってしまいましたが、請求された工賃は参考作業時間分で余分には請求されてないと思います。
ちょうど別のRoadster NDが入庫していたそうで、装着前後の感触を比較できたとのことで、担当の方が「こんなに違うとは思ってもいませんでした。これからは自信を持ってお客様にお勧めできます!」と興奮気味で語られていて、手首の返しでスコスコ入る感触をかなり気に入ったようです。
なので、そのディーラーのRoadster顧客は、皆さん、今後クイックシフターを装着することになりそうです。
ディーラーからの帰り、手首の返しでシフトができるのが気持ちよかったのですが、ストロークが短くなる分重さも増えますので、キチンと回転合わせをしてやらないとゴリっとした感触で無理やり叩き込む感が強くなってもいます。
まだ新車でミッションのギアが馴染んでいないこともあるのかも知れませんが、スパッと決まった時は非常に快感です。

シフトノブは、純正のものがそのまま使えるのですが、autoexeのに交換してスペーサーを付けない取り付けだと更にショート化できるというので、こちらも交換しました。
けど、作業担当の人にスペーサーを付けない件がちゃんと伝わっていたかどうかを確認するのを忘れたので、また後日取り付け具合を確認したいと思います。
シフトノブの箱にスペーサーっぽいものが入ってなかったから、付けられてしまってる気がしてて。

で、このシフトノブが黒革に赤ステッチのしか用意されていません。
そのため、周りのものも同じにしようと、色々と探して、少しづつ交換中です。
サイドブレーキの握り部分のカバーは、CX-5用ですが、一応NDでも装着できました。
シフトとサイドブレーキのブーツも、赤ステッチにしたいのですが、まだいいのが見つかっていません。
値段がちょっと高めのならあるんですけどね。

 

2021年12月10日金曜日

【くるまのおと】福野 礼一郎 の クルマ論評 6

今年も無事にクルマ論評が発刊されました。
あとがきに書かれていますが、紙の書籍の売上が壊滅状態になりつつある現代では、毎年コンスタンスに単行本を発刊するのが困難になって来ているんですよね。
クルマも趣味のアイテムから、日用品になりつつある日本では、こんな本を買って読んで、次に買うクルマの参考にしようという人も少ないだろうし、単に読んで楽しいと思う人も少ないでしょうからね。
私と同年代か、それ以上の爺さん世代の方々くらいしか楽しめないんでしょうから、この先需要はドンドン縮んでいくと。

月曜日に発刊予定だったのですが、その直前の土曜日に某大型書店に立ち寄ったら、既に店頭に山積みになっており、思わずフラゲ出来ました。
が、まだクルマの教室も読み終えてなし、他の小説も溜まってるしで、後回しになって今頃ブログで紹介という。
それでもいまだに教室が読み終えてのですが、読みやすいこちらの方をさっさと読み終えて、教室は1ページ1ページ噛み締めるように読んでおります。

脳の寿命を決めるグリア細胞 / 岩立康男

人間の脳は神経細胞の塊ですが、これまでその神経細胞を保持するスポンジと思われてきたグリア細胞が、実はヒトの脳の働きに非常に重要な役割を持っていることが明らかになってきました。
それと合わせて、何故に動物は睡眠を必要とするのかも、グリア細胞の働きが解明されるにつれて、分かってきたようです。
寝不足も良くないけど、寝過ぎも良くないそうです。

また、ヒトが天啓を得るような閃きが起きる時というのは、ボーッとしている時なんだそうですが、それにもグリア細胞の働きが関わっているそうです。

何にしても、ストレスを抱えてイライラしていると、脳の働きは悪くなるし、寿命も短くなるそうです。
まあ実際、頭の悪そうな連中って、常にイライラして文句ばっかり垂れてますよねぇ。

 

2021年11月30日火曜日

【くるまのおと】Roadsterの使い勝手を良くするためのグッズ

 

NDは助手席の前にグローブボックスはなく、運転席と助手席の間の後側にあります。
そのサイズも小さいので、純正で編み状の小物入れのオプションがあるのですが、その取り付け穴を利用して、棚になるアクセサリーが売られています。
何種類か販売されているのですが、なんとなくというか探した中で安さと使い勝手さが両立しているように思えたので、これを購入しました。
純正向けの取り付け穴にピッタリと入り、棚としての機能もしっかりしています。
とはいえ、取り付け穴自体がそう強度があるものではないので、あまり重いものは載せられないですが、取り敢えずはオーバーサングラス置き場にしています。
サングラスも、昼間の明るい時の紫外線カット用と夜間や雨天時のブルーライトカット用の2種類を用意しているので、どちらかが入っていることになるんですわ。

また、ドリンクホルダーもセンターコンソールにはなくて、助手席側に取り外し可能なドリンクホルダーがあるのですが、1つしか置けなくて不便なので、こいつを挿して2つ置けるようにしました。
位置的にも高さが上がって、運転席からちょうど手に取りやすい位置になります。
スマホとかもこいつに置けて、便利です。


2021年11月28日日曜日

文在寅政権 最後の暴走 / シンシアリー

文大統領の任期も後半年となり、次期大統領選に向けた候補書の選挙運動が活発化していますが、退任後に犯罪者にされないためにと色々と策を練っているようですが…まあ子供騙しですよね。

ただ、誰が次の大統領になろうとも、反日を掲げて日本を屈服させることを公約にし、任命後も反日活動に勤しむことになるんでしょうね。

共産党中国と北朝鮮の蛮行を止めるための盾としての位置に大韓民国は存在するわけですが、中国に依存し北朝鮮を同胞の国としているから、戦略的に盾としての役目が果たせていないのが(日本と米国にとって)一番の問題なんですよね。

朝鮮併合をしたのも、朝鮮王国(大韓帝国)が中華民国やロシアに対する盾になるどころか、国をロシアに売ろうとしたので、日本の安全保障上として朝鮮王家の好きにさせるわけにはいかなかったんですが、その意味を理解している韓国/朝鮮人は皆無だろうし、今の日本人も日本国土の安全保障というのを一般の人達は理解しようともしていないから、今の大韓民国政府の何が問題かを理解できないんでしょうね。

バイデン大統領はやらないでしょうけど、トランプ政権が続いていたら、大韓民国を(グアムのように)アメリカ合衆国の準州として管理下に置いたんじゃないかと思ったりもします。

 

2021年11月23日火曜日

【くるまのおと】Roadsterのペダルセット

 

ND Roadsterのアクセルペダルは、最近のマツダ車共通のオルガン式になっていますが、これだとヒール・アンド・トゥがしにくいというかできないんですよね。
よってトゥ・アンド・トゥをせざるを得ないのですが、その場合でもブレーキペダルとアクセルペダルの位置に結構差があってやりにくいのです。
という不満を大勢の方が抱いているようで、この段差を埋めるペダルカバーというかなんというか、そんなアイテムが売られています。

今回購入したのは、アルミペダルセットに合わせて嵩上げするブラケットも、別売ですがセットとして販売されているものです。
これもどうやら米国製らしいですが。
ブラケットを装着するためのナットが付属していたのですが、どうやってもナットを止める方法が分からず、ネジだけで止めましたが、まあ一応ちゃんと付けられているようです。

まだMT車に乗っていた時の勘が戻っていなくて、減速の時のシフトダウンのタイミングに合わせて、トゥ・アンド・トゥするのが上手くできていない(昔やってたわけじゃないのに、何故かダブルクラッチで回転合わせしようとしてしまう。今はシンクロが強力だからダブルクラッチで回転合わせなんざ必要ないのは、頭では分かっているのに身体が動いてしまう)ので、評価できるところまで行ってないのですが、でもなかったらアクセルを煽る小指側が空振りしてアクセルをふかすことすらできないから、装着して正解だと思います。

それはさておき、世間的にはNDの1.5Lエンジンは非力だと、あまり評判が宜しくないようですね。
直列4気筒エンジンは、排気脈動の関係でトルク特性がふたこぶラクダになるのが普通で、そのためトルクの谷から山に移る辺りで回転がグワーンと盛り上がり「カムに乗った」という表現をされたりして、それがパワー感をもたらしています。
要は錯覚なんですけどね。
NDの1.5Lエンジンは、一体何をどうやったのか発表資料を見ても分からないのですが、極めてフラットなトルク特性をしており、2千回転からレッドゾーンまで途中で途切れることなく、一気に吹け上がります。
理想的なエンジン特性なのですが、これが逆に盛り上がり感に欠けているように感じて、パワーがないように錯覚してしまうんでしょうね。
実際、カタログスペックでは、馬力もトルクも大したことないですから。

しかも元々Roadsterは初代から、速さではなく楽しさを主題に置いています。
パワーが足りないと思うのであれば、今ならBZR/GR86もほぼ同等の価格帯でありますし、もっと値段が高くてもよいなら、選択肢はいくらでもありますよね。
きちんと適切なギアを選択しながら、きちんとアクセルを踏み切れば、(サーキットでレースするなら別ですけど)街中で不満を感じることはないと思うんですけどねぇ。


2021年11月21日日曜日

【くるまのおと】Roadsterのドアブッシング

ボディ側でドアを受け止める硬質ゴムがあるのですが、Roadsterでは初代NAから現行NDまで同じものが使われているそうです。
ドアが凹になっていて、ボディ側の硬質ゴムが凸になっています。
この凹凸の合わせ精度でボディの剛性感が変わるということで、日本のチューニングショップからも同じようなものが販売されています。

これは米国製らしいですが、日本製ではなくこちらを選んだのは、Amazonで注文できたからなのと、赤い色がオシャレかなと。
日本製のに比べるとちょっと高いのですが…と、これを書くのに見直したら値段が半額近くになってる…この値段なら日本製と変わらんやん。買ったタイミングが悪かったか(涙

剛性感が上がるそうですが、買ってすぐに取り付けたせいか、違いが分かりません。
まあ、多分ドア周りのガタは減っているだろうとは思いますが。

 

世界史を変えた植物 / 稲垣 栄洋

我々が生活する上で必要不可欠になっている穀物や飲用品を中心に、それらが如何に世界史に影響を与えたかを解説した書です。
植物の性質については重要な部分については解説されていますが、それ程詳しいわけではなく、世界史の方が中心です。
なので、各植物がどういう性質かを詳しく知りたい方にはあまりお勧めできません。
しかし、今後の世界動向を占う上では非常に重要なことが書かれています。
世界の食糧事情に関わるからです。
そちら方面に興味がある方には、お勧めです。


2021年11月14日日曜日

【くるまのおと】ショートアンテナ

ということで、Roadster NDに乗り換えましたが、この手のクルマはDemioと違って色々と弄りたくなりますよね。
本格的なチューニングやドレスアップはするつもりないのですが、運転のし易さとか使い勝手の良さとか考えて、細々としたパーツを交換したり付けたりしてます。
なので、暫くはパーツ取り付けレポートが続きます。

で、一番最初に交換したのがアンテナです。
結構長いんですよね。今時、こんなに長いアンテナ必要なの?という感じですが、実際のところ同じことを考えている人は多いようで、ND向けの交換パーツとして一杯出ております。
洗車機に掛けることを考えたら(あまりよくないんでしょうけど)アンテナは出来るだけ短い方がいいです。
あまり短いと感度が心配になりますが、今回購入して交換したG-TECH ショートアンテナ M30 + NDロードスター専用 ND スペーサ セット M30CR-ND 【限定品】は、いつも聴いているFM802は感度の問題なく視聴できています。

格好もまあまあなので、良いかなと。
限定品のアンテナ部分がシルバーのにしましたが、ボディが白なんで白に塗装されたのがあれば欲しいですね。
黒ならあるんですけどね。

 

2021年11月13日土曜日

【くるまのおと】Demioは手放すことになりました

 BMW 318ti{E36後期型}から MAZDA Demioに乗り換えて6年経ちました。
まあDemioは、このクラスのクルマとしてはいい出来だと思います。
が、コーナーを曲がるときに「ああ、やっぱりFFが進化したとはいえ、FFの癖は完全には取れないよな」と感じて気持ちよくコーナーを曲がれないとか、エンジンのATの協調制御がタコで突然意図しないシフトアップ/ダウンを行なって急減速や急加速したりするのが、どうにも我慢できず。
改良されることを期待して、初期型を2年半で中期型に乗り換えたけど改善されず、更に改良型も試乗させて貰いましたが、大して変わった感じもなく。

86/BZRが新型になったので、そっちの中古をとも思いましたが、86/BZRのユーザーはかなり走り屋的な人達ばかりなのか、程度の良いのがないんですよね。
まあ今時こういうクルマを買う人は、本格的にそういう走りをしたい人だけで、昔みたいにスポーツカーの雰囲気が味わえればいいというような人は、今や絶滅してますからね。

で、スポーツカーだけど本格的な走り屋向けではなく、街中を気持ちよく流せるクルマと考えたら、もうMAZDA Roadsterしかないんですわ。
で、中古のいいのを気長に探すかと、Demioを購入した営業さんに探しておいてと依頼したんですが、結局新車を買わされましたw
Roadsterは中古相場が結構高いのと、新車なら残価設定ローンが使えること、更に今まで乗っていたDemioの下取り価格が上がっていて今が手放しどきですと言われて、示された見積もり表を見て、色々とゴニョゴニョして…買い替えることになりました。

グレードは一番安いSです。
街中を走るだけなら、実はこれが一番いいんですけどね。
先日発表された990Sの開発チーフもそうおしゃってましたが、なのにぜんぜん注目されていないのが悔しくて、990Sを開発したとか。
タイミングが悪くて、990Sには行けませんでしたが。


荒原の巨塔 傭兵代理店・改 / 渡辺裕之

中国共産党の悪事を潰すため、今回も傭兵たちは世界を飛び回ります。

それにしても、人工衛星をレーザー光線でハッキングするって…あまりにもムチャな発想だと思うんですが。

まあこういうアクションものを読むときは深く考えちゃいかんですわ。

 

2021年11月4日木曜日

剣樹抄 / 冲方 丁

冲方さん、かなり水戸黄門に入れ込んでますね。
黄門様がまだ若い(といっても30代くらい)の時の物語です。
当時の江戸の風俗とか、活躍した人たちの関係とか、かなり詳しく調べて作り込まれてます。
解説でも、この辺りの時代考証の綿密な調査度合いについて、感嘆されていますが、当時の江戸の街の様子をこれだけ詳細に描いた小説はいままでなかったんじゃないでしょうか。

本小説は、テレビ化されるそうです。
これを限られた上映時間の中で映像化できるのか?という感じですが。

それにつけても、冲方さんの文章は説明がくどいけど、読みやすくて、物語の中についついいれこんでしまいます。

 

2021年10月28日木曜日

嘘だらけの池田勇人 / 倉山 満

戦後の日本経済を立ち直らせた政治家というと、「所得倍増計画」の昭和30年代の総理大臣池田勇人氏になりますね。
その後の佐藤栄作氏の方が、私らの世代には印象が強いのですが、実際は池田氏の政策をそのまま(というかむしろ抑え気味に)進めたお陰のようです。
癌でお亡くなりにならなければ、著者によると大日本帝国は復活していたそうな。

経済が30年以上低迷している日本ですが、実は戦後の日本で経済が活況だった期間よりも、不況の期間の方が長くなってしまっています。
今の日本経済がダメダメなのは、政治家が駄目なだけではなく、官僚も駄目(というよりも日本経済を活況にする気がなくむしろ不況のままにしようとしている)で、経済界の経営者達も利益を求めるけど社員を幸せにしようという気が全くない(むしろ社員を搾取して利益を上げることに血祭りを上げている)からで、そういう世の中でも革命を起こそうともせずに政府の方針に従順に従う民度の高い(というけど奴隷であることに慣れきってしまっている)国民が問題なんでしょうけどね。

 

2021年10月23日土曜日

世界を救うmRNAワクチンの開発者 カタリン・カリコ / 増田 ユリヤ

この本はmRNAワクチンについては、ほとんど解説はされていません。基本的なことは説明されていますが、本書の目的ではありません。
あくまでも、mRNAワクチンを開発したカリコさんの半生を綴ったものです。

mRNAワクチンというのは、新型コロナのために突然出て来たように思われていますが、40年以上に亘るカリコさんの並々ならぬ苦労の末に生まれて来たもので、実に上手いタイミングで実用化できたものだなと思います。

mRNAワクチンに使われているmRNAに関する技術は、遺伝子編集やiPS細胞生成などでも使われていて、今後益々使われていくことになるはずです。
ワクチンを接種して、重大な障害を生じられた方や亡くなられた方には気の毒だと思いますが、病毒性最近やウィルスを予防するにはワクチンしかなく、変異を繰り返すウィルスに対抗するスピードでワクチンを開発するとなると、現状もこの先100年くらいも、スーパーコンピューターの遺伝子解析に基づいて設計されるmRNAワクチンくらいしかありません。
恐らく、今後のワクチンはすべてmRNAワクチンになると思います。
今までの、生ワクチンとか不活性ワクチンは、効果も低く、重篤な副作用の危険性も高いからです。
mRNAワクチンの危険性は否定できませんが、今までのワクチンの危険性も忘れるべきではないです。


2021年10月15日金曜日

織田信長推理帳 五つの首 / 井沢元彦

織田信長が事件を推理により解決するという物語。
なので、史実に基づいた事件ではないです。
足利義昭(物語の時点では義秋ではなかったかと思うのですが、本編では義昭で表記されています)が、越前から岐阜へ御座を移す時の様子が題材となっています。

将軍家の煩わしい格式と礼式が出て来ますが、尊氏公も将軍宣下を受けてからは、こういうしきたりに従ったんでしょうか?

 

2021年10月12日火曜日

日本人の祖先は縄文人だった! ―いま明かされる日本人ルーツの真実 / 長浜 浩明

長浜氏が科学的な思考で歴史を解き明かす著作を発表されるようになって、もう10年経つのですね。
しかし歴史学の思い込みを優先し、事実から目を背けて嘘を垂れ流すという姿勢は変わらないようです。
井沢氏が逆説の日本史で、如何に日本の歴史学者がいい加減で出鱈目かを糾弾されるようになって、30年近く経ちますが、なかなか歴史学の流れは変わりませんからね。

そんな状況で、世の中に相変わらず嘘がまかり通っているのを、氏は我慢できなかったようで、未だに「日本人の祖先は半島や大陸から来た人々だ」という説を唱える人達の嘘を暴かれています。
DNA解析が進んだ今では、それが如何に出鱈目かがすぐに分かるはずなのですが、解析結果を誤魔化して自説を頑として正しいと誤魔化す所行の数々。
なんで世の中の学者というのは、嘘つきが多いのか。

そういう嘘を付く学者が、マスコミには重宝されて、出鱈目な説が正しい説であるとして大衆を洗脳する。
共産党からどれだけ袖の下を貰ってるんでしょうね。


2021年10月8日金曜日

 Sermons of the Sinner / KK's Priest

Judas Priestを脱退されてから10年を経て、KK様がシーンにお戻りになられました。
元Judas PriestのRipper Owensを引き連れて。
となると、当然あのサウンドをを期待するわけですが、似て非なるものになっています。
サウンドは変わらないけど、曲調がポップになっている感じですかね。
ただ、Ripperの歌メロは、Rob様のそれに比べると……。

アルバムタイトルのSemonsって、まさか「鮭」のサーモンじゃないよなと思いつつ調べたら、キリスト教の神父/牧師の説く「説教」のことだそうです。
そのせいか、普通は「Music writtern by」とクレジットされるべきところが「All sermons composed by K.K.」なっております。
つまりこのアルバムは、K.K.神父の説教であるということですね。

心してお聴き下さい。


2021年10月5日火曜日

教科書に載せたい日本史、載らない日本史~新たな通説、知られざる偉人、不都合な歴史~ / 河合 敦

歴史(に限らないですが)の教科書は、年々内容が改訂されており、我々が小中高で習った歴史の事柄が今では否定されて全く別の事柄に書き換えられていたりします。
戦直後の日本教育界は、ソ連と中共のスパイ活動により、共産主義者で占められてしまっていて、日本の歴史は嘘で塗り固められていたのが、共産主義の滅亡と共に、見直されて正しい歴史に修正されつつあるところです。

本書は、その教科書の改訂内容を主に取り上げ、著者と同年代の人達の常識だったものが、今ではこんなことになっていますよ、と懇切に教えてくれています。
50代以上の方は是非一読して、若い連中にバカにされないようにしましょうね。

 

2021年9月22日水曜日

地球温暖化/電気の話と、私たちにできること / 田中 優

私は、二酸化炭素の増加が温暖化の原因だとは思っていない(因果関係が逆)し、温暖化したからといって人類が滅びるとも思っていない(どころかむしろより繁栄する)のですが、私と逆の考えも一応聞いておこうと本書を手に取りました。

結果、最初の章だけで、アホらしくなって読むのを止めました。
欺瞞と嘘と誤魔化しのオンパレードでしたので。

作者は10年前に「このままでは10年後に温暖化で人類は滅びる」という本をだされたそうで、その出版社から「で、10年経ってどうです?」と聞かれて、その言い訳をするために本書をお書きになったのだとか。
色々と言い訳されていますが、まあ見事な嘘だらけ。

1万年〜5千年前の縄文時代は、地球の平均気温は3℃以上高く、海水面は30m高かったのですが、人類は滅ぶどころか、その時期には世界中で高度な文明が起こり、人類が飛躍的に増えています。
そのことを、この方を始めとする温暖化=人類滅亡説の方々は、どう説明するのでしょうね?

因みに、縄文時代が終わった頃から地球は徐々に寒冷化していて、千年前の平安時代からは小氷河期と呼ばれる寒冷期に入っています。
20世紀後半に入って、その寒冷期が終わって、温暖期に向かっているのが「今ここ」ってやつです。

日本語の行間~韓国人による日韓比較論 / シンシアリー

日本語には主語がないとか、表現があいまいだとか言われますが、その言語構造が日本人の性質を形成しているのは間違いなく、それ故に日本語を本当の意味で習得するのは非常に難しいわけです。
日本に生まれ育った我々でも、正確な日本語を話し書けているのかというと、そういうわけでもないですからね。

技術系の仕事をしている上で一番大事なのが、ドキュメントなのですが、仕様や設計の説明を正確な日本語で記述できる人はなかなかいません。
元々、緻密な記述というのが言語構造として大和言葉にはないからです。
それ故、和製漢語とカタカナ外来語のオンパレードになるのですが、用語はまだそれで用を足せても、主語述語の関係が曖昧なままで、例えば「そちらして欲しい」のか「こちらでやりますよ」なのかが文章から読み取れない(どちらにでも解釈できる)書き方が多いです。

通常の話し言葉では主語を言わないので、書き言葉でも主語をすっ飛ばして、それを分かって当たり前のように錯覚するからです。
こういう言語構造を持った言葉は日本語だけで、他にはありません。
SVOC構造が同じという朝鮮語でも、主語を不明確にするような構造にはなっていません。
なので、朝鮮/韓国人と日本人が、話し合って理解できないのも当然なのですね。
#欧米圏の場合も同じことになると思うのですが、そちらは最初から全然別の言語構造と文化なので、日本人に対するのとは別の対応をするので、問題にならないのかも。

いずれにしても、「韓国人も同じ人間だから話せば分かる」と思い込んでいる方は、一度本書を始めとする氏の著書を読んで、自分がとんでもない勘違いをしていることに気が付いてください。


2021年9月12日日曜日

悪の五輪 / 月村 了衛

先の東京輪舞は警察を主人公にしたものですが、こちらはやくざを主人公にして、昭和の東京オリンピックの裏側を暴く小説です。

今回の東京オリンピックも色々と裏の話が取りざたされていますが、昭和の方はもっともっときな臭い裏側が満載だったようで。
まあ当時はオリンピックに限らず、全ての物事でやくざの手を借りないと何も出来ないのが当たり前だったわけで。

今は暴力団組織排除がかなり進んで、そちらへの資金横流しはなくなりつつあるようですが、別の所へ流れるようになっただけで、実質はたぶん変わってないんでしょうけど。
何しろ、今の日本は合法的に(元)官僚が、公的資金を横領できる仕組みになってますからね。

 

東京輪舞 / 月村 了衛

昭和から平成にかけての大事件を追い掛けた小説です。
殆どは作者の想像なのでしょうけど、色々と裏の話が出回っている事件ばかりです。
政治絡みの話になると、警察/検察も追求しきれずにうやむやに終わってしまうのは、仕方がないんでしょうね。

検察は法的には国家公務員ではないですが、内閣が人事を決めるわけだし、給与や予算も議会で承認されて政府が出すわけだから、検察が内閣や議会と独立しているわけではないわけで。
そこに色々な闇が生まれてしまうと。

警察/検察だけでなく、政府の機関にはその活動をチャックする期間があるべきなのですが、日本には存在していないので、結局は政府の好き放題になってしまっています。
本来であればマスコミが、そのチェック機関の役割を持たなければいけないのでしょうけど、事実上日本のマスコミは政府の御用機関に成り下がってしまっていますからね。

 

2021年9月6日月曜日

お金の流れで見る戦国時代 / 大村 大次郎

武田信玄は金山開発により資金を充分に持っていたから、武田領の年貢は他の大名の領地よりも軽かったという話を、以前聞いたことがあったのですが、本書によると間違いで重税だったようですね。
金山が枯渇した勝頼時代の話と混同しているのかとも思いながら読み進めてみましたが、信玄時代から(更にはそれ以前から)厳しかったようです。
山国で米の生産高が元々少ないということもあるんでしょうね。

それはさておき、戦国時代に終止符を打った織田信長と豊臣秀吉は、農民からの米徴収よりも、商人からの冥加金を重視していたようで、それが他の大名を圧倒できた理由のようですね。
せっかく重商主義による資金の調達は非常に効率がいいということを示してくれたのに、徳川家康は(というよりはその子孫か)米の年貢を政策予算で賄う方法に回帰してしまったわけ。
江戸時代の商業は、世界でも類がないくらいの発達を遂げるのですが、そこで生み出される莫大な資金を、江戸幕府は放置していたんですねぇ。

戦国時代の知恵が、今の時代にも伝わっていれば、もっとまともな政策が取れたんでしょうにねぇ。


2021年8月29日日曜日

【くるまのおと】Mazda MX-30 EVはEV自動車の基準となるか

 マツダのクルマには、G-Vectoringと呼ばれる加減速を微妙に制御して、直進性やコーナリングをスムーズにする技術が採用されています。
しかし、ガソリン/ディーゼル・エンジンは制御に対する反応が電気モーターに比べると遅いし、常に振動で揺れているため、理想的な制御ができないそうです。
電気モーターだけでG-Vectoring制御を行うMX-30 EVは、理想とする制御に近いことができるそうです。

それを確かめるために、ディーラーに所用で行った時に試乗させて戴きました。
ディーラーから公道へ曲がりながら合流してのステアリング操作で「うわ、スゲー気持ちいい!」と思わず叫んでしまいました。
デミオでもグルッと180度くらい回転するコーナーで、巧くステアリング切り角を固定で回ると、スゥーと気持ちよく回れるのですが、 MX-30 EVだと全てのハンドリング操作と加速、減速でその気持ち良さを味わえます。
これが制御の巧みさであることは、間違いないですが、G-Vectoringの快感を知らない人だと、単に電気自動車は気持ちがいいと勘違いするかも知れません。
この制御は本当によく出来ています。

ガソリン/ディーゼルで、こういう制御ができればいんですけどね。

 

「性」の進化論講義 生物史を変えたオスとメスの謎 / 更科 功

 

単性生殖だった地球の生命が、何故に複数生殖と進化したのか?
単性生殖生物が、今でも数多く残っているのは何故か?
という疑問に答えてくれるのかと思いきや、期待外れでした。
一応、この疑問に対する説明はあるのですが、よく分からんというのが、今のところの結論らしいです。


2021年8月26日木曜日

信長、天を堕とす / 木下昌輝 | 信長、天が誅する / 天野 純希

 

書店店頭にこの2冊が並んでいるのを見たときは、同じようなタイトルで作家が別の小説を同時に発刊ってなんだ?と不思議に思ったのですが、その後に雑誌の紹介で小説雑誌の企画で創作されたとのことで、ならば2冊とも読まないと駄目だなと思い、両方を買って読んでみました。

木下氏の方は、これまでの題材となる人物を描くのに、周辺の人物を主人公にした短編を連作にして、周りから見た絵で、一人の人物を描くという手法を得意にしていますが、本作では逆に主題である信長が周りの人物を見ながらの思いを描くことで話を進めていっています。
天野氏が、それと対称に周りから見た信長を描いています。天野氏の作品は読んだことがないのですが、氏もこういう手法を得意にされているそうです。

両者が月ごとに変わりばんこで連載を続けるという形式だったそうですが、各章の登場人物の動きや台詞がキチンとシンクロしており、余程事前に両者で綿密に打ち合わせしてストーリーを組み立てていったのではないかと思わされる出来でした。
もう別々の作者が書いたと思えないくらいに、2冊が見事に咬み合っています。
絶対に2冊を合わせて読まないと駄目ですよ。

 

ヤマト政権と朝鮮半島 謎の古代外交史 / 武光 誠

以前にも氏の著書は読んでいると思うのですが、史実と自分の推測をあまり区別せずに書かれるので、この分は史実だろうか?著者の推定だろうか?と考えながら読まなきゃならないので、読み解くのに時間が掛かってしまいます。

内容的には非常に興味深いものなのですが、その辺りをもうちょっと整理して書いて戴けるといいのになぁ。
このままだと、史実の部分を引用したくともできないんですよね。

いずれにしても古代日本政権が、半島南部に対して強い影響力を持っていたことは間違いのない事実なのですが、任那とか日本府などは出鱈目だと言い張る方が依然多いのも事実。

 古代史は自分の勝手な解釈で勝手なことを言い放題な部分もあって、実際お偉い学者さん達がトンでも説を真実として学会の定説としていたのが、後の研究でひっくり返った例は数多ありますしね。

 

2021年8月15日日曜日

逆説の日本史: 明治激闘編 日露戦争と日比谷焼打の謎 (26) / 井沢 元彦

逆説の日本史も近代史に入って来ましたが、今の日本政府の体たらくの原因ともなる理由を色々と解説されています。
以前から云われている「エリートバカ」が、日本を対米戦争に導き、敗戦の要因を作ったのは何故か。
これに関しては、幾人の人が原因分析を行い、はっきりとしたものが出ているにも関わらず、日本の官僚機構は未だにエリートバカを育てる仕組みを採用し、更には日本の大企業もエリートバカにより大企業病に陥り、貴重な日本の技術や資産を中韓に売り渡し、凋落への道へ導いていることは明々白々であるにも関わらず、改まる様子はありません。

本気で日本をまともな国にしたければ、一度政府を解体するしかないかとも思うのですが、それ以前に日本国民が言霊の洗脳から脱せない現状では、政府を再構築しても結局同じことになりそうです。

少なくとも、朝日/読売新聞のように、嘘の記事ばかり流して、読者をミスリードして新聞権力を高めることだと勘違いしている間は、どうしようもないでしょうね。
最近、やっと朝日新聞が虚偽報道ばかりしていることに、読者は気が付いたのか、発行部数が大幅に減って赤字だそうですが、新聞社は潰れても記者はいなくなるわけではないから、媒体を変えて同じことを続けるんでしょうけどね。

 

2021年8月9日月曜日

救国のアーカイブ 公文書管理が日本を救う / 倉山 満

日本は平城京時代、平安京時代から朝廷の文書管理がしっかりしていて、江戸幕府でも書類の管理というのはかなり厳密に行われていたはずなのですが、明治維新を主導した薩長土肥の志士達には、その辺りのノウハウとか重要性が分からず、現在の日本政府にもあまり文書管理を厳密にするという意識がないようです。

ハリウッド映画を観ればよく分かりますが、アメリカ合衆国では警察でも政府の各部署でも一般企業でも、ドキュメントがキチンと残され整理され保管されており、かなり昔のことでも調べることができます。
対して、日本では記録がろくに保管されておらず、どういう経緯でそうなったのか、どのような調査が行われてそうなったのかが、後から調べてもさっぱり分からないようになっています。
これはお役所だけでなく、企業でも過去の仕事の経緯が書類として残されておらず、当時の担当者がいれば記憶を遡って貰ってというくらいしかできません。
なので、毎回ちぐはぐな作業を繰り返して、同じ失敗を繰り返すことになります。

チームワークを唱えながら、実際には個人の力量のみに頼った仕事の進め方しかできないからなんでしょうけど、一体いつになった気が付くのか。
#気が付いてはいるけど、ちゃんとチームで動くようにすると、上司である自分が不要になるからやらない、というのが一番の理由なんでしょうけどね。

 

2021年7月31日土曜日

武田信玄 500年目の真実 / 井沢 元彦

武田信玄というと、戦国時代の大名の中でも一二を争う人気キャラクタですね。
その信玄の生涯についての史料というと、甲陽軍鑑となるのですが、日本の歴史学者さん達は長らくこれを偽書と決め付け、歴史史料としては認めていなかったんだそうで。

詳しくは本書を読んで戴くとして、日本の学者さんというのは、真実を追究するという学問の本質をご存じないのか?と思ってしまうことばかりですよね。
今のコロナ禍も、医学博士ではあるけど、ウィルスの専門家でも感染症対策の専門家でもない人を、閣僚のアドバイザーとして起用して、ウィルスの専門家は排除されていることから、嘘を付く学者による人災であるわけです。
企業でも、本当のことをいう真面目な人間は排除され、嘘や誤魔化しばかりの人間が出世して、結局現在の日本企業の凋落を招いているわけで。

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
この信玄の作と言われる言葉の意味を、じっくりと考えて貰いたいものです。


「脱炭素」は嘘だらけ / 杉山 大志

日本のお役所が嘘だらけの言い訳で政策を無理矢理実行するのは有名ですが、いまや世界的にヒステリックな感情論だけで嘘だらけの政策が推し進められようとしています。
元々、地球の平均気温が年々上昇しているという統計自体も、一部の都市のデータしか元にせずに平均値を出していたりして疑わしいのですが、そもそも18世紀半ばまで地球は小氷河期で寒かったんだから、気温が上がって氷河期が終わったことを歓びはすれ、地球環境が破壊されて人類が滅亡する、というのは大嘘もいいところなのに、誰も疑おうとしないのは何故なんでしょうね?
日本だと縄文時代が今よりも地球の平均気温が3℃くらい暖かい時期で、北海道や東北を中心に豊かな植生に支えられて、飢えの心配もなく平穏な生活が送られていた時期です。
それのどこが問題なのか?

日本の歴史は、地球の気温上昇と下降の繰り返しの中で、東の勢力が優勢になったり、西の勢力が優勢になったりしています。
暖かいと関東地方の米の収穫量が増え、兵糧米が充分に供給できるので、動員可能な兵員が増え、戦力が増し、西の勢力を押さえ込むことができる。
寒いと関東地方が不作に成り、兵糧米が確保できず、兵を出すことができず、西の勢力が優位になる。
この繰り返しで、日本の政治の中心が京都ー>鎌倉ー>京都ー>江戸ー>京都と政治の中心地が、西に東にと交互に動いていたわけです。
明治維新は、一瞬京都に中心が移動した後、東京に移動していますが、全国統一支配体制になったので、関東の豊作不作に関係なく、全国から食料を集めることが可能になったからできたことですね。

それはさておき、人類が化石燃料を燃やして排出しているCO2の量など、地球自然環境が排出している量に比べると微々たるものなので、いくら人類が排出量を減らしたところで、地球のCO2増加が止まるわけではないです。
ましてや日本の人口は世界の10%を占めますが、CO2排出量は3%だけなので、日本人がいくら減らす努力をしたところで、全体的な影響はほとんどないに等しいです。
中国の排出量は今でも毎年莫大に増加していますが、その年当たりの増加分だけでも、日本の排出量全量を超えるので。

欧州の連中は、日本は努力が足りないと抜かしているそうですが、一人当たりのCO2排出量を日本並みに減らしてから言って欲しいです。
が、日本の外交は弱腰だから、これくらいの反論もできないんですよね。

2021年7月25日日曜日

京大 おどろきのウイルス学講義 / 宮沢 孝幸

宮沢先生は、関西限定テレビ番組「そこまで言って委員会」にウィルスの専門家として度々出演なさっておられるので、関西では有名な方です。
昨年からの武漢ウィルス対策で、政府の専門家会議にも参加されていたそうですが、ウィルスの専門家として本当のことを言い過ぎて、ウィルスの専門ではない医学界の権威や官僚から疎まれて、メンバーから外されたらしいです。
今の新型コロナウィルス騒ぎが、厚生労働省の省益確保のための人災である所以ですな。

本書では、あまり武漢ウィルスの話は詳しくは書かれていませんが、コロナウィルス全般とその中でも武漢ウィルスの位置付けなどを説明されています。
ウィルス全般の話を書かれているので、他のウィルスの説明にもページを割かなければいけいないため、どうしても武漢ウィルスの説明は減ってしまうということですね。

ウィルスが生物の進化に深く関わっているという話は、とても興味深かったです。
雑誌「ムー」8月号が、この本に書かれていることと重複する特集記事を掲載していますが、ムーの方に「細胞はウィルスを排除する仕組みを持っているが、特定のウィルスは侵入を許す仕組みになっている。細胞とウィルスはセットで生まれて来たのではないか」というようなことが書かれていて、興味を覚えたのですが、本書ではその辺りに類することは書かれていないので、雑誌ムー編集部の先走りなのかも知れません。

爆発する宇宙 138億年の宇宙進化 / 戸谷友則

我々が住む宇宙はビッグバンと呼ばれる爆発に始まり、超新星と呼ばれる巨大恒星の爆発で様々な物質が作られ、それによって我々も生まれてきたと。
その成り立ちを詳しく解説された書です。
宇宙について興味がある方には面白い本だと思います。

2021年7月16日金曜日

911代理店(2) ギルティ― / 渡辺 裕之

傭兵代理店に似たようなシリーズばかりになって来たせいか、少し毛色の変わったものをということで始めたのか、渡辺 裕之氏としては少し異色のシリーズになりそうだなと、初巻を読んだときには思ったのですが、やっぱり似た感じのシリーズになりそうです。
とはいえ、世界各国を渡り歩く他のシリーズと違って、あくまで日本国内が舞台ですが…この調子で話が進んだら、半島や大陸をも舞台になりそうな雰囲気。

国会議員や霞ヶ関官僚の不審な死というのは、現実でもある話なのですが、その闇が一体何処まで深いのか。

2021年7月9日金曜日

絵金、闇を塗る / 木下 昌輝

江戸末期の日本画家で通称「絵金」と呼ばれた天才の生涯を、木下氏流に描いています。

帯に漫画家の西原理恵子氏が「私の知ちゅう絵金が全然ちがうで」驚いている自画像がありますが、漫画で小説の解説を書いていらっしゃいます。
小説の解説に漫画…初の試みではないですかね?

それはそうと、土佐が生んだ天才画家について、私はこれっぽちも知りませんで、これを読んで一度は土佐に残る絵金の作品を見に行かんと駄目やなと思いました。
デジタルアーカイブとかでは分からない、和紙に墨と日本古来の顔料を使い、日本古来の技法を独自の解釈で操った絵は、穂のかな和蝋燭の明かりでしか表現になっているそうなのです。

木下氏が得意とする、主人公を直接敵に描くのではなく、周辺の人を主人公にした短編小説の連作で、主題となる人物を描き出す手法で、本作も構成されています。
確かにこの技法の法が、人となりを理解しやすいように思います。
誰もがそうだと思いますが、人というのは、接する人によって感じ方が変わりますからね。


2021年7月3日土曜日

「自由な国」日本から見えた「不自由な国」韓国 韓国人による日韓比較論 / シンシアリー

コロナ禍で日本人の同調圧力の強さがちょくちょく報道されていますが、韓国では同調圧力どころか大衆の妄想に反することを言うと犯罪になる、という言論の自由のない国です。
遡行法の適用が当たり前のように行われる、非法治国家なので、一応はまともな法治国家の日本人からすれば信じられないような法運用がされているんですね。

事実ではなく、自分達の妄想が一番上位にあるという無茶苦茶な思想。
そういう韓国が嫌になって、日本に住むことにされた作者。
年末には帰化申請を行うそうで、完全に生まれた国と決別されるようです。

日本の政府の酷さには呆れかえる毎日ですが、それでも日本人を止めようとはこれっぽっちも思いません。
なんだかんだいっても、日本は世界でも最も人の精神が豊かで寛容な国なのです。


2021年6月25日金曜日

三体Ⅲ 死神永生 (上・下) / 劉 慈欣

 

 前作「黒暗森林」編で人類の窮地は救われ、この後を続けられるのか?と思っていましたが、今回の「死神永生」では後半でいきなりスケールが巨大化します。

途中までは、これは共産党政府の一路一帯を始めとする強硬政策への批判を暗に含んでいるんじゃないのか?と思ってしまいましたが、そういうことではなさそうです。

他人への思いやる優しい心が人類を危機へと陥れてしまう件は、愛は人類を滅ぼすというつもりなのか?と思ってしまいましたが、その後の展開で、これも違いました。

作者は読者の裏をかき続けてくれます。
前半は、読み進む速度が遅々としていたのですが、後半に入ると読む速度が物語の時間の流れと共に加速して行きました。

これだけの規模のハードSFは、日本SFだけでなく欧米のSFでも例があまりないですね。
欧米で話題になるのも納得です。
理論的には無理が多いかなと思いますが。

 

2021年6月13日日曜日

ぼくは縄文大工 石斧でつくる丸木舟と小屋 / 雨宮国広

元々は普通の大工さんだったのが、宮大工になり、更には古代の人々の建築を知りたくて石斧の研究をする内に、縄文時代や旧石器時代の建築物や構造物を再現するのが本業になった方のお話です。

縄文時代の人々が、意外と豊かな生活をしていたことや、日本海を渡って今のシベリアの辺りに進出していたり、黒潮を超えて八丈島との交易を行っていたりしていたことは、遺跡の発掘で分かってはいますが、実際にそのような航海を行える船があったのか(作れたのか)については、結論が出ていません。

著者は縄文時代の工法(といっても分かっていることは少ないので、色々と推定と実権を重ねた上での工法ですが)により、キチンと人が快適に住める家が建てられることを証明され、更には実際に住んでみて生活体験をすることまでされています。

旧石器時代に中国大陸から台湾島、琉球列島を伝って、九州に人々が来ていたのではないかと推測されているのですが、実際に航海が可能なのか、旧石器時代の石器だけで船が作れるのか、という実験にも参加され丸木舟を製作されたそうです。
実際にやってみたいと分からない(というか、長い歴史の間に便利な道具鉄器が発明され、失われてしまった技術が色々と再発見されたらしいです)ことがあるわけで、無事に台湾島から与那国島までを石器のみで製作した丸木舟で渡ることに成功したそうです。

古代の人の知恵と技術の素晴らしさは、現代人類よりも上なんですよ。

 

語ることが許されない 封じられた日本史 / 保江邦夫

一般にオカルト雑誌として有名な「ムー」(Amazon Kindle Unlimitedで最新刊が読めるので、最近は毎号目を通しています)で紹介されていた内容に興味があったので、買ってみました。

著者は理論部地理学の教授で、ご自身でも不思議なことにこういうオカルト紛いの不思議な情報が、自然とピッタリのタイミングで集まってきて、バラバラだったピースがピタリと嵌まるかのように隠された歴史が明らかになったそうです。
日本列島を、歴代の天皇は霊的に防衛されていたのですが、そのために欠かさざる儀礼が明治天皇を最後に失われ、明治天皇崩御後100年でその防衛網が消えてしまうところだったそうな。
色々な経緯により、辛うじてその儀礼式を伝えられていた人が見つかり、そこから天皇家に近しい人へ伝授が行われ、ギリギリのタイミングで今上陛下に儀式を受けて戴くことができ、霊的防衛が復活できたのだすです。

こういうオカルト紛いのことを書くと、まあ99.99%の人は一笑に付すだけでしょうが、子供の頃よりあり得ないものを何度も見、あり得ないことを何度も経験している身としては、見過ごすことはできないのです。
現代の人類が知っている知識など、宇宙の奥深さからすれば、何も知らないのも同然ですからね。
最新の科学では、この宇宙を構成するものの内、我々人類が知っている物質はたったの4.9%と言われているわけで、それからしても人類はこの宇宙の5%弱しか知らないということになります。

2021年6月9日水曜日

世界はゴ冗談 / 筒井 康隆

 大学の時に先輩に「筒井康隆の本を10冊読んだら気が狂うというぞ」と言われたことがあります。
確かにこの不条理極まりない世界を描く論理が微妙にずれて狂気をまき散らしている文章に填まり込んだら気が狂うよな。

まあこれだけ不条理なことを書けるのも、書いている本人が極めてまともからこそですが。

因みに筒井氏がキチガイという噂の元は、ジャズ・ピアニストの山下氏だそうで(本人談)、筒井氏は趣味でドラムを叩かれるのですが、その腕前は完全に一流のプロクラスだそうで、山下氏も何度かセッションをしているそうです。
で、ジャズの世界では凄い演奏すると「キチガイやな(英語の"You’re crazy!"の直訳)」というのが普通なのですが、山下氏が雑誌の編集者に「筒井さんがキチガイって本当ですか?」と聞かれて「もちろんです!」と元気よく答えたのを本気にされたらしいそうで。

でもまあ、この文章を読んだら、書いた人がまともとは思えなくなるのも事実。
ちゃんと読めば、正真正銘まともだからこそ不条理な世界が描けるということに気が付くと思うんですが、それを気づけるだけの理性の持ち主がこの世には殆どいないってことかもね。


オーバーロードの街 / 神林 長平

オーバーロード = Over Lord = 超越的存在 = 神、となるのですが、本作でのオーバーロードとは何物か。

地球に人類が増え過ぎたため、地球の意思が人類を粛正するというストーリーは、小説だけでなく科学的な仮説でも出ることがありますが、神林的オーバーロードとは如何なるものか。

途中までの展開は、文体は神林節なのですが、機龍警察っぽい月村了衛氏が書きそうな雰囲気です。
神林氏の文章って、結構説明が細かくて理解するのに時間が掛かって、ページを捲る手が遅くなりがちです。
結構、すんなりと理解できるシーンがないのが難点で…全体のストーリーは面白いから昔から氏の作品で未読のものを見つけると速攻で購入して読んでいるのですが…未だにちゃんと理解して読めている気がしないです(苦笑


2021年6月1日火曜日

紺碧の死闘 傭兵代理店・改 / 渡辺裕之

さて今回は、くまのプーさんの策謀によって、主人公の中国共産党内の協力者が窮地に陥るというお話です。
お話はともかくとして、習近平の側近や護衛陣はかなり強力なようで、就任以来解放軍から何度も刺客が送られているらしいのですが、悉く事前に計画が漏れて潰されているようです。
#そのためか、突然いなくなる軍幹部が何人もいるそうで。

その焦りからか、中国共産党政府は周辺地域に非常に強引な手法でなんかかんやとやらかしているそうで、そこを欧米諸国に突っ込まれて危うい立場に立たされています。
解放軍が頑張って維尼熊をどうにかしてくれれば、もう少しマシな国になるかも知れないのですけどね。


2021年5月23日日曜日

神を統べる者(三)-上宮聖徳法王誕生篇 / 荒山 徹

 三巻の後半、特に終わりの方を読んでいて、この展開でちゃんと3巻で終わるのか?と心配になりましたが、しっかりと終わりました。
結構、バタバタで無理くり感はありますが。

聖徳太子という人は、幼年から青年期には何をしていたのかが、実はちゃんとした記録がないんですよね。
摂政として登場する以前については、日本書紀にはしかとは述べられていません。
故に、大和地方から出て四国の道後温泉で療養しながら百済僧に仏法を習っていた、という説もあるくらいで。

本作では、中国大陸に渡り、更に印度亜大陸に渡りということになっています。
また中国では後に皇帝になる広と出会っていたことになっています。
この辺りは「日の昇る所の天子、日の沈むところの天子に」という国書の、親しみというか馴れ馴れしい物言いも理屈が通ります。
#とはいえ、そもそもそんな国書を実際に送ったのか?というのが不明(中国側の歴史にはそのような話は残っていないらしい)なのですが。

淡路島=淤能碁呂島というのは、ちょっと違和感があるのですが、伊邪那岐之命を祭る神社は、たぶん淡路島にしかなく、記紀にも伊邪那岐之命は淡路島でお隠れになったと明記されているので、淡路島に伊邪那岐之命が降臨されたときに携えてきた神器が、淡路島に眠っていても不思議はないですからね。

マルドゥック・アノニマス6 / 冲方 丁

5巻からほぼ1年経って6巻が発刊。
アノニマスの1巻目が2016年5月なので、足掛け6年ですね。
1年1巻ペースか…きっちりそのペースを守っているわけではないですが。

しかし、これだけ長期に渡ると、新刊が出る度に「どういう話だっけ?」と思い出すのにも苦労します。
もう何か話がなかなか進まないし、読むのが苦痛になっていた(苦笑

ええ加減6巻で完結するかなと思いましたが、7巻に行くことになりました。
話の進み方からすると、まだ後10巻くらい続いてもおかしくなさそうな感じ。

 

【Android】Moto G8 PowerがAndroid11にアップデートされました

 Android12の発表がありましたが、その前にMoto G8 PowerがAndroid10から11にアップデートされました。
Motorolaは、前に使っていたMoto G4 Plusで、2回のメジャーアップデートを行ってくれていましたが、Moto G8 Powerでも対応してくれそうな雰囲気です。
日本のメーカーはAndroid OSのバージョンアップに、なかなか対応してくれないから、ユーザーが韓国製や中華製に流れていってしまうんですよね。

2021年5月17日月曜日

バルス / 楡周平

小泉政権時代に竹中氏が進めた政策のせいで、正社員が減り非正規労働者が増え、日本の労働者は一層の貧困化に苦しむようになったと言われています。
その問題について語った小説です。

残念ながら、ここで楡氏が提案している法案が、議員立法として提出されることはなさそうですし、非正規労働者の組合が結成されることもなさそうですし、大企業の正社員といえどもいつリストラに遭うか判らない状況は益々増えています。
#ちょうどパナソニックが、再度の希望退職を募ったらしいです

目先の利益にばかり目を奪われて、百年の計のないサラリーマン経営者ばかりになった昭和の終わりから、安い労働者を求めて挙って海外に工場を移転し、国内労働者をリストラしまくったツケがどうなったか…を未だにちゃんと理解できている経営者が、一体何人いるだろうか。
トヨタ自動車の社長が、就任時はお坊ちゃま育ちの馬鹿と言われていましたが、今では名経営者と言われるようになってきています。
理由の一つは、創業者一族出身ということで、サラリーマン社長とは違い長期的展望で社の方針を決めて、実行にうつせることにあると思います。
そういう意味で、常に株主から短期的利益を出すことを求められて、(自分が退いた後の)長期的な利益を考えることができないようになっているサラリーマン社長では不可能だったことができているということですね。
自分が社長でいる間だけ業績がよければいい。そういう考えしか持てない人ばかりのような気がします。

 

日米開戦「最後」の真実 日本を騙し続けてきた米国リベラル勢力の陰謀 / ケント・ギルバート

第一次世界大戦から第二次世界大戦に至る間の亜米利加合衆国大統領は、人種差別者の精神異常者であることは、日本人の歴史家の方々が明らかにしていますが、米国人であるギルバート氏がそれを認めるというのは、画期的なことだと思います。
#とはいえ、歴代の大統領が人種差別主義者だったことは書かれていますが、精神異常者とまでは書かれてはいません。
##まあそもそもあの時代の白人で、人種差別主義者でない人は希有だったはずですけどね。

日本が如何にスターリンとルーズベルトの策略にまんまと乗せられたかを、詳しく解説されています。
同じ調子で、半島や大陸政府の策略に、今の日本政府が乗せられないことを祈りたいです。
#とはいえ、当時の米国政府がソ連共産党のスパイだらけだったのと同じように、今の日本政府は中共のスパイだらけだからなぁ。

 

2021年5月9日日曜日

LIVE AT KNEBWORTH 1990 / PINK FROYD

1990年に英国ネブワースで開催されたチャリティー・コンサートにおいてのPink Froydのステージ7曲を収録したライブ・アルバムです。
このコンサートにおいての演奏を全て納めたのは、このCDが始めてだとか。(これまでは3曲だけが公開されていたそうです)

マスターテープからミックスし直しているということなので、そういう意味では新しく製作されたものといえますね。

A Momentary Lapse Of Reason (邦題「鬱」)リリースに伴うライブツアーが終わった翌年だそうですが、「鬱」からは「Sorrow」の1曲だけで、他の6曲はWaters主導時代の曲なのですが、この頃はPink Froyd名義の所有権問題で揉めていた頃だと思うのですが、ファンが期待するヒット曲を中心に選んだということなのでしょうかね?

日本人が知るべき東アジアの地政学 / 茂木 誠

日本を取り巻く東アジアの情勢について解説されたものです。
まあ東アジアと言っても、東南アジアの情勢はほとんど書かれていませんので、露西亜/共産党中国/朝鮮半島の2国/台湾中国についての解説ですね。

どうも日本人は大陸と半島の政府を、先進的な文明国家、と思い込む癖があるようです。
古代においてそうだったから現在もそうであるはずだ、という先入観ですね。
これは日本が古代からずっと文化的政治的な向上を弛まず進めて来て、過去から未来が一貫して進歩しているので、世界中がすべてそうであるはずだと妄想的思い込みから来るのですが、そんな国は世界中で日本だけであることをしっかりと認識すべきです。

共産党中国の狡猾さは、習政権になってから牙を剥き出しにしたあからさまな強権主義に転換し、世界征服の野望をちゃくちゃくと進めています。
朝鮮半島の混乱は、王国時代から酷いものでしたが、現在の政府も迷走を極めています。

こういうまともとは思えない国に囲まれた日本がどうすべきか、キチンと認識して貰うためにも、是非ご購読下さい。


2021年5月5日水曜日

教科書では絶対教えない 偉人たちの日本史 日本をつくり、救った28人の日本人 / 倉山 満

歴史を教えるには偉人達の業績を教えるのが一番分かりやすい、という考え方で書かれた倉山流の歴史書です。
こうやって見ると、やはり日本は天皇が生わす故に日本であるのだと痛感します。
共産主義の宣伝に洗脳された人達は、天皇=皇帝=独裁主義という連想をするようですが、共産主義こそ独裁主義で、日本の天皇制は古代から立憲君主制だったことを理解しようともしないんですよね。
聖徳太子の17条憲法は、廃案になったことがないので、今でも有効な憲法なのだそうですが、その17条憲法の段階で天皇の独裁を禁止し、臣下による合議で政治を行うように定められています。
明治時代に成立した大日本帝国憲法も、立憲君主制の憲法であり、天皇の独裁はできない法になっています。(内閣の暴走を天皇が諫めることは可能ですが、命令することはできないため、明治大帝や昭和天皇の戦争回避のご下問にも関わらず、内閣は戦争に走ってしまったのです)

現行憲法は、GHQの法律の知識のない素人が書いた落書きを元に、時の法律家が苦労して日本の国情に合わせた条文にしているのですが、元がど素人の妄想による落書きですから、一国の憲法としては欠陥だらけで、第9条の戦力の放棄の兼ね合いもあるのか、(戦争に限らず)有事を想定していないという、この世には楽園しかないという頭がお花畑な前提になっています。
今世界を混乱に陥れている武漢ウィルス禍という有事において、政府が(国民にお願いする以外)何もできないのも、偏にこの現行憲法の欠陥に基づくものです。

大陸の共産党政府や半島の社会党政府、(建前として)自由主義(を謳っている)政府にとって、日本が侵略目的ではなく自衛目的でも軍備を備え領土防衛の戦闘が可能になることは、悪夢でしかないので、日本国内のメディアや政府機関に多数の工作員を送り込んで、憲法改正=侵略目的の改悪というイメージを日本国民に擦り込み、かなり成功しています。
いい加減に、このことに国民みんなが気が付いて欲しいものです。


2021年5月4日火曜日

【iPhone】iPhone12 miniのPurpleが綺麗だったので

iMacが色取り取りで新型登場となったのと同時に、IPhone12にPurpleが追加になりました。
色が綺麗になってもケースを被せたら一緒やん、という声もあるとは思いますが、薄紫の美しさにクラッと来て、買ってしまいました。
iPhone7 Plusも4年を経過すると、バッテリーの減りは早くなるし、たまに変な動きもするしで、流石に限界かなと思っていたので。
まあ、iPhone12 mini/64GBなら即納だったこともあるのですが。
#128GBは1ヶ月程待たないといけないみたいなので、即納の64GBにしたのです。

配送だとGW明けの5月6日到着だけど、Apple Storeに取りに行けば翌日で可能となってまして、丁度大阪市内に行く用事もあったので、2日日曜日に引取りに行って参りました。
緊急事態宣言中ということで、入場制限がされていて、Apple Storeの前は入場待ちのお客さんの列を作っていましたが、注文時に心斎橋Apple Storeで日時指定の引取り予約を入れていたので、スムーズに入場して引取って来ました。

FaceIDになったのですが、マスク常用の今ではむしろ指紋認証の方が使いやすいよなぁ、と思いつつも家でマスクをしていない時は、まあ便利かな。上にスワイプの一手間が掛かるのが面倒かな。

昨年iPad Airを買い替えた時もそうでしたが、これまで使っていたiPhone7 Plusのbluetoothを有効にして、新しいiPhone12 miniの電源を入れて、横に並べるとデータの転送を行ってくれます。
まあ途中で色々と確認のダイアログが表示されて、何回かポチッとしないといけないので、全部自動でというわけではないですが、セキュリティ的な確認なので、これは仕方ないでしょうね。
iPhone12 miniの画面がブラックアウトしていて、確認ダイアログが表示されているのが分からなかったので、ちょっと気が付くまで時間が掛かってしまいましたが。

カメラが4年以上の進化で、非常に綺麗ですね。

純正の充電器は高いので、Ankerのを買いました。
急速充電の時間が純正に比べると遅いみたいですが、USB充電と比べても充分に速い感じです。

 

2021年4月25日日曜日

The Bitter Truth / EVANESSENCE

 

 

コロナ禍でライブツアーがキャンセルになり、その時間をスタジオでの活動につぎ込んで、10年振りのスタジオアルバムがリリースとなりました。

ライブがなくなるのは寂しいですが、その反面こうやって新譜が届くのは嬉しいですよね。

「苦い真実」と題された本作ですが、それとは関係なくやっぱりエイミーさんは歌が巧い!
曲もいいし、アレンジもいいのだけど、この歌の上手さが一番の魅力ですね。

 

E=mc2のからくり エネルギーと質量はなぜ「等しい」のか / 山田 克哉

 

わかりやすく解説されているのですが、結局のところ、私の理解力ではE = mc2のからくりは理解し切れませんでした。
そこへ至までの解説では、ああ成る程そういうことだったのか、と納得できることが多数出て来るので、量子力学の説明としては非常によく出来ていると思いますが、一番要のE = mc2が難解すぎるということなんでしょうね。


2021年4月22日木曜日

I FOUND THE SUN AGAIN / Steve Luckather

間違って輸入盤の方を買ってしまいました。国内盤はこちら↓

アイ・ファウンド・ザ・サン・アゲイン

10年くらい前にSteve Lukather氏のソロアルバムを続けて2枚買ったのですが、その後は全然買ってなくて、自分でも何で新譜を買ってないんだろうと思っていたら、そもそもアルバムがリリースされていなくて、本作は8年振りのソロアルバムと。

8年振りとはいえ、フルアルバムではなく8曲入りのミニアルバムで、カバー曲もあるし、本格的にソロ活動再開というわけでもなさそうです。
まあ武漢ウィルスのお陰でって感じですかね。


 

トポロジカル物質とは何か 最新・物質科学入門 / 長谷川 修司

トポロジカル物質の存在が、この宇宙における対称性の破れによる物質だけが残り反物質が消えた理由らしいのですが、難し過ぎてさっぱり理解できませんでした。
磁界が時間に非対称という話が出て来る辺りで、完全に頭がパニクって、書かれていることを理解するのを能が拒否する状態に陥ってしまいました。

電子が金属の中を移動して電流が流れることも、実は単純な話ではなく、電流が流れる量子レベルでの原理の説明なども、これまでに知っていると思っていたことが単なる思い込みだったと言うことを思い知らされました。
電子の動き一つ取っても、もの凄く奥深いものがあるんですね。

2021年4月20日火曜日

WATERSIDE / GARY HUGHES

英吉利の演歌歌手(と私は感じてて、そう呼んでます)Gary Hughesのソロアルバム。
日頃は自身がリーダーのバンドTenで活動をされてますが、ここへ来てソロアルバムをリリース。
コロナ禍のせいでバンドメンバーを集めてレコーディングするのが難しかったのか。

Tenのデビュー前に、ソロアルバムを2枚リリースしていて、そちらは持っているのですが、Tenでの活動中にもソロを出していたんですね。
結構、枚数出てますね。
時期的に、Ten発足時のギタリストが辞めた辺りで、精力的にソロをリリースしているような気がしますが。

まあこの方の場合、ソロもTenもたいして変わらないので、この歌声が好きな人にはソロもTenも関係ないでしょう。

 

古代日本語発掘 (読みなおす日本史) / 築島 裕

タイトルから、古代の日本語がどのようだったか、現代日本語とどのくらい異なるのか、ということを期待して買ったのですが、完全に当てが外れました。

終始、古文書の発見と解読が如何に大変でどのような苦労をしたかという苦労話ばかりで、お目当ての古代日本語はどうだったかについては殆ど出て来ません。
辛うじて、漢文の読み下し文と仮名で書かれた日常語と思われる文では、使われている言葉が異なるということがちょっとだけ書かれている程度。


2021年4月18日日曜日

PHASE 2 / THE END MACHINE

Don Dokken抜きのDokkenともいうべきTHE END MACHINEの第二段です。
ドラムがミック・ブラウンから弟のスティーヴ・ブラウンに代わっていますが、Dokkenぽさは更に増していますw

Don Dokken率いるDokkenが活動停止中の現在、Dokkenの新作が聴きたい方には、こちらを聴いてみることをお勧めします。

水軍と海賊の戦国史 (中世から近世へ) / 小川 雄

先祖が瀬戸内海の海賊だったので、こういう水軍や海賊の歴史に興味があり、1年程前に発刊された本書を書店で見掛けたので買ってみました。
まあこういうのは、よっぽど歴史に興味があるか、私みたいに特別な理由がない人でないと読んでも面白くはないでしょうね。
戦国時代の各大名の戦力に、意外と水軍が占める割合は多かったみたいです。
あまり歴史小説には水軍は登場しませんけどね。

武田信玄は水軍を保持していたというのがあって、海のない国で水軍?と不思議に思ったのですが、今川家を滅ぼした後に今川家が支配下に置いていた水軍を武田信玄が支配下に置くようになったようです。
京への進軍には水軍による物資補給が欠かせないと思ったからなのか、北条家や松平家との抗争に水軍が欠かせなかったからなのか。
たぶん両方なのでしょうけど、船戦の経験のない武田家の重臣がすぐに水軍を指揮できたというのは、不思議です。


2021年4月17日土曜日

I Will Be Gone / Primal Fear feat. Tarja

コロナ禍が収まらずライブができない中、ミュージシャンの方達はスタジオに籠もっての作業を精力的にされているようです。
今年に入ってから、その成果として続々とアルバムが発売になっています。
Primal Fearは企画盤として、5曲入りシングルをリリース。
内3曲はMatal Commandのボーナスディスクに収録されていたものですが、1曲は未発表曲(Matal Command制作時に収録したけどアルバムには入らなかった曲らしいです)、1曲は本作の目玉で元Night  WishのTarjaをゲストに迎えてのバラード曲(アルバムタイトルになっている「I Will Be Gone」。

再収録曲が3曲なので、Metal Commandを購入したファンには、実質2曲のために買うことになるので、ちょっとお薦めしにくいのは確かですが、ボーナスCD付きのMetal Commandを購入していない方にはお薦めですね。


2021年4月11日日曜日

神を統べる者(二)-覚醒ニルヴァーナ篇 / 荒山 徹

ニルヴァーナというとバンド名だと思っている人も多いかも知れませんが、サンスクリット語で「涅槃」のことで、本書では「解脱」の意味で扱われています。

印度に渡った厩戸御子が覚醒するのですが、その過程が…よくこんな荒筋を作者は考えついたな。
下手に書くとネタばれになって、これから読む方の楽しみを奪うことになりますが…邪教と言われている立川流真言密教が、実は正解だったということになります。
どういうことかは、読んでのお楽しみ!


新版 自然界における左と右(上・下) / マーティン・ガードナー

 

本書の原著第一版は1964年、増補第二版が1979年、第三版が1990年に発刊されており、本書は第三版の翻訳本を文庫化したものになります。
なので内容的に古くなってしまった感もありますが、物理の根本が変わるわけでもないので、基本を知りたい方にはお勧めできるかと思います。
但し、翻訳文章がちょっと古い感じもあって、若い人には分かりづらい文体になっているかも知れないですが。

本書のタイトルの「左と右」というのは、物理学上非常に難問で、極最近まで左と右を入れ替えても区別が付かないと言われていました。
しかしその対称性が実は我々の宇宙では破れていて、左と右を厳密に区別することが可能であると分かったのです。
CP対称性の破れの発見が、ノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいと思いますが、これもその一つです。

この対称性の破れのせいで、我々の宇宙には物質だけが存在し、反物質が存在しないのではないかというのが、現在の理論的な予測です。
将来的に、この予測が正しいと証明されるかどうか。


2021年4月4日日曜日

京都はユダヤ人秦氏がつくった / 田中 英道

平安京が秦氏の支配地に作られたのは知っていましたが、高田崇氏は、それを朝廷が秦氏を虐待したとして描いておられましたが、本書ではむしろ秦氏が率先して土地や資金を提供したと書かれています。
実際、それだけの資金力を持っていたなら、数が少ないとはいえ、朝廷に言われるがままに財産を奪われるのは不自然ですし。
当時の朝廷が余程の軍事力を持っていたのなら分かりますが、実際には当時の朝廷にはそんな軍事力などはなかったはずですし、そもそも軍隊を動かす資金は度重なる遷都で底を付いていたはずですし。

秦氏がユダヤ系かどうかは私には判断しかねるのですが、日本の古代神道にはユダヤ教や原始キリスト教の影響が見られるのは間違いなく、ユダヤ人が古代日本に入り込んできた可能性は高いとは思います。
(ただ、インド仏教が伝来してもインド人は日本に来ていない例もあるので、ユダヤ教の伝来とユダヤ人の渡来は別問題だと思っています)

日本とイスラエルにしかない文化(「もったいない」というのは、日本人とユダヤ人にしか理解できない感覚だとか)や日本語としては全く意味不明なお囃子言葉がヘブライ語ではしっかりとした意味があること、最新のDNA解析でイスラエル人と日本人しか持っていないDNAがあることなどを考えると、ユダヤ人が日本に渡来していた可能性はありそうです。
正倉院には古代ペルシャの遺物が大量に保管されていますが、遺物だけではなくペルシャ系の人達も日本にまで来ていたという説もあり、であればユダヤ系の人達が日本に来ていても何ら不思議はないですから。


神を統べる者(一)-厩戸御子倭国追放篇 / 荒山 徹

単行本の文庫化ということで、月一ペースで3冊に分かれたシリーズが発刊されるようです。
文庫化に当たって特に加筆修正がされているわけではなさそうなので、単行本で買った人はご注意を。

荒山徹氏は、朝鮮を舞台にした或いは朝鮮絡みの時代小説を書かれていますが、本作は厩戸御子と副題になるので朝鮮は絡んでいないのかと思いきや、百済が思いっきり絡んでいました。
聖徳太子はいなかったという説を唱えておられる方がいますが、生前は「聖徳太子」とは呼ばれていなかったから「厩戸御子」と呼ぶべきだ、という謚を知らないアホな歴史学者のいうことなどは無視しましょう。
今に伝わる聖徳太子の個人の能力が余りにも高過ぎて人間の限界を超えているため、そんな天才が存在したはずはないという学者の劣等感から来る否定も、無視しましょう。

本書に書かれている厩戸御子は天才中の天才で、釈尊に匹敵する存在として描かれています。
そういう超絶的天才の存在を信じられない人は、当然釈尊も実在しなかったという説を唱えるんでしょうね。
天才というのは、周りが理解できないから天才であって、有名大学を卒業した程度の秀才の想像を超えるものなのですが、ある種の人達は自分よりも遙かに頭のいい人間が存在することに対して、緩いし難い憎悪を覚えるようです。
実在の聖徳太子が本書のようであったかどうかは分かりませんが、ここで描かれているくらいの天才であった可能性は高いと思っています。


2021年3月28日日曜日

宇宙の奇跡を科学する / 本間希樹

ブラックホールの撮影に成功したニュースは記憶にまだ新しいところですが、筆者はその撮影を行ったチームの一員の方です。
これまでの著書を確認した時に、あれ?これ読んでたかな?というタイトルのがあったのですが、読んでませんでした。
なので、氏の著書を読むのは初めてということになります。

が、これまで読んだブラックホールやダークマターについての情報を、再確認した程度で、特に目新しいものは見当たりませんでした。
逆にいえば、ブラックホールってどんなものよ?と思っていて、分かりやすい解説書を探している方にはよいかと思います。
本当、ブラックホールというのは、存在自体が不可解で謎なんですよね。


平城京 / 安部 龍太郎

安部 龍太郎氏の歴史に関するコラム本は何冊か読んでいますが、小説はたぶん初めてです。
もっと歴史考証がキチンとされた小説を書くのかと想像していたのですが、細かい部分はどうなんだろう?というものもありますね。
大筋ではキチンと定説を押さえつつ、独自の視点での考証を盛り込まれていて、小説としても面白いし、この時代の背景についても概ねこんな感じだったのかなとは思いますので、細かい部分は話を進める上で仕方がないかなとは思います。

藤原京以前は、皇位が変わる毎に都も変わっていたのが、皇位が変わっても都を買えないことが基本になりました。
何故、唐風の都にしたのか、諸説ありますが未だに誰もが認める定説はなかったと思います。
藤原京を10年程度で捨てて、新たに平城京を築く理由も、未だに定説がありません。
本書での説は、私的に非常に納得の行くことで、この数十年前に新羅・唐連合軍(というか実質は唐の軍隊)と戦争状態にあったのに、その後はそんなことはなかったかのように唐皇帝への朝見を行っている謎なども、ここで示されていることで、成る程と膝を打つ思いでした。

藤原京から平城京への移転については、かなり前に読んだ明石散人氏の著書で「間違ったことに気が付いて、直すことにしたんだ」との説を唱えられていましたが、本書でも同様の見解を取られています。

2021年3月21日日曜日

【メンテナンス日記】車検

 今まで国産車は車検前に買い替えていて、Demioも1台目は車検前に買い替えて今のにしてしまいましたが、今回は買い替えずに車検を受けました。
一応残価設定の5年ローンなので、支払いが残っている間の買い換えは懐的に難しいことと、今のMazda 2が買い替えたくなる程の改良とはなってないし、早ければ今年の秋から来年の春くらいにはフルモデルチェンジになるはずので、それを待つということもあります。

前回の6ヶ月点検でパックでメンテが終了になって、車検整備は適用外になるというので、一瞬「へ?」となってしまいました。
BMWのサービスフリーウェイ3年コースは、初回車検整備費用も含まれたんですけどねぇ。
と、コースメニューを見直したら車検整備を含むコースと含まないコースがありました。
今回購入するときの見込みでは、車検前にフルモデルチェンジしたMazda 2が発売になっているんじゃないかという見込みで、車検整備抜きを頼んでしまっていたらしい(苦笑)
一応、パックでメンテの継続コースがあるということで、18ヶ月コース(次回車検整備付き)¥28,490円に加入しておきました。

車検費用ですが、お国に納める諸経費というのが、自賠責/重量税/印紙代/代行料が¥47,010。
後述の整備に掛かった費用が全部で¥43,510と、諸経費の方が高い(苦笑
国がどんだけぼった食っているのかって感じですね。
パックでメンテとか代行手数料とかとの合計から、色々と値引きが1万円弱あって、消費税対象額が¥49,555で、消費税が¥4,955円。
ほんま、国がどんだけぼったくってんねんという感じですな。

整備内容は

・ブレーキフルード交換/ブレーキクリーニング
・冷却水強化剤注入
・ワイパーゴム前後交換
・エアコンフィルター交換
・バッテリーテスター点検 (バッテリーは今回は交換なし)
・ブレーキ残量とタイヤ溝残量チェック
・タイヤローテーション、空気圧調整

というところで、距離が全然走ってないので、通常点検に経年変化でへたるゴムとオイルを交換した程度ですね。
エンジンオイル交換も今回はスキップしました。

しかし、慣らしが済んだせいか、ようやっとATがいきなり変な変速を勝手にしてくれることが少なくなりました。
学習してくれたんですかね?


ILCE-7M3 本体ソフトウェアアップデート Ver. 4.00

ILCE-7M3 本体ソフトウェアアップデート (Mac) Ver. 4.00  

α7Ⅲのアップデートが来ました。
FTPができるようになったそうです。
それ以外に細かい不具合修正もされているようですが、詳細な説明はない。

にしてもMacでアップデートをする場合、Sony Camera Dirver をインストールすることを要求されるのですが、検索してもそのダウンロードのリンクが全く出て来ないので、思わず心が折れてアプデを諦めかけました。

上記リンクのページにある「アップデート手順」で開くウィンドウの中にファイルへのリンクが貼ってるのを見つけて何とかできましたが、αシリーズのアップデートは毎回悩まされます。

Walkmanのアップデートも同時に案内が来ましたが、こちらはAndroidなので、WiFIに接続してシステムアップデートのメニューを選択すれば、自動的にダウンロードしてアップデートされます。
α7シリーズもWiFiに接続できるんだから、同じようにしれくれればいいのに。

 

恥韓の根源 / シンシアリー

帯に『韓国のいう「強制徴用被害者」は、なぜ笑っていたのか』とありますが、強制労働者の記念館が作られて、そこに展示されている労働者が家族に送った写真では、みんな楽しげに笑ったものばかりだそうで。
それを「強制されて笑顔をしている」と説明しているそうですが、そんなことするなら写真を撮って送ったりする必要もないでしょうにね。

慰安婦問題で明らかになったのは、賠償を要求しているのは慰安婦の方々ではなく、それをネタにして政府から多額の補助金を懐に入れている、よくいえば訴訟代理人、悪くいえば(というかこちらが本当なんでしょうけど)詐欺師であるということ。
たぶん、徴用工問題も同じようなことになっているんでしょう。そもそも韓国の裁判所自体が、訴えを起こした自称強制徴用工は「工員募集に応じて雇用された応募工」であると認めているんですしね。
#それを認めながら、被害賠償請求を判決するというのだから、韓国の裁判官は法理論を知らないとしか思えないですが。

いつものことならが、本シリーズで描かれる韓国は、まあ無茶苦茶ですわ。
文大統領の任期が残り1年半程になりましたが、果たして人気を全うできるのかも怪しい状況。
歴代の大統領が悉く犯罪者として糾弾される国というのも、先進国にはあり得ない(から韓国は先進国とは言えないですけどね)のですが、文氏も例外ではなく、退任後か或いは就任中に、北朝鮮への利益供与とか国家への反逆行為で逮捕される可能性が高いようです。

こんな国が隣国にある日本は、不幸としかいいようがないなぁ。
無視できればいいのですが、中共が覇権主義を掲げて、海洋へ進出するための航路を確保するために、台湾と沖縄を自国領土にすることを狙っているから、韓国にはちゃんと防波堤になって貰わないといけないんですけど…その時には半島が戦闘地域になるということを理解できないんだろうなぁ。


2021年3月14日日曜日

源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか / 坂井 孝一

 一般には鎌倉将軍家は、初代頼朝死後すぐに北条氏に実権を握られ、二代目頼家や三代目実朝は傀儡将軍に過ぎなかったというように言われていますが、本書に寄れば実際には頼家や実朝はしっかりと将軍としての権力を握り、北条氏は他の御家人との勢力抗争で苦境にあったようです。

実朝亡き後、藤原氏の子息を将軍に立てた摂家将軍、その後に天皇家の親王を将軍に立てた親王将軍に続くのですが、これも元々は子のない実朝が鎌倉幕府の権威が続くように画策していたことのようです。

征夷大将軍というと、江戸時代の徳川将軍家のような絶対的な実力と権威を持つ存在のように思われるかも知れませんが、鎌倉幕府が開かれた時にはまだそのような権威は存在しておらず、三代に亘っての朝廷とのやり取りの後に生まれてきたものです。
「征夷」大将軍なのも、他の将軍名跡は反逆者として抹殺された木曾義仲などに贈ったことがあって縁起が悪いからということで、そういう前例のない征夷大将軍が選ばれただけだそうです。

歴史を紐解くには残された資料しかないのですが、その資料が時の権力者に阿って脚色をしたり都合の悪い部分を改変したりというのも当然あって、本当のところはどうなのかを調べるのは大変なことです。
本書では鎌倉時代の歴史資料として有名な「吾妻鏡」の虚構を、同時代の「愚管抄」や他の資料と比較し、暴いておられます。
この辺りの解釈の仕方は、研究者毎に違いはあるのでしょうけど、読む限りでは筆者が恣意的に北条氏や吾妻鏡の作者を貶めようとはしておらず、冷静に他の文献との違いから真偽を問われているように感じました。
なかなかこう冷静かつ客観的で公平に、判断をできる人は少ないと思います。

2021年3月11日木曜日

古代史の謎は「海路」で解ける 卑弥呼や「倭の五王」の海に漕ぎ出す / 長野 正孝

以前から古代の海路を読み解くことが、歴史の謎を解く鍵であるというのが、氏の主張で、前著や本書を読むと、一般の歴史学者の方々は如何に古代の交通について無知であるかということがよく判ります。

しかしながら、神武天皇についての件は賛同しかねるんですよね。
神武天皇の頃は、まだ瀬戸内海の航路が開拓されていなかったから、瀬戸内海を通ったという神武東遷は虚偽だ、と主張されているのですが、それゆえに何年も掛かっていたんじゃないの?と思うんですけどね。
まさかと思いますが、1週間くらいで北九州から大阪湾にまで来たと思ってらっしゃるんじゃ…。

まあそういう細かい部分的な主張については、色々とどうですかね?といいたくなるのはありますが、重要なのは古代の船がどういうもので、航海はどのようになされていたか、ですね。
現代の船舶や小型船と、その運航に関する知識は一般の人にはないし、歴史を研究する人達にもないわけです。
ましてや古代の船や航路については、全くと言っていいくらいに何も分かっていません。
そういうのを専門に研究される方はいるのですが、謎だらけで解明できていないんですよね。
どうやって縄文時代の人々は、北はシベリア、南は八丈島や沖縄と行き来できたのか。
誰も回答できません。


2021年3月7日日曜日

秘録 島原の乱 / 加藤 廣

 

加藤氏がお亡くなりになってから久しいのですが、本作の連載中のことだったとかで、本作は未完の遺作ということです。
未完とはいえ、タイトルである島原の乱が収束する辺りで終わっているので、もし続きがあったとしても、続編という形でタイトルを変えて執筆されることになったのではないかと思います。

氏らしい他には見られない歴史の史実解釈により話が組み立てられており、史実の解釈としても興味深い部分はあります。
まあ殆どは滑稽無糖な忍術や剣術での活躍で、話が展開していくので、あくまで空想時代小説であって、史実に基づいた歴史小説ではなりですが。

2021年3月1日月曜日

TEN / 楡周平

 

まあ単純に言ってしまえば、今太閤記です。
物語の中でも主人公を拾ってくれた坊ちゃんを「信長」と表し、下巻でもその坊ちゃんから主人公が「今太閤」と言われるので、作者は太閤記を意識しつつ本作を書いたことは間違いないでしょう。

バブル崩壊後、終身雇用制は実質崩壊しているのですが、にも関わらず実力や実績ではなく学歴重視の年功序列が未だに日本企業に根強く蔓延っています。
中韓に日本企業がやられまくりなのは、この年功序列により管理職としての能力を持たない人が管理職としてのさばるという現実によるのは明らかなのですが、日本人というのは慣習に対する慣性力が途轍もなく強いので、過去の記憶から逃れられないんですよね。

そういう今の日本に対しての警告の書ではないかと思います。


2021年2月23日火曜日

【くるまのおと】マツダ100年 車づくりと地域

今の世の中の99%の人が勘違いしていますが、企業の存在目的は儲けることではなく「その企業活動を通して社会の発展と幸福に寄与すること」です。
利潤を上げるのは、企業がその活動を継続していくための必要条件であって、目的ではありません。

マツダは、企業時から地元社会の発展と地元市民の生活を守るため、部品購入も地元企業を優先したり、地元の施設建設や地域活動のために多額の献金を行ったりと、企業本来の目的を実践しています。
どこかの自動車メーカーなどは利潤優先で下請け虐めで有名ですが、そのような企業でも日本経済の発展や技術革新には貢献しています。

企業が人々の幸せのために存在するという目的を忘れずにいれば、世界は平和になると思うのですが、現実は自社(というか経営者の)懐具合しか考えていない連中ばかりなんですよね。
そういう企業を淘汰するためには、消費者が各企業の活動内容をよく精査して、その製品を購入するとかサービスを受けるとかの選択基準にすればよいのですが、現実は「安ければどうでもいい」のですよね。
特に日本の消費者はこういうことには鈍感で、欧米で始まっているフェアトレードも、恐らく日本では知らない・興味ない消費者ばかりだと思います。
世界と人類の平和のためにも、そしてそれが巡り巡って自己のためにもなることを、考えて欲しいものです。


2021年2月21日日曜日

LOCKED & LOADED / Alex Beyrodt`s VOODOO CIRCLE

前作は日本盤が発売になりましたが、本作は日本盤は販売されず。
ヴォーカルにReadmanが復活したせいなのか、前作が全然日本では売れなかったからなのか。
もろに日本のHR/HMファンが好みそうな対応の楽曲と演奏なのにねぇ。

昨年Primal Fearの新作がリリースされた頃に、Mat Sinner氏がFacebookで「今日はVoodoo Circleのベースのレコーディングだったぜ」というような投稿をされていたので、これは近い内にVoodoo Circleの新作がでるってことだなと期待をしつつ、Primal FearのアルバムにAlex作の楽曲が納められていなかったのは、VoodooCircleの楽曲造りで忙しかったせいか、と思ったりしていました。
#けど、そんな状況でPrimal FearとVoodoo Circleの両方の楽曲製作をこなしているMat Sinnerという人はスゲーなとも思いを深く致しました。

で、今回はReadmanが歌っているわけですが、このバンドには彼のヴォーカルが合うよなぁ、と改めて思いましたね。
Pink Cream 69の時から好きなヴォーカルなのですが、ほんまええヴォーカルを聴かせてくれます。
Alexのギターも相変わらず、音を一発聴いただけで彼だと分かる、エグいビブラートは今回もめちゃくちゃ効いています。ロングトーン一発で個性を出せるギタリストって少ないんだが、何で世間一般では評価が低いんでしょうかね?

2021年2月19日金曜日

砂塵の掟 オッドアイ / 渡辺裕之

 

渡辺裕之氏の各シリーズの登場人物が、他のシリーズにゲスト登場することが度々ありますが、今回は傭兵代理店とのミックスみたいな感じになっています。
以前、本シリーズの主人公のキャラが傭兵代理店の主人公と被ってると書いたことがあると思いますが、作者のそれを実感しているのか、クレージー京介に「あんた藤堂さんに似てる」と言わせています。

とはいえ、本シリーズはあくまで日本の警察官と自衛隊の活躍の範囲を飛び越えることはできないのですが、今回は結構逸脱しそうになっています。
一見、平和で呑気な日本国ですが、危ないバランスの上で辛うじて成り立っている平和であることを、かみ締めましょう。

2021年2月17日水曜日

All the Best / Mark Boals & Ring Of Fire

 

Mark Boals氏の若い頃のベスト曲を集めたベスト盤です。
この方は本当にいい声をしてるなぁ、と改めて思いました。
イングヴェイのバンドにいたときのイメージを強く持っている人が殆どなので、そういうのを期待する人には期待外れかも知れませんが、歌声の素晴らしさと上手さを堪能するには、やはりバラード曲の方がよりよく味わえます。
本人もそういう歌い方の方がきっと好きだから、そういうじっくりと歌い上げる曲を中心に選んでいるんだと思います。

2021年2月15日月曜日

陰謀の日本近現代史 / 保阪 正康

「陰謀」とありますが、大東亜戦争時期の日本政府と軍部の首脳陣の低能さと幼稚さ加減を考えたら、「陰謀」なんてできるだけの有能さがあったら亜米利加や中華民国との戦争に勝ってるよな、としか思えんのですよね。

しかし問題は、現代日本でもこの頃の首脳部同様の政府閣僚や会社経営者などが殆どで、やっていることは変わってないことでしょう。
無謀というよりも何も考えていないとしか思えない計画というか妄想による線表を描いて、「みんなが一致団結して努力すればできないことはない」というかけ声の下に無理強いを行い…結果、ありとあらゆる部門で半島や大陸のパクリ製品に破れ、今や最先端技術でさえも後れを取る有様。
 

上に立つ人たちの無知蒙昧さと幼稚さは、あの頃から全く変わっていない。
日本人の特性とは思いたくないのは、明治維新から第一次世界大戦頃の日本政府首脳陣が、如何に世界の情勢をしっかりと見据えて、日本の地位を向上させるためにどれほどの苦労を重ねたかを知れば、その後の世代が何でこんなにも情けない連中ばかりになったんだろうかと不思議に思ってしまいます。

 

2021年2月13日土曜日

DYSTOPIA / Royal Hunt

D.C.クーパー氏のVocalが好きなので、ここ数作を買ってますが、今回はゲストヴォーカルにMatz LevenやMark Boalsなども参加しています。
今回のアルバムはコンセプトアルバムだそうで(なのに、どういうコンセプトかは明らかにされていないという不思議なアルバム)、各テーマに沿った曲のイメージに合うヴォーカリストを起用したらしいです。

原題は単に「DYSTOPIA」なのですが、邦題は「ディストピア・パート1」になっており、つまりは「パート2」以降もあるってことでしょうね。

ディストピア・パートI(初回限定BOX仕様 Tシャツ付)

【メーカー特典あり】 ディストピア・パートI(初回限定プレス盤DVD+別冊ブックレット付)(付箋付き)

2021年2月7日日曜日

宇喜多の楽土 / 木下 昌輝

タイトルからして宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)の続編ですが、捨て嫁が宇喜多和泉守直家を描いたのに対して、本作はその息子の宇喜多中納言秀家の生涯を描いたものになっています。

こちらは短編集形式ではなく、普通の長編物語形式で書かれています。
宇喜多家に関する知識がなかったので、五大老の一人である宇喜多秀家は、秀吉子飼いの武将ということくらいしか知らなかったので、てっきり親族の甥っ子を宇喜多家の養子として押しつけたのかと思ってましたが、違ってました。

備前の有力大名家である宇喜多家を、幼い内に父親が亡くなったために継ぐことになり、そこに目を付けた秀吉が自分の信頼できる味方にするために、子飼いの子供達と同様に養育したみたいですね。
親族なのに豊臣家を裏切った小早川秀明とは異なり、生涯太閤殿下の御恩を忘れず忠実であったため、30前なのに子息と共々八丈島へ流配になり、余生をそこで過ごすことになると。
八丈島の余生の方が、それ以前の人生よりもずっと長いというのは、どういうものなのでしょうね。

宇喜多の捨て嫁 / 木下昌輝

木下氏の作品は最近になって読み始めたので、デビュー作の本書はまだ読んでいませんでした。
読まないといけないなぁと思いつつ、なかなか切っ掛けがなかったのですが、今回本作の続編と思えるタイトルで新刊が発刊されていたので、読むならこっちからだよなと合わせて買って来ました。
しかし書店も、新刊を盛大に並べるなら、本書も横に置いておけばいいのに。
出版社も帯にデカデカと旧作を書くなら、一緒にこちらもと書店に奨めたりはしなかったんだろうか?

短編集ですが、戦国末期の備前で成り上がり大名の宇喜多和泉守直家を、複数の人物の視点から描くという構成になっています。
それぞれの短編の主人公が変わりつつ、連作になっていて、全体で直家という武将の姿を描く長編になっているという感じですね。

戦国の世というのは、互いが騙し合いながら、自分の家族と家臣や領民を如何に守っていくかに力が注がれた時代です。
その頃の謀の知恵が昭和初期まで伝わっていれば、勝てる戦争を負け戦にすることはなかったんでしょうにねぇ。

人魚ノ肉 / 木下 昌輝

2年半程前に発刊されていた作品ですが、後述の新刊の帯に本作が記載されていて、まだ読んでない作品だったので、新作と一緒に買って来ました。

短編集ですが連作になっており、登場人物が重なっており、先に登場する短編が後の短編の伏線になっていたりして、全体としては長編物語になるような構成になっています。
単行本デビュー作の宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)が同じような構成になっているので、氏が得意とするスタイルになるのかも知れません。

短編毎に主人公が変わり、それぞれの視点から幕末の京都を描いています。
中心は新撰組ですね。
新撰組の好きな方には興味深い内容ではないかと思います。

各隊のリーダーを「隊長」ではなく「組頭」と書かれているのは、莫大な資料を読み解き史実に忠実であろうとする氏であればこそでしょうね。
組織の名称は「組」だけと、トップは「局長」なのは有名ですが…なんでそうなのかを解説した歴史書にはまだ出会ったことがないです。
本書でもそこは特に触れられてはいないですが。

2021年2月1日月曜日

HOLY GROUND / THE DEAD DAiSiES

Doug Aldrichが在籍するバンドTHE DEAD DAiSiESに、Vocal/BassとしてVoice Of God Glenn Hughes様が参加されました。
バンドとしては5作目だそうですが、このバンドのアルバムは初めて買います。

それにしても、Glenn様のVocalは全くの衰え知らずですね。
他のレジェンドの方々が、往年の魅力を悉く失っているのに対して、全盛期以上じゃないか?と思えるくらいの素晴らしいハイトーンと表現力のある歌声を聴かせてくれます。
Bassプレイも素晴らしいし、このBassとVocalだけで、買う価値はありますね。

2021年1月31日日曜日

EXPLOSIVE!! -studio jam- / ANTHEM feat. Graham Bonnet

ANTHEM feat. Graham Bonnetというと、大阪のANTHEMにファンにとってはいい思い出がないんですが(苦笑 まあ、一応買いました。
私的にはグラハムさん、あまりいいHR/HM Vocalのイメージなくて、ご本人は元々のAORが好きだけど、金に目がくらんでRawbowに加入したら、その後HR/HMバンドばかりから仕事が来て…みたいな感じがしてて。
でも巧いのは確かなんですよね。

2021年1月30日土曜日

日本はこうしてつくられた ~大和を都に選んだ古代王権 / 安部龍太郎

安部龍太郎氏の歴史解説書は何冊か読んでますが、小説の方はよくよく考えたら読んでないや。
その内に読まないといけないですね。

本書は各地の古い神社や遺跡を訪れ、その血の研究家や学者さん達に案内と説明して貰ったことを、氏なりに咀嚼して文章にしたものです。
雑誌の連載をまとめたものですが、テーマは「半島を行く」ということで、必然的に古代の海運に関わる場所が中心になっています。
あ、半島といっても、ここでは日本列島に付随する半島のことで、国際法を理解できない国のある半島ではないです。

個人的な古代日本の謎に、茨城県の鹿島神宮と千葉県の香取神社があります。
どちらも創建は非常に古く、藤原氏の初代ともいえる中臣鎌足は鹿島神宮の神職出身との説もあります。
ということは、大和政権は飛鳥時代の7世紀にはこの地にまで勢力を伸ばし、領土としていたことになります。
鹿島神宮の創建は神武天皇の頃と、社伝にはあるので、それを考えると大和政権がこの地まで勢力を伸ばしていたのは、かなり昔からであることになります。
その時代にそれだけ広い領土をどうやって統治していたのか?
それを考えると、古代の人々が列島各地を行き来するのは、考えられている程困難なことではなかったということになります。

どうやって移動していたのか。
人が移動するということは、単にA地点からB地点に移動する手段だけではなく、その間の食料や水の確保、ねぐらの確保、安全の確保などなどが必要なので、それをどうやって確保していたのか。
本書はその謎の参考に少しはなったような気がします。

 

2021年1月28日木曜日

Beck, Bogert and Appice Live

邦題には「イン・ジャパン」がつくんですよね。
大阪厚生年金ホールで行われたライブを収録しているようです。
日本での外タレ・ライブといえば、日本武道館が有名なのですが、音響的には元々ライブや劇を行うために建築された大阪厚生年金ホールの方が好ましいのでしょうね。

まあ何で今頃?というと、BassのTim Bogert様への追悼の意味で買いました。
スタジオ盤は持っていたのですが、何故かライブ盤の方は買いそびれていたのです。
これも機会かと思いまして。
現代の超テクニカルな演奏を見慣れた人には、或いは物足りないかも知れませんが、逆に今のライブはCDそのままでつまらんという人は、こういうのが好きですよね。


税をむさぼる人々 / 森口 朗

日本の税制や年金制度、社会保障制度が、如何に出鱈目で国民に不親切な制度になっているかを解説された一冊です。

年金制度の酷さはよく言われますが、こういう具体的な例を挙げて示されているのは珍しいのではないでしょうか。
例を挙げようにも、制度が複雑すぎて解説できる人もいないんでしょうね。
そもそも年金制度の酷さの中見も、普通の人だと理解ができない矛盾に満ちた世界になっているようで。

こういうことをちゃんと知っておかないと、霞ヶ関を中心とするお役人に騙されることになるので、しっかり読んで知っておきたいものです。

 

2021年1月24日日曜日

911代理店 / 渡辺裕之

渡辺裕之氏の新シリーズが、昨年9月に発刊になっていたこと気が付かずに見落としていました。
最近は仕事先の場所の関係だったり、リモートワークで外に出なかったりで、書店に寄って新刊をチェックするのがなかなか出来ないんですよね。
その割にちょっと遠目の客先へ通わないと行けなくなって、通勤時間が長くなり、1〜2日で1冊読み終えてしまったりするのですが。

それはさておき、米国ドラマが好きな方ならタイトルから推測できるように、米国の緊急通報電話番号がネタになっています。
日本は警察は110、火事か急病は119と分かれていますが、米国はどれも911になっていて、オペレータが状況を聞いて警察と消防に連絡するシステムになっています。
そういう点では日本のシステムは官僚の縦割り主義が出ているんですかねぇ?

話が横に逸れましたが、日本の警察や消防が扱わない困り事を解決するお話。
渡辺氏のこれまでの小説同様、正義を貫く人達の物語になっています。

2021年1月20日水曜日

新型コロナ 7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 / 宮坂昌之

新型コロナ、要するに武漢ウィルス SARS Cov2ですが、人間の免疫システムを発動させない仕組みを持っているんだそうで。
PCR検査が陽性なのに症状(喉が痛い、咳が止まらない、熱があるなどなど)がないのは、細胞がウィルスに感染したときには免疫システムへのSOSとなる物質を生産放出するんだそうですが、武漢ウィルスはそれを生産させないんだそうで。
つまり感染してウィルスは活発に活動して細胞が破壊されているけど、免疫システムはそのことに気が付かないと。

それでもウィルスが大量に体内にいたら、別の方法で免疫システムは発動するらしく、ウィルスは退治されるそうなのですが、その時も症状は出て来ないようです。
なので、無自覚の内に病気になって治癒すると。
たまに免疫機構が働くのが遅れて、ウィルスが体内から溢れ出すくらいに増えてからになって、免疫機構が過剰反応をして、正常な細胞にまで攻撃を始めてしまい、所謂重症化することがあるんだそうで。

なんか怖い話ですね。
幸いにして日本では、感染者も死者も欧米に比べるとm劇的に少なくて、死者数は毎年インフルエンザで亡くなる方の1/3くらいだそうなので、武漢ウィルスよりもインフルエンザの方が怖いということになります。
特に子供や若年層にとっては、インフルエンザで死ぬ可能性の方が遙かに高いので。

武漢ウィルスでな亡くなる方は、殆どが既に癌や肺炎でいつ亡くなっても不思議ではない人達が大半で、武漢ウィルスで死ななくとも時間の問題だったような方が殆どのようです。
一見元気でも基礎疾患があったり、大酒飲みやヘヴィスモーカーなども危ないそうです。

2021年1月19日火曜日

カラー版 地形と地理でわかる古代史の謎 / 千田 稔

五年程前に同じ著者の同じようなのを買っていたのに、タイトルに惹かれてまた買ってしまいました。
前回もイマイチと感想を書いていますが、今回もイマイチでした。
図版や写真がカラーになっていて、分かりやすくはなっていますけどね。

千田氏は監修になっていて、7名の執筆者が各項を書かれているとのこと。
それぞれの項目にページ数制限があるのでしょうが、そのせいで説明がどうしても詳細には書けずにはっしょった感じがするのは否めません。


2021年1月16日土曜日

日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る / 播田安弘

歴史研究というのは、所謂文系と呼ばれる科学的な素養の乏しい方が多いせいか、きちんと科学的な考証に基づいた歴史上の事象に対する解釈をされる方が乏しいように思います。
なので、時々歴史研究とは門外漢と呼ばれる方達が、科学的な根拠に基づいて歴史学の定説というのを非難することがあります。
本書はその一つですね。

蒙古襲来に関しては「神風」というのが、都の公家による虚構であるというのが最新の定説になるつつあるのですが、では何故蒙古は撤退したのか?については説明ができていません。
氏は船舶設計の専門家であることから、当時の船艦がどのようなものであったかを厳密な資料に基づいて再現(3D CADで詳細な設計を)して、その性能を計算されています。
また玄界灘の季節毎の渡海の危険度なども調べ、蒙古軍の動きを推定されています。
こういう考証は、歴史研究者を名乗る人達には、到底不可能で、船舶の専門家だからできることでしょうね。

秀吉の中国からの大返し、戦艦大和についても、綿密な計算に基づいた推定をされており、恐らく今後の歴史研究にはこういう科学的な推測や推定ことが必要であるということになるのではないでしょうか。

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた / アランナ・コリン

人間の身体は、頭の先から足の裏まで、様々な細菌が住んでおり、その細菌の働きで人は生きているのです。

ここ最近は腸内環境を整えることで健康を維持しようという動きが出て来ており、腸内の細菌の働きや所謂善玉菌の活性化のための食事というような本が、数々出版されてきています。
肥満やアレルギーなどの現代病と言われるものは、工業化された食品により腸内細菌のバランスが崩れて、所謂悪玉菌の感染が身体の中に広まった結果だというのが分かってきたようです。

とはいえ、所謂悪玉菌を身体の中から駆逐して善玉菌だけにすればいいかというとそういう訳でもなく、バランスが大切みたいです。
善玉菌が増えすぎてもよくないと。

取り敢えず、今既に食物繊維の豊富な食べ物を多く食べるようにしていますが、それが間違っていなかったという確信が持てたことは収穫でした。
今健康でも、これから母親になる、なりたいと思っている方々は、是非健康で丈夫な子供を産み育てるためにも、本書をご一読することをお薦め致します。

2021年1月9日土曜日

奥州戦国に相馬奔る / 近衛 龍春

 

近衛氏の作品は面白いと思いつつも、気が付けば氏の作品を買うのは15年振りになるらしいです。
うーん、なんでやろ?
本作も、戦国武将としては余り有名ではなく、江戸時代の藩としても小藩で、数多ある戦国時代の小説でも殆ど登場することのない相馬義胤を取り上げるというのが珍しいのですが、その有名ではない=資料が少ない武将についての生い立ちを調べるのは、かなり大変な時間と労力が掛かったでしょうね。
巻末の膨大な参考資料の一覧を見ると、それがよく分かります。

相馬というと、どうしてもJリーグ創生期に、鹿島アントラーズ〜ヴェルディ川崎と日本代表として活躍した名左サイドバック選手が思い浮かぶのですが、現代の福島県海沿いにある地名ですね。
古代から名馬の産地として有名で、故に地名に「馬」の字があるわけで、本作でも名馬の産地であることが物語の鍵の一つになっています。

東北震災の時に、ここより海側には家を建てるなというような碑が建てられていたのを無視したために、被災にあったという報道もありましたが、義胤の時代にやはり大地震と津波が2回もあって、大変な被害にあった様子が描かれており、碑はその時に義胤が建てさせたものだということが描かれています。
その時に津波が押し寄せた区域と助かった区域を明確に分けて、地元民が被害に遭わないようにとの対策の一環として行われたそうですが、時が経つとそれが忘れられて、便利さから海沿いに住む人が増えるのは仕方がないことなんでしょう。

小藩の大名が生き抜くために、如何に知恵を絞ったか。
その物語は、現代の企業戦争にも参考になるかも知れません。

2021年1月3日日曜日

【くるまのおと】福野礼一郎あれ以後全集9 完結編

 

 あれ以降全集も本巻で完結とのこと。

でもまだル・ボランやMotorFan Illustratedの連載は続いているけど、その原稿はクルマ論評の方でまとめるってことですかね。

雑誌掲載時には、(福野氏というよりは編集部が)広告主に気兼ねして書けなかったようなことも、加筆編集して書かれているようです。
しかしいくら福野氏が亜米利加車の素晴らしさを喧伝しても、世の中の人達は独逸車絶賛で変わらず。
独逸車も21世紀になってからは、色々とありまして、いいものもあるけど悪いものある、という状況ですが、ブランドマークが付いていれば絶賛という風潮は変わらないんですよね。
日本人は数字には強いけど。数字の意味は理解していないし、感覚が乏しいから乗っても善し悪しが判断できないし。