2017年12月31日日曜日

謹賀新年

2017年12月27日水曜日

自治労の正体 / 森口 朗



今Amazonのリンク貼るためにみたところ、「ベストセラー1位」の表示が出てます。
国家公務員である官僚の寄生虫振りはよく知られるところですが、それよりも地方公務員の方が信じがたい問題を抱えているのだそうです。
確かに地方公務員の高給振りも知られるところですね。
関西では市営バスの運転手の高給が問題になったことがありますが、なかなか改善されません。
それ故に、大阪市は市営交通局を民営化するのですけどね。
国家公務員については(一応)天下りやら給与やらに制限があるのですが、地方公務員はないに等しいようで、やりたい放題。

更に恐ろしいことに、過激派組織に属していた人達がかなり地方公務員になり、この本のタイトルである自治労の幹部として権力を振るい、地方行政を我が物にしているようです。
中核派やオウム真理教などの過激テロ組織は、なんと破壊活動防止法の適用を受けていないとのことで、この法の適用を受けている組織が1つもなく、本法はあってなきものとして扱われているようです。
共産党などは公安の監視対象になっているんだから、この法の適用を受けてもおかしくないと思うんですけどねぇ。
公安そのものが共産党勢力の走狗になっているんでしょうか?

詳しくは本書を読んで戴きたいですが…日本の行政の酷さに、呆れるのを通り越して恐ろしくなってきました。

2017年12月24日日曜日

軍事のリアル / 冨澤 暉



自衛官を退職されてから、軍事について研究をされている方が雑誌のコラムに書かれていたものを、抜粋編集したものです。
内容はタイトル通りリアルな話ばかりです。
こういうレベルで軍事とか国際政治を語れる政治家も官僚もマスコミもいない、日本の国際力の貧しさにはがっかりするのですが、ほんま一般民間人の我々には目から鱗ではありつつも、言われてみれば確かにそうだよなと納得するしかないことばかりです。
日本人は国内法と国際法の区別が付いていませんが、細かい用語の区別も全くできていなくて、国際用語(殆どは英語ですが)と日本語訳の用語の区別とか内容を、似たものは全部ひとからげにごちゃ混ぜにして、勘違いも甚だしい暴論をふっかけてくるのが多いんですよね。
用語の違いを理解できていないのに、やたらとその間違った用語の使い方をして自慢げな人が多いのは、どの分野でもいるんですが…困ったもんですよ、こういう手合いは。

単に軍事費を増やして防衛力を増やしただけでは、朝鮮や中共政府がより強気に軍事強化に乗り出してくるだけでしょうし、国際世論を操ることにかけては中共政府は世界でもトップの能力を持っていますからね。
言葉には気をつけろといいますが、細かい言い回しの揚げ足取りをやって、相手の足を掬うのは、外交の基本でもありますから。

2017年12月20日水曜日

人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病 / ダニエル・E・リーバーマン





2年程前に単行本で出版され、この手の書籍としては異例なくらいに売り上げを上げ、この度文庫化されました。
訳者によると、この2年の間に判明した翻訳誤りなどを訂正しているそうです。

それはさておき、急激な科学技術の進歩に人類の身体が付いていけなくなり、筆者曰く「ミスマッチ病」が増えているとのこと。
人類の身体は、裸足で草原を毎日10km以上歩き回り走り回り、食べ物を探し回り掘り出し切り出し、糖分が少ない繊維質の植物をかみ砕く生活をしていたことから、あまり変わっていないそうです。
それ故、人は糖分を常に好み、食べ物がなくなったときのために脂肪分を貯め込もうとするのだそうです。
とはいえ、今更文化文明を捨てて、自然の中に裸で戻れるわけもないので、ミスマッチがあることをしっかりと認識して、生きていくしかないんでしょうけどね。

内容とは関係ないのですが、元々学術論文で語られていたことを、一般人向けに書き直していることと、筆者ができる限り正確に説明しようとしているため、文章が冗長で長くなっているため、読んで内容を頭にたたき込むのに苦労しました。
読みながら、これを翻訳した人の苦労は如何ばかりかと思いながら。
でもキチンと誤魔化さずに書かれています。キチンと説明すると言うことがどれだけ大変なことか分かります。
何処かの国のマスゴミ連中が、何かというと「一言で言うとどういうことでしょうか?」と直ぐに聞くのだけど、そういう低能な質問する奴には理解できないもの、としか答えられんよね。

2017年12月16日土曜日

30s medication / FUEL



元Emerald Aisls、元Crying MachineのHILE氏が、FUELというソロ・プロジェクトを立ち上げて、この度1stアルバムをリリース。
Crying Machineでは歌詞は書いていたけど曲は書いてなかったのですが、本作では全て曲・詩共にHILE氏が書いています。
こんないい曲を書けるんなら、Crying Machineでも書けばよかったのに、というくらいいい曲揃いです。
歌の旨さも相変わらずで、本当に上手いなぁとしみじみと感じますよ。

ギターに元Crying Machine、現SilexのMasha氏が、3曲で参加しています。

Unified / SWEET & LYNCH



前作のオンリー・トゥ・ライズがよかったので、今回も買ってみました。
Lynchさん、他にも色々とプロジェクトをやっていて、あの忙しい中でよくアルバムを作れたなと思ってましたが、今回は(或いは今回もかな?)レコーディングはLynchさんは別スタジオで行ったようで、Liveツアーもなし、プロデュースはSweetさんで、CD背面のバンド写真も合成なんじゃないか?という感じで、あんまり顔を合わせずに作られた感じ。
前作に比べるとLynchさんのギターが控えめで、SweetさんのソロアルバムにLynchさんが参加しているような雰囲気が強めになっています。
Sweetさんの歌が好きな方にはお薦めですが、Lynchさんが好きな人だとちょっとがっかりするかも。

2017年12月7日木曜日

日本史の謎は地政学で解ける / 兵頭 二十八



軍事評論家というイメージが強かったので、日本史を語られるというのが意外でしたが、読んでみると軍事評論家としての観点から語っておられて、軍事や兵站のことを一切考えない歴史家の方々の論よりも、納得の行くことが多かったです。
ただ、最新の日本史についての知識が抜けているようで、日本史の通説部分でちょっと「ん??」と思う点はあったのも確か。

それはさておき、気象変動のデータが掲載されていまして、あまりこの観点から日本の歴史について述べられたものは少ないのですが、これを観る限りでは地球温暖化が人類の化石燃料使用による二酸化炭素増加が原因というのは、錯覚であることがよく判ります。
ま、それは置いておいて、地球に平均気温は殆どの人が思っているよりも短い周期で上下していて、それにより東日本と西日本の作物の収穫量が大きく変動し、故に東側が豊かになったり、西側が豊かになったりし、人の移動と政治の中心が東に行ったり西に行ったりすると。
現代の日本人は食料が余りある環境で生活していて、歴史的には飢饉が頻繁に起こっていたことを忘れてしまってる感じがします。
食うに困るから乱を起こし、戦を起こす。
その観点からの解説は、非常に納得のいくことばかりです。

2017年12月6日水曜日

徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪 / 小川榮太郎



北朝鮮のミサイルが飛んできている間も、そちらは無視して、阿倍首相への個人攻撃に終始する朝日新聞の「報道犯罪」を暴いた本です。
朝日新聞は著者を名誉毀損で訴えるようですが、裁判になったら如何に出鱈目で嘘だらけの紙面を作っているかが明らかにされるだけなのにね。
戦後の朝日新聞は、北朝鮮と中国の共産党のシンパでスパイとしか思えないことばかりやらかしてくれています。

ちょっと調べれば、森友問題は、瓦礫だらけでまともに使えない土地を欺して売りつけようとした財務相近畿局の役人が、瑕疵物件がばれて詐欺で訴えられるのを避けるために大幅値引きしただけだし。
#そういう意味では、事件性があるのは瑕疵物件を素知らぬ顔で売りつけようとした役人と、そもそもきちんと整備せずに瓦礫を埋め立てた航空局の誰かにあるんだが、誰もそのことには触れようとしてない。
加計問題も、既得権を守ろうとする獣医学会と、そこを天下り先としている文部省が結託して新規参入を阻んでいることが問題なのだけど、天下り先の既得権を守る行政こそ違法ではないのかね?

獣医学科新設の前に、医学部新設が42年振りに認められたのに関しては、大手報道各社は問題にしていないのですが、何故かというとその大学には文科省の天下りと日経・読売・朝日新聞各社の方々が再就職されているんですね。
こちらの方がよっぽど問題のはず(大学への補助金が籍だけ置いて仕事をしていない人達の高給になっている)のなんですけど、当然報道各社は知らんぷりですね。
加計学園も、文科省と報道各社のOB再就職を受け入れいていれば、申請を15回も撥ね付けられるようなことはなかったんでしょうけどね。

ちなみに最新、新聞各社は記事の著作権を主張するようになってきていますが、そもそも著作権法では「報道記事は事実を述べただけのものなので、著作権はない」ことになっています。
著作権を守るためという主張は、記事は全て記者の独自の創作物で事実ではない、ということを自ら言っているってことですな。
まあ実際に朝日新聞の報道記事は、全くのフィクションですけどね。


2017年12月3日日曜日

国際法で読み解く戦後史の真実 文明の近代、野蛮な現代 / 倉山 満



「州法と連邦法と国際法の区別が付かないアメリカ合衆国」
「国際法を近いした上で破るロシア(ソビエト連邦)」
「そもそも法を理解できない中国(中共)」
「そもそも人の道を理解できない北朝鮮」
国際法というのがどういうものか理解できない連中が大国としてのさばるようになったせいで、戦争というルールに則った決闘から、何でもありの暴力に満ちた世界になってしまった。
韓国も中共同様にそもそも法というものを理解していない。
しかして日本の一般国民は、強制法である国内の明文法と、合意法であり不文法を含む国際法の違いを理解している人がほとんどいません。
国際法違反を行っても、被害者が加害者を軍事力と経済力で押さえ付けるだけの力を持っていなければ、誰も罰することができないのです。
国際法を破った国を、国際警察のような組織が押さえ込み、国際裁判所のような組織が国際法に基づいた裁判を行い判決を行い、国際警察のような組織が罰則の実行を強制する、と思い込んで&信じ込んでいる人が殆どのようですが、そんなのは日本人の「悪いことをしたら神様が罰を当てるぞ」という妄想以上にあり得ないことなのです。
日本人に必要なのは、国際法となにかをキチンと理解し、それを上手く利用して世界に訴えかけることなのです。

とはいえ、そもそも法を理解できず、国際法の意味も分からない半島国家と大陸国家には、国際法に基づいた説得なんて無理ですけどね。
力で押さえ付ける以外のやり方を知らない野蛮人なんだし。

2017年11月29日水曜日

和僑 / 楡周平



プラチナタウン (祥伝社文庫)の続編です。
現代日本の抱える問題をどう解決するべきか。
楡氏の小説では、その問題を真剣に捉え、調査し、一つの現実的な案を提案されています。
これが単なる小説であることに留まるのは、非常に惜しいと思うのですが、官僚や政治家の人達は、忙しすぎてこういう小説を読む暇はないんでしょうかね?

華僑とユダヤは、どれくらい離れていても家族の繋がりはしっかりと保ち、何代経ても民族の風俗・習慣・言語を捨てません。
しかして日本人と朝鮮韓国人は、移民して2世になると言葉も片言、3世になると全く祖父母の母国語は話せなくなります。
根本的に何かが違うのでしょうけど、それゆえ和僑というアイデアは出ても、華僑のようにというわけにはなかなか行かないんですよね。

2017年11月28日火曜日

神の時空 貴船の沢鬼 / 高田崇史



「神の時空」シリーズの第三弾の文庫化です。
このシリーズが始まってから、物語の中では数日しか経っていないんですね。
1冊がほぼ一日の話。
展開が早いから、もっと長い時間が経っているように思えますが、思い返せば確かにそのくらいの刻を経ていない。

京都市の北東部の山中にある貴船(きふね)神社が舞台です。
一度、横を通った(叡山電鉄の鞍馬駅から山を登って降りると貴船神社の入り口に辿り着く)ことがあるのですが、山を越えただけで体力を使い果たし、神社本殿への階段を登る気力が残っておらずそのまま帰ったため、お参りしたことはないのです。
貴船口で降りて舗装された道路を歩いて行けば、お参りする体力は温存できるでしょうけど、紅葉の季節に色付いた山の木々を撮影するとなると、そのコースでは絵になるものが撮れないんですよね。

で、貴船神社の由来とか祭神については何も知らなかったのですが、本編を読んでちょっと驚きです。
貴船神社が非常に古い創建で、平安京に遷都する遙か以前からあることは知っていたのですが。
秦氏が京都を拠点にして開墾整備したのを、天皇や上級貴族が取り上げて平安京を作り上げたという話を聞いたことはあるのですが、その秦氏が住み着くよりも前に国つ神の人びとが京都を拠点としていた可能性が高いってことですね。

2017年11月24日金曜日

續 信長私記 / 花村 萬月



信長私記 (講談社文庫)の続編です。
「續」は「続」の異字体ですが、わざわざ普段使わない方を題字に使用したのは何か意図があるのでしょうか。
内容から特にその必要性は読み取れませんでしたが。

続編も信長の独白形式で話が続きます。
信長の行動原理からすると、確かにこういう考え方をしていてもおかしくはないなという独白が、死の直前まで続いています。
並の人ではここまで徹底した考え方はできないですね。
それができたからこそ、もう一歩で天下を収める寸前まで行ったわけですが。

2017年11月22日水曜日

逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎 / 井沢 元彦



本書の前半1/3を費やして、延々と朝日新聞が如何に嘘だらけの記事で読者を洗脳しようとしている卑劣な報道機関(出鱈目な記事しか掲載していないから「報道」とはとても言えないですが)であるかを述べられています。
日本のマスコミは、今では「マスゴミ」と呼ばれるくらい、虚偽と虚報だらけなのですが、特に朝日新聞はここで紹介されている従軍慰安婦強制徴用の記事だけではなく、日常的な記事も事実のように見せ掛けた記者も思い込みと妄想だらけです。
文章をキチンと読めば記者が勝手な想像を書いているだけだと分かるはずなのですが、朝日新聞の読者はそれを見抜くだけの文書読解力がないんでしょうかね?

何年か毎に日本企業の不正が明るみに出ますが、日本の村社会は正しいことをするよりその場しのぎの誤魔化しの方を好みます。
正しいことを指摘してキチンとした対処を望む奴は、「和」を乱す奴と嫌われ排除されます。
だから自浄することができず、何十年にも及ぶ不正が正されないまま、その企業の慣習として続いてしまう。
いつになったら日本人は、村社会の「和」の呪縛と儒教の呪いから逃れることができるんでしょうね?

2017年11月19日日曜日

核DNA解析でたどる 日本人の源流 / 斎藤 成也



最新のDNA解析手法により、現代日本人を中心として東アジア各国の人のDNA、遺跡から発掘された骨や歯から採取した縄文時代の列島人のDNAなどを解析し、比較した研究結果を詳細に報告されたものです。
しかし縄文人がどこから来たのかは、謎か深まるばかりで、よく判らないというのが結論のようです。
まだ東北、関東の縄文人のDNAしか採取されておらず、関西圏から西の縄文人については、これからの研究課題だそうですが。

以前読んだ書籍では、アイヌ人は縄文人とは関係ない人種という話でしたが、本書ではアイヌ人が東北縄文人のDNAを一番濃く受け継いでいるということです。
アイヌ人と琉球人の近縁性は、本書でも指摘されており、日本人というのが様々な人種が混血した独特なモザイク状的なDNAであることは確かみたいです。
が、ではどういう人種が何処から日本列島に流れ着いて住み着いたのか?となると、それもよく判らないみたいですね。
近隣諸国の人達と共通するDNAもあれば、全く共通しないDNAもあり、それはかなり遠く離れた場所の人種と共通だったりして。
まだまだこれからドンドン進歩していく分野ですので、10年後には本書の結論がひっくり返っている可能性もなきにしもあらずなので、今後の動向に注目しましょう。

2017年11月15日水曜日

北のジョーカー 冷たい狂犬 / 渡辺 裕之



冷たい狂犬シリーズ第3弾です。
今回は北朝鮮の暗殺者達との戦い。
今回もスピーディーなストーリー展開で、あっという間に読み終わってしまいました。
北朝鮮の重大な秘密とは何か?
もちろん、それは読んでのお楽しみ!

2017年11月14日火曜日

信長私記 / 花村 萬月



花村氏は有名な小説家だと思うのですが、何故か今まで読む機会がなかったのですよね。
今回初めて読むことになりましたが、成る程売れっ子作家だけのことはあって、話の持って行き方が非常に巧みだなと感じました。

織田信長の生涯を、本人の独白形式で描いているのですが、非常に納得のいく内容になっています。
本巻は前半までで、後半として続があるそうなので、今調べたら既に文庫本で出ているんですね。
というか同時に文庫化されて発売になってるのか…。

2017年11月9日木曜日

DNAの98%は謎 生命の鍵を握る「非コードDNA」とは何か / 小林 武彦



我々の身体を形作る設計図と言われているDNAですが、その殆どがジャンク(ごみ)と呼ばれていて役に立たないものと思われていました。
しかしそのジャンクにこそ、生命を生み出す秘密がありそうだということが、近年の研究で分かってきています。
本書はその最新のDNA研究の成果の一端を説明してくれています。

しかし…非コードDNAの働きは複雑で、正直イマイチどうしてそういうことになっているのか理解しかねます。
今まで役に立つと思われていたコードDNAは、謂わば部品の設計図面に過ぎず、非コードDNAはその部品の組み立て手順書という感じでしょうか。
更に非コードDNA部分は、実はコードDNAが分散されて隠されているそうで、その組み合わせで様々な部品を作れるようになっているっぽいです。

無駄だらけと思われていた物が、実はほとんど無駄がない精密なものだったということなんでしょうね。

2017年11月8日水曜日

よみがえる古代の港: 古地形を復元する / 石村 智



古代の地形を復元とタイトルにあったので、単に海水位を上げただけではない、地質調査に基づいた地形復元をしているのかと期待しましたが、単純に海水位を古代の水位に上げただけのようです。
最新の地図ソフトを使って解析されているので、まだマシではありますが。
それでも古代の港の位置と、周りの地形の復元は、かなり精度よくできているようで、遣唐使船のような吃水の深い船が登場するまでは、ラグーンになっている場所が港として好まれていた状況が再現されています。

古代の船に関する記述も興味深かったのですが、如何せん、丸木船や筏船は遺跡として残りにくい上に、残っていても建造物としての形を保っておらず船とは分からないそうなので、推測でしか語れないのが残念ですね。
それにしても、日本列島周辺にある島々の遺跡から、縄文時代から船による行き来があったことは確かなのですが、その時代に造ることができたであろう丸木舟や筏船で、あれだけの距離をどうやって走破できたのか、不思議で仕方がないです。
しかも犬や猪を船に乗せて連れて行っているそうなのですが、食料も載せることを考えると、かなり大きな船でなければ行くことは無理ですし。
どう考えても、縄文時代には、現代人が創造できない特殊な技術で大型の船を建造していたとしか思えないです。

2017年11月3日金曜日

龍馬は生きていた / 加来 耕三



加来氏の小説は久しぶりに読みました。
本作は改変されたと思われる明治維新の歴史を、本当の歴史に復元するという実験小説だそうです。
しかし、実際のところ、今我々が史実と信じ込まされている歴史は、妙なところがあって、素直に実際に会ったこととは信じられないことも事実なんですよ。
最初の方は説明が多くて読みづらい部分があって、なかなか読み進まなかったのですが、中盤からは状況が理解できて、面白く読んでいけました。

Walk The Earth / EUROPE



再結成されてから、コンスタントにアルバムをリリースしていますね。
本作も今にもEUROPEらしい楽曲が並んでいます。
John Norrumの曲は少ないですが。
今回は最近流行のスタジオライブ式の録音方式を取ったそうで、更にOLD SCOOLなサウンドを求めて、Abbey Road Studios(Beatlesの後期の録音は全てここで行われた)で録音したそうです。
メンバーが同時に演奏することでグルーヴ感を出すのが目的なのですが、別々に録音するのに比べて製作期間が短縮できるのも利点ですね。

2017年10月29日日曜日

ブレードランナー2049

ブレードランナー2049

上映時間163分の大作。
本編開始前の予告とか合わせると2時間50分になるので、トイレを我慢するのが大変でした。
最後のエンドロールが始まったところで、我慢できなくって途中退場してしまいました(苦笑

バーチャル・恋人のJOY役のアナさん、とってもキュートでございます。
レプリカントが人恋しさに、バーチャルな恋人を購入して、毎晩仕事の辛さを慰めて貰うという設定が、ちょっと怖いものがありますが。

SONYの製作だからなんでしょうけど、劇中でSONYの広告とか(今あるのではなく、未来−劇中では過去だけどーの)製品が出て来るのが、ちょっと気になりました。
プジョーの広告も一回登場したけど、SONYとプジョーってなんか関係あるのかな?
ブレードランナーの愛車には特にどこのメーカーのブランドマークも付いてなかったけど。

撮影はARRIの機材を使っているそうです。
ということはレンズはZEISSなんだけど、色収差が気になる箇所が少しあって、シネレンズだとZeissでもまだ色収差が残っているのがあるのか、カメラマンが古いArri-Zeissのレンズを好んで使っているのか…。

信長の二十四時間 / 富樫 倫太郎



単行本で発刊されたものから大幅に加筆訂正されて文庫化されているそうです。
富樫氏の小説は初めてなのですが、文章が非常に読みやすく、情景がスッと頭に浮かんでくる描写力は素晴らしいですね。
ページ数の多い分厚い本なのにも関わらず、あっという間に読み終えてしまいました。
タイトルに「二十四時間」とあるのは、米国テレビ番組「24」の手法を取り入れたからと解説にありますが、事件の前後24時間だけを描いているわけでもなくて、全三章構成の内、第一章はそこへ至るまでの数年分くらいが描かれています。

ここで描かれている、本能寺の変の黒幕については、前にちらと聞いたことがあるのですが、しっかりとした時系列で小説化して、真実味を与えているのは他になかったと思います。
実際、惟任日向の守が何故にああいう行動に出たのか、未だに誰も答えを出せないことを考えると、濡れ衣を着せられたというのが一番真実味があるんですよね。

2017年10月28日土曜日

日本が世界に尊敬される理由は明治維新にあった/ 黄 文雄



明治維新150周年なんだそうで、そのため明治維新についての書籍が一杯発刊されています。
否定派、賞賛派に分かれて、賛否両論という感じです。
まあ否定して、幕藩体制が続いた方がよかったなど後ろ向きなこと言っても今更どうしようもないのですけど。
本書は、日本統治下時代の台湾で生まれた黄氏による、明治政府への賛美です。
確かに日本が日露戦争、日清戦争により、東アジアだけではなくトルコなどの西アジアにまで与えた影響は多大なものがあります。
(トルコにはトーゴーという名前の人が多いそうなのですが、日露戦争でバルチック艦隊に勝利した東郷閣下に肖ってのことなんそうで)
韓国が日本統治時代を最悪の植民地支配と言いますが、植民地で初等教育から大学教育まで施すかよ。
まあ歴史の殆どが大陸国家の(植民地同然の)属国で、植民地を持ったことのない国には分からないんでしょうけど。

「日本人にできたのだから、我々(シナ人や朝鮮人)ならもっと上手くできるはずだ」という思い込みを、黄氏はしっかりと否定されています。
今の中共政府や朝鮮政府、韓国政府をみれば、明らかですけどね。

2017年10月24日火曜日

古代の技術を知れば、『日本書紀』の謎が解ける / 長野 正孝



古代史の謎は「海路」で解ける (PHP新書)の著者、長野氏の三作目です。
「海路」で解けるは面白いと思ったのですが、続く古代史の謎は「鉄」で解ける (PHP新書)は、うーんそうかなぁ?という箇所が結構あり、本作に至っては、いやいやいくらなんでもそれはそれは違うでしょ、と言いたくなるような内容が多くなっています。
同意できる部分もあるのですが、「空を飛ぶ神なんてあり得ないから、神武天皇は嘘」と切り捨てたりするのは、いくらなんでも短絡的で「技術者」的ではないと思います。
空を翔る「天磐船」なぞあり得ない、というのは今の科学的な見解でしょうけど、日本書記と古事記が書かれた時代に、空を飛ぶ船(しかも岩でできた船)を空想で書けるのか?嘘を付くならもっとそれらしい嘘を付くんじゃないのか?と思うんですよね。
天照大神がニギギの命に三種の神器を下賜するときに「この鏡を我と思い、毎夕にその日にあったことを余さずに、鏡に向かって語れ」というシーンがあるんですが、これを読んだ時には、テレビ電話式の通信機を渡して毎日定時報告を行え、と命令しているシーンしか頭に浮かばなかったんですが、5世紀の人が空想でこういうことを書けますか?
こんなのあの時代にあり得ないから嘘!と切り捨てるのは、あまりにも想像力がなさ過ぎると思います。

更に、日本書記にしろ古事記にしろ「一書に曰く」と異説をいくつも併記しています。
嘘を付くなら、異説をいくつも並べる必要はないでしょうし、しかも実は日本書紀も古事記も、本文だけを追うとさっぱり筋が通らない−というか話が一続きにならないんですよね。
先の天照大神がニギギの命に天孫降臨を命じた箇所は、実は本文ではなく3つめくらいの一書に曰くにある話で、本文だけ追うと天照大神は皇祖神ではなくなるんです。
嘘を書くのにそんな書き方はしないでしょ。

別の箇所で、国産みの神話で丹後地方が出て来ないのは何故か?というのに対して、丹後の研究者の方が「国産みをしたのが丹後だから」と答えておられます。
要するにオノコロ島が丹後であるということらしいですが、そういう説は今回初めて聞きました。
天橋立が天から地上へ降りる階段だから、というのが理由の一つだそうですが…天磐船は嘘だけど、天橋立は真実なんでしょうかね?

海路の説明についても、当時の海の水位が今より高かったことを書かれているのですが、なのに現代の海流や気候を前提にして説を進められています。
水位が違うということは、地球の平均気温が違うということで、つまりは気候も違えば海流も違うということになると思うのですよね。
なので、今は冬に荒れて手こぎ船では渡れない玄界灘ですが、当時は果たしてどうだったんでしょうか?
瀬戸内海と今は海流の変化が激しいですが、当時はどうだったんでしょうか?
古代の水位が高いときの海岸線を再現した資料は一杯ありますが、当時の気候や海流を再現した資料がないので、しかとは言えないのですが。


2017年10月22日日曜日

アトミックブロンド

アトミックブロンド公式サイト

シャーリーズ・セローンさんが、久々に派手なアクションを撃ち嚼ましてくれるということで、観に行きました。
シャーリーズさんを知ったのは、SFアクション映画イーオン・フラックスなのですが、その後の主演映画は、セクシーなシーンが主体でアクションがある映画は少なかったと思います。

演出家の好みなのか、銃を扱うシーンでは見事な技を魅せてくれているのですが、格闘シーンでは泥臭い動きで、やってやられて傷だらけになるという、この時代の英国諜報部員の格闘技スキルってこんなに低いのか?と思わされました。
まあ映画的には、シャーリーズさんが相手の男にやられて傷だらけになりながらも間一髪で倒す、という方がいいんでしょうけど。
それと、シャーリーズさんは元々のEnglish native speakerではないんですが、英国諜報部員の英語にしてはBritish accentが弱めで米国英語ぽいのは、単に普段ハリウッドで生活しているから英国訛りのある話し方は上手くないのかな?と思いながら観ていたんですが、最後の最後の落ちからすると、実はそこも計算した演技なのかも知れません。
それにつけても、40代とは思えない肌とプロポーションの美しさは、流石ハリウッドのトップ女優という感じですね。
ハリウッドには、女優をいつまでも若々しく保つ秘術でもあるんでしょうかね?

バーリー・シール アメリカをはめた男

バーリー・シール公式サイト

トム・クルーズ主演映画に外れなし、ということで観てきました。
実在の人物を描いたものだそうですが、副題の「アメリカをはめた男」とあるんですが、映画を観た感じでは「アメリカ政府に利用された男」という方が正解なんじゃないかと思います。
非合法なブツを中米各国とアメリカ合衆国との間で運びまくって、莫大な運送料を稼いでいるんですが、映画では自分や家族の贅沢のために使っていることはあまりないんですよね。
ロンダリングして(所謂、資金洗浄ってやつ)使えるようにする暇がないとかで、家中札束だらけになっているんだけど、行き来している国々に家買って女囲うこともせず、奥さんと子供一筋。
家も改装はしているけど、派手な豪邸を建てているわけでもない。
運ぶブツが増えたために飛行機を買い足して人を雇っていると、街にロンダリング用の会社作って地元の雇用を行ったり、街の子供達のために野球場造ったりと、街のために金を使っているのが、目立つくらい。
なので、上手くCIAと麻薬組織に利用されただけの、腕自慢のパイロットという感じです。
最後は米国政府に上手く使い捨てにされて、組織に始末されてますが、あの判決(ごく軽い懲罰だけで普通に生活できる処置)も、組織が始末しやすいようにという政府からの指示ではないかという気がします。
本人もそれを分かっていたから、告発のビデオテープを大量に撮っておいたんでしょうね。(そのテープがこの映画の元になっているわけで)
米国政府という組織は、「正義のため」というお題目で、犯罪行為を平気で冒すんだなということが、よく理解できる映画です。

2017年10月21日土曜日

明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト / 原田 伊織



明治維新というのは、天皇による統治の復権を謳いながら、実際には長州と薩摩によるテロリズムによる日本の乗っ取りということですね。
大東亜戦争後にGHQによる日本人の洗脳が行われましたが、明治維新後も長州と薩摩による日本人の洗脳が行われ、その洗脳から未だに日本人は逃れられていないというか気が付いていない。
大日本帝国陸軍というのは、長州の奇兵隊が元になっており、対して海軍は薩摩藩士が元になっています。
そのため、長州閥の陸軍と薩摩閥の海軍は、大変仲が悪く、功績争いをしていたために、関東軍は満洲から遼東半島を攻めに掛かり、海軍は真珠湾を攻撃したんですよね。
今の政治も、実は根深いところでは長州閥と薩摩閥の争いが行われているらしくて、山口県(つまりは長州藩)出身の安倍首相がなんだかんだとスキャンダルを追求されるのも、薩摩閥の仕掛けなんでしょうか。

著者は明治維新など起こさずに、徳川幕府がそのまま近代化した方がよかったという説を唱えられています。
明治維新がなければ、長州と薩摩のテロリスト達が日本を支配下に置くこともなく、利権と権力争いに明け暮れる陸軍と海軍にはならず、よって日露戦争、日清戦争、大東亜戦争も起こすことはなかったはずだと。
確かにそれはそうですが、江戸幕府が存続していた場合、氏が全く政治能力ゼロと評価する徳川慶喜が中心となった新政府が発足していたことになり、対西洋諸国との交渉と対立で日本が植民地化されていた可能性の方が高いと思うのですが。

2017年10月17日火曜日

日朝古代史 噓と恨の原点 (別冊宝島 2614)



編者の方はかなり今の韓国の反日に腹を立てているようで、かなりきつい調子で朝鮮の歴史を書かれています。
まあ、今の韓国政府の酷さを考えたら仕方ないでしょうし、韓国朝鮮が古代からずっと先進的で品格高い国と勘違いしている日本人に、本当の朝鮮半島の歴史を説明して理解させようとすると、こうなってしまうんでしょうね。
朝鮮半島の支配者は、これまでに何回か入れ替わっているのですが、それにも関わらず嘘と恨の性質はずっと古代から変わっておらず、血とかDNAとかではなく、あの土地に人を狂わせる何かがあるんじゃないかと思ってしまいます。
5000年前から1万年前に掛けて、半島には人が住んでいた痕跡がきれいさっぱりとないそうなのですが、その頃に人が住めないような何かがあったかどうかは不明で、その原因を誰も調べようとしないのは何故なんでしょうね?

2017年10月16日月曜日

Raging Out / OUTRAGE



デビュー30周年を記念してというわけでもないでしょうが、前作から4年振りで12枚目のスタジオ盤がリリースされました。
Vo NAOKI(名字なしのクレジットになっていますが…いつからかな?)氏が復帰されてから、ライブ活動も精力的に行い、アルバムもコンスタントにリリースされており、絶頂期のような活動をされています。
本作もこれまで以上にHardでHeavyなサウンドと、素晴らしいメロディの組み合わせで、OUTRAGEの真骨頂が遺憾なく発揮されています。
ベースの安井氏による楽曲が多いのですが、そのせいかベースソロがあったり、ベースが目立つミックスがされていたりします。
ベースの音がこれまでのアルバムに比べて、かなりゴリゴリなサウンドになっています。
全体的にミックスが、あまりリバーブを効かせず生々しい音に仕上がっており、この辺りも今までとはちょっと趣向が変わっていると思います。
ヘッドフォンで聴くと、耳の直ぐ側にギターアンプ、ベースアンプのスピーカーが置かれているような感じです。

ドラムとヴォーカルは、体力的に年齢による衰えが(特にこういうタイプのバンドでは)出やすいと思うのですが、デビューの頃のアグレッシブさを微塵も失っていないのは凄いことだと思います。
DVD付きのデラックス・エディションが、CDだけの通常版と50円も変わらない価格でAmazonで販売されていたので、デラックス・エディションの方を購入したのですが、DVDに収められているライブを観ると、ライブでこれだけの歌声が出せるのかという驚きと、丹下氏のドラムのうねりに圧倒されます。

日本でも素晴らしいHR/HMバンドは多いですが、OUTRAGEは正にHeavy Metalというサウンドと楽曲だと思います。
要するに、Heavy Metalが好きなら、OUTRAGEのアルバムは全部聴け!ということですな。

2017年10月12日木曜日

利休の闇 / 加藤 廣



利休居士こと千宗易が、何故に豊臣秀吉の勘気を被り、処刑されることになったのか。
今でも謎とされています。
本作の説は、かなり説得力があると思います。

当時の茶会の記録を丁寧に読み興し、そこから当時の事実を掘り起こし、本作は書かれています。
かなりの苦労作と後書きにありますが、実際読んでいても、これだけの記録を丹念によく追えたなと思います。

ただ一点、本筋とは無関係なのですが、最初の方に「そこからメシ盛り椀を古くから茶碗といった。」という一説があるのですが…飯椀を茶碗と呼ぶのが古くからというのは??でして。
今の時代に一般的に単に茶碗というと「飯茶碗」を指します。
煎じ茶を飲むのは湯飲みですが、正式には「湯飲み茶碗」と呼びます。
ご飯を食べる椀を「茶碗」というのを、以前から不思議に思っていたのですが、陶器のことを「茶碗」というのでは?ということに気が付いて、自分的にはそれで一見落着していたのですが、この記述を読んで???となっています。
入れ物を指す「椀」という字も、木偏と石偏の「碗」とあるのですが、「椀」は昔ながらの木を削り漆塗したもので、「碗」は釉薬を掛けた焼き物になります。
日本で陶器が一般に普及し、茶道で使用する茶碗以外にも使われるようになったのは、江戸時代になってからのはずなので、氏の説には納得がいかないんですよね。

もう一つ気になったのが、金貼りの茶室の件です。
こちらは氏のおっしゃるとおりかと思いますが、現代の電気照明がたっぷりとある環境に慣れていると理解しにくいですが、当時の上流階級が済む屋敷は、昼間でも奥へ行くと結構暗いです。
ましてや夜に蝋燭や行灯による照明というのも、かなり暗いです。
その暗い中で観る黄金の茶室というのは、明るい場所で観るのと全く感じが異なり、今の感覚でキラキラの成金趣味と思われているのは、現代人の誤った先入観ですね。
当時、禁中などでも金屏風が使われていますが、そちらは何故か成金趣味とは言われませんしね。

2017年10月10日火曜日

世界一非常識な日本国憲法 / 長尾 一紘



ケント氏の著書で、日本の憲法研究家というのは現行憲法の文面の研究家で、世界の憲法を研究している人はいない、というようなことを言われていました。
本書で批判の対象になっている、憲法研究者(故人)はその時の権力に阿る発言で、戦前と戦中、戦直後、戦後と言を左右する方だそうですが、何故か今の日本ではその方の提言(というか読んでいても、ほとんど妄言としか思えない酷さなのですが)が主流派になっているそうです。
現行憲法の改憲反対派(所謂、護憲派)というのは、なんというか、GHQとマッカーサーが神様で、その神様の作った現行憲法は人が勝手に変えてはならない聖書扱いしているんですよね。
憲法というのは、その国の成り立ちと歴史によって成立するものなのですが、それすら知らないのか?と疑問に思います。
そもそも日本の歴史をちゃんと勉強したのか?というような的外れなことばかり。
いつも思うのですが、護憲派の人達は、共産主義国家のスパイとしか思えないです。

2017年10月5日木曜日

驕奢の宴 信濃戦雲録 第三部 / 井沢元彦





一部と二部から、かなり時を空けて、やっと第三部が文庫本で登場しました。
一部と二部が2007年に続けて発刊されて、それから10年の間が空きました。
なので、一部と二部がどんな話だったか、ほとんど忘れてしまっていますな(苦笑)
上巻では、一部と二部で活躍した望月誠之助が主人公ですが、下巻では息子の小太郎が主人公になっています。
上巻と下巻では、それだけ物語上の刻が流れているということですね。
三部も綿密な資料に基づいて、極めて史実に近い形で描かれていると思われます。

2017年9月28日木曜日

重力波で見える宇宙のはじまり 「時空のゆがみ」から宇宙進化を探る / ピエール・ビネトリュイ



重力波と宇宙創成について、分かりやすく解説されています。
慣性質量が発生する元である「ヒッグス場」について、「場」なら重力場や電磁場みたいに場所によって「力」が変わるんじゃね?と不思議に思っていたのですが、重力場や電磁場はベクトル場で力の方向があるから場所によって力も変わるけど、ヒッグス場はスカラー場で方向がないから宇宙全体が均一な場でよいんだそうです。
スカラー場だと何故均一になるのかの詳細な説明はなくて、なんとなく煙に巻かれた気もしますが…。

他にも色々と興味深い話を分かりやすく解説されており、重力波とかヒッグス場とかブラックホールに興味がある方にはお薦めです。

2017年9月24日日曜日

スクランブル

スクランブル公式サイト

歴史的な名車が一杯出ているというので、観に行きました。
Bugatti Type 57SC Atlanticなんていう至宝が、ガンガン走りまくってるのを観て驚きましたが、公式サイトによると撮影用に制作したレプリカだそうです。
後、250 GTOがリプロダクション製品の他は、全て本物だそうで、それだけでも観る価値は(カーマニアなら)充分にありますよ。

ストーリーもよくできていて、面白かったです。

それにつけても、あんなよくできたレプリカができるなら、充分に発売して商売になりそうな気もするが。

エイリアン コヴェナント

エイリアン コヴェナント公式サイト

この前に「プロメテウス」というのが、エイリアンシリーズとして上映されていたのですが、そちらはタイトルからエイリアンだとは分からなくて(実際日本ではそういう人が多かったらしくて、今回はタイトルにエイリアンが付けられたそうで)観ていないのです。
ストーリーからすると、「プロメテウス」を観てからの方が、今回のストーリーは理解しやすいみたいですので、まだコヴェナントを観ていない方は「プロメテウス」を観てから行かれることをお薦めします。

プロメテウスと今回のは、オリジナルのエイリアンよりも過去の物語になります。
エイリアンシリーズ1〜4までの、いつどこから出てくるか的なドキドキ感があんまりなくて、割とあっさりとストーリーが展開されてますね。

2017年9月21日木曜日

女系図でみる驚きの日本史 / 大塚 ひかり



女系の家系図で歴史を語られていて、他の歴史家とは異なった視点からの解説は非常に面白かったです。
古代では女性の地位や財産権というのが保証されていて、世間への影響力が強かったのですが、平安後期辺りから段々と弱くなり、室町時代くらいになると女性の地位が疎かにされるようになった、というのが大まかなお説だと思います。
これはまさしくその通りだと思います。

ただ系図を女系でということでしたが、実際掲載されているのは男女混じりになっているのが、ちょっと中途半端に感じました。
まあ、昔は女性の本名は秘すものですし、通称でも記録に残ることが少なく、母親が誰か不明な場合も多いので仕方ないのでしょうね。
また平安時代の貴族における、乱れた性関係をはっきりと書いた人も、あまりいないのですが、著者はしっかりと書かれています。
平安時代を真面目に理解しようと思ったら、この問題は避けて通れないのですが、世の中の真面目な学者さん達はこの問題は無視なんですよね。

2017年9月20日水曜日

【くるまのおと】MotorFan Illustrated Vol.132 にて  SKYACTIVE-X の特集



SKYACTIVE-Xの正式発表があってから、それ程間がないのによくこれだけの特集記事を書けたなと不思議に思います。
主にSPCCIについての解説ですが、独逸での試乗会に使われた時期アクセラのシャーシ(に現行アクセラの皮を被せてたらしい)の解説もあります。
ネットニュースでは、このアクセラのリアサスペンションが、現行のマルチリンクではなく、現行デミオと同じトーションビームにしているとあったのですが、本書では触れられていませんでした。
主にマツダの特許資料からの推測が多く、詳細は不明で推測の部分が多いのですが、SPCCIに興味がある方には参考になると思います。

2017年9月18日月曜日

公正的戦闘規範 / 藤井 太洋



藤井氏のデビューから最新の短編5編を集めた短編集です。
商業デビューが2013年なので、プロの作家としての経歴はまだ4年にしかならないのですが、2015年に日本SF作家クラブ会長に就任されたそうで。
それだけ、藤井氏の作品は、今の日本SF界に取っては衝撃的だったということですね。
現実がSFを超え始めている現在では、本格SFを執筆するには最新量子力学、宇宙物理学のような科学的知識が豊富に必要なだけではなく、ソフトウェアについても相当の知識が必要です。
それだけ知識を持っていて、かつ小説の構成、企画をきっちりとできて、読みやすく分かりやすい文章を書く、というのは並大抵のことではなくなっています。

5編の短編はどれも秀作で、アイデアといい内容といい、優れたSF作品になっています。
5編に共通しているのは、どれも突拍子もない仮説によるものではなく、もうすぐそこに来ている未来を描いていることです。
SFというよりは、近未来予想を小説で説明しているという方が近いかもしれません。

2017年9月14日木曜日

機巧のイヴ / 乾 緑郎



ここのところ気が滅入るような現実を見せつけられるような書籍ばかり読んでいたので、ちゃん愉しめる小説は久しぶりな気がします。
江戸時代の日本に似た、しかし別の世界か別の時代が舞台です。
日本版サイバーパンクとでもいえばいいのか、レトロ・フューチャーとでもいえばいいのか。
最近話題のAIが自我に目覚めるか?というのにも共通するものがあります。
短編集ですが、一連の続き物で、最初から順序よく読まないと最後が理解できません。
基本となるアイデアも、ストーリーの運び方もよくできていて、愉しめました。
文章も読みやすいので、あっという間に読み終わってしまいました。
この方の小説は初めてなのですが、他の作品も読みたいと思わせる魅力を持っています。

2017年9月12日火曜日

韓国人による末韓論 / シンシアリー



シンシアリー氏が日本に移住してからの最初の著書になります。
これが上梓されてからも、韓国とその周辺の情勢は休みなく動いていますが、概ね書かれている通りに韓国政府は動きつつあります。
韓国では立法に関係なくデモを行ってひたすら政府に文句を言い続けると、それが正しく違法なことでも合法同然になるという習性?習慣?があるのですが、その根拠が憲法前文にあるんだそうで。
立法よりも民衆の感情の方が優先されるというのは、近代民主国家では考えられないことなのですが、韓国ではそれが正統なんだそうで。
これだと法なんかないも同然ですよね。
そんなんだから、国際法も国際条約も平気で破棄したり破ったりできるわけですな。

アメリカ人の一部は、すでに80年代に韓国には民主主義は根付かないと看破していた人がいるようなのですが、それなりに経済発展をし、教育制度や政治制度の整った国で、まさかそんなことはないだろうと、その人達の提言は無視されていたそうです。
北朝鮮もどうしようもない国ですが、韓国もどうしようもない国であることを、当の韓国人が説明しなければならない苦しみと悲しみは如何ばかりなものなのか。

最近、日本でもデモで政治を変えようとする人達が増えてますが、日本は紛う事なき民主主義国なので、一部のゴリ押しが通用することはありません。
変えたいなら、選挙でキチンと投票する、議員に立候補して議会で法案を通す、しか道はありません。
騒いで自己の欲求を通そうというのは、朝鮮式で、立憲君主主義の先進国にはない思想です。

2017年9月11日月曜日

大間違いの太平洋戦争 / 倉山 満



そもそも「太平洋戦争」という呼び名が間違いだそうで、正しくは「大東亜戦争」だそうです。
確かに「太平洋戦争」などと呼称するから、大日本帝国が戦った相手はアメリカ合衆国だけのような気になるので、そういう意味では正しくないですよね。
いつも書くことですが、日本人には「戦略」というものを理解できない人がほとんどで、大東亜戦争を引き起こした当時の政治家や軍上層部にも「戦略」というものは一切なかったようです。
でも現場の軍人は恐ろしく優秀で強かったので、戦略がなくとも、初戦は全戦全勝が続きました。
勝ってしまうから、余計に上層部が調子扱いて無茶苦茶な作戦を続けることになるんですよね。
#今の日本企業も全く同じ状況で、それ故経営者の不正やら失策やらで、日本全体が大変なことになってるわけですが。
戦争とは外交手段の一つなので、始めるときよりも、如何にして終わらせるか、終わらせた後をどうするか、という見通しを持っていないと、戦って勝っても意味がないのです。
が、これもいつも書くことですが、日本人は手段と目的が簡単に入れ替わり、入れ替わったことすら気づかないので、戦争すること自体が目的になってしまってます。
本来なら、勝って当然の戦争を負けてしまったのですから、当時の軍上層部の無能不能振りはいくら弾劾しても足りないでしょう。
それが巡りに巡って、北朝鮮の問題、韓国の問題、中共の問題になってしまっていることを考えると…。

本書の後半の方で『今の歴史学者が「加賀は小物だ」とさんざん言っているということは、よほど重要人物だったということです。』という一説があるのですが、今の歴史学者という人達が、どれくらい無能(中共や半島政府の操り人形というべきか?)かということですね。
こういう連中が戦後の日本人の自信を奪い、やる気を奪い、国民を不幸にするために、学者として大学の研究費(つまりは我々が収めている税金)を無駄に消費しているか…考えるだけでも嫌になる、

2017年9月7日木曜日

大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実 / 高橋 洋一



氏は元財務相官僚だった方ですが、官僚の天下りを禁止する法案を立案し成立に尽力されたそうで、元官僚とは思えない方です。
森友学園、加計学園問題について、公開されている資料を元に、官僚が自分達の不備であることを隠すために、色々と言い訳していることを明らかにされています。
そもそもそういうことを、ちゃんと調べれば分かるのに、官僚の云うがままに記事にする大手新聞・テレビは「マスゴミ」と呼ばれても仕方ないですよ。
記者の知能レベルが低いのか、官僚べったりであると色々と得なことがあるのか…いずれにしても、今の日本のマスゴミの報道は、記者の思い込みと妄想から来るフィクションであり、最近流行の言葉であるところのフェイクニュースでしかないです。

天下りも禁止になってからも、あの手この手で抜け穴を探し、或いは無理矢理と穴を開けて、未だに実質的には減っていないようですね。
明治時代の大卒が貴重で、そういう貴重な人材が官から民、民から官と行き来していた頃は、天下りといってもちゃんとその知識と経験を活かして実務を行い、日本が西洋に追い付くために非常に役に立っていたのは間違いないです。
しかし今の世では、民間の実務を知らない官僚や役人が、民に下っても役には立たないんですよね。
よって名前だけの役員なり社員で、何もせずに給与だけを受け取る。
その給与の元は税金です。
つまりは国家予算を合法的に横領しているわけですよ。

いずれにしても、官僚の酷さを知りたい方は、ご一読を。

2017年9月5日火曜日

フォルクスワーゲンの闇 世界制覇の野望が招いた自動車帝国の陥穽 / ジャック・ユーイング



VWのディーゼルエンジンが、排ガス試験かどうかを判断して、試験の時だけNOxを低減するようにしていて、通常走行時にはNOxを出し放題にしていた問題をレポートしたものです。
結局のところ、儲けることに首脳陣が躍起になって、現場の技術者に無理を押し付けたと。
単純に言ってしまえばそうなるみたいですが、何か人ごとではないですよね。
サラリーマン技術者なら理解できると思いますが、どの会社でも経営陣と管理職は無理しか言わないし、まともな抗弁も一切聞いてくれません。
結局、どこかで誤魔化す以外に道は残されなくなるんですよ。
#まだ20代だったときに、工場長がいくら言っても理論的論理的な話を聞こうとせず、挙げ句の果ては全くの嘘の試験報告書を書かされたのは、今でも腹が立つし悔しいです。
とにかく人は皆、本当のことを云わず、その場しのぎの誤魔化ししかしないんですよね。
それがばれたらどうなるかなどは一切考えない。
黙ってればばれないからと。
でもそういう嘘は結局はいつかばれ、ばれたときのしっぺ返しはでかいのです。
VW特有の問題というよりは、資本主義の問題といってもいいくらい、資本主義の元の会社組織では普遍的に大なり小なり起こっていることです。
#三菱自動車のリコール隠しと燃費誤魔化し、タカタのエアバックリコール、トヨタのプリウスのブレーキ問題、その他その他。
こういう問題があっても、それを個人の問題に転嫁して、自分達がやっていることを見返しはしない。
ええ加減、気がつけよ。

2017年9月1日金曜日

大間違いの織田信長 / 倉山 満



何故か歴史学者とか歴史研究家という方々は、現代の自分達の感覚で、先入観たっぷりに歴史を語る方が多いです。
いやいや、当時はそんなの常識だからやって普通だよ、とか、今では常識でも当時は非常識極まりないんだよ、とか云いたくなるお説が多いのです。
それ故に、元新聞記者で小説家の井沢氏が逆説の日本史シリーズを書いたり、憲政研究家で政治評論家の倉山氏が歴史を読み解く「大間違い」とか「嘘だらけ」シリーズで歴史を語らないといけないんですね。

室町時代の解説書をシリーズで執筆されているところですが、室町時代を終わらせたと通説では云われている織田信長を解説します。
まあ通説とは如何に当てにならないかよく判ります。

始めの方でリーダーシップの話が出て来るのですが、その中で「号令」「命令」「訓令」の話があります。
部下にどのくらい権限を委譲するかの違いなのですが、これを分かってないというか、そもそも権限の委譲ということを知らない人が管理職や経営者になることが多いんですよね。
特に日本では。
それもあって、最近よく言われるブラック企業というのが、日本では多いんですな。
「お前に任せる」と丸投げしておいて「なんでそんなことを勝手にやったんだ!」と怒る人がほとんど。
勝手にやらずに、てめえのに一々指示を仰いでいたら、上手くいくもんもいかんわい!と返したくなることが、一体どれくらいあったか。
責任は押し付けるけど、権限は一切くれないのが多過ぎ。

まあ織田信長がリーダーとして、有能なのかと云われると、ちょっと微妙なところがあるんですが…何しろ最後は一番信頼していた直属の部下に殺されたわけなんで。
しかし、ここで説かれている信長は、企業を大きくするために必死に努力する中小企業経営者です。
幾度も危機を乗り越えながら、大企業になり、巨大企業へと導いていく経営者です。
最後に調子扱いて転けましたが、それまでは優秀な経営者なわけです。
詳しくは本書を読んで下さい。

2017年8月30日水曜日

Pebble去りて廉価な中華スマートウォッチ来る



Fitbit、本格スマートウォッチ「Ionic」と無線ヘッドフォン「Flyer」発売(ITMedia)

Fitbitが何のためにPebbleを買収したのか、全く以て不明なのですが、この記事からもPebbleのハードウェアもソフトウェアも使う気なし、ということは間違いないようです。
技術者が欲しかったのか、特許に欲しいものがあったのか、単にライバルをぶっ潰すために買収したのか。

それはさておき。
ePaperの表示乱れ現象が発生して、一度交換して貰ったPebbleですが、それもまた乱れが生ずるようになってきました。
Pebbleを使い始めて2年程になりますが、大画面のiPhoneを使ってると、普段はカバンに入れていることになり、そのため着電や着信、各種の通知が腕に来るのは非常に便利で、もうこれなしでは大画面スマートフォンは使えないです。
そのPebbleがダメになってきたので、通知だけしてくれればいいから、なんかええのんあらへんのかなぁ?と探していて、今回このi5 Plusというのを買ってみました。
中華製だと思うのですが、箱にも取説にも本体にも生産国表示がないので、よく判りません。
Amazonで通常2,000円なのですが、タイムセールで1,700円だったので、ダメ元で試しに買いました。

しかし、来た製品の造りを見ると、とてもそんな値段とは思えないくらい綺麗ですし、iPhoneにインストールするアプリもよくできています。
Bluetoothの接続もスムーズです。
iPhoneから離れて接続が切れても、近くに戻れば直ぐに接続が復帰します。
通知もちゃんと来て、送信元の名前と内容が表示されます。文字化けもほとんどありません。(絵文字は無理ですが)

電池も非常によく保ちます。
家にいるときは外して電源を切っているのですが、それでも毎日12時間以上使用して、2週間程経過した現在でも、電池残量85%とか表示されています。
この調子だと1ヶ月どころか2ヶ月保つかも知れません。
取説の公称は1週間ですけどね。

この値段でこれだけキチンと動いたら、文句がないどころが、絶賛してもいいくらいです。
スマートウォッチを体験してみたい方にはお薦めです。

言語学者が語る漢字文明論 / 田中 克彦



よく英語由来のカタカナ単語を持ち出す人がいれば、それに対して「ちゃんと日本語をしゃべれ!」と怒る人もいます。
でもそういう人達のいう日本語とは、やまと言葉ではなく漢語なんですけどね。
元々文字を持たないやまと言葉は、文字として漢字を取り入れた故に、大量の漢語が入り込んでおり、そのためにやまと言葉が破滅の道を辿っているとのお説です。
やまと言葉で済むことを、わざわざ難しい漢語で表現することが、古来から教養の高い人であるという風に信じられてきたからですね。
今でも英語やフランス語やその他の西欧語を操れる人は、周りから尊敬の念で見られるから、外国語を得意げに使うというのは、古代からの日本人の特性なのかも知れません。

にしても、正直な話、それで結局何をどうしろと?というのが読んだ後の感想です。
今の日本語(と北京語/広東語)の漢字熟語は、古来から大陸で使われて来たものは少なく、ほとんどは明治時代に日本人が西欧語の訳語として、大変な苦心をして編み出したものです。
それをやまと言葉で表現し直せるかというと、まず無理なんですよね。
代わりにカタカナで元の英語/仏語/独語を表記するとかしかないです。
でもそうなると却って読み難くなります。
(実際、昔のコンピューターの説明書などは、英単語をカタカナ表記しててにをは付けただけなの代物だったのですが、英語でそのまま読む方が楽なくらいでした)
まあやたら小難しい、云ってる本人もとても分かって云ってるとは思えない漢字熟語も多いですしね。

それはさておき、本書では韓国が漢字を捨てて訓民正音文字だけにしたことを、再三褒めておられます。
でも文字が読めるのと、文章を理解するのは全く別で、朝鮮語も元々漢語の同音異義語が大変多く、訓民正音文字だけでは意味が分からないことが増えているのです。
そのことは、日本語の文章を全部仮名文字だけで書いたらどうなるか、を考えれば分かりますよね?
もちろん氏も、その辺りは重々ご承知で、漢字を完全になくすには同音異義語が多過ぎる問題はちゃんと書かれています。
なので、できるだけやまと言葉で話し書くべきというお説なんでしょうけど。
で、その訓民正音文字が、日本統治下時代は禁止されていたとお書きになっています。
どこでそういう勘違いをなされたのか不明なのですが、こういう間違いをされると他の資料についての説明も、ついつい眉に唾つけたくなってしまうのですよね。

2017年8月29日火曜日

【Android】結局「オレオ」になったAndroid 8.0 次期XperiaやAQUOS端末にも朗報の理由

結局「オレオ」になったAndroid 8.0 次期XperiaやAQUOS端末にも朗報の理由(ITMedia)

Android 8.0が正式リリースされました。コードネームはOREOですが、Kitkatの時みたいにDroid君がパッケージにプリントされたOREOが発売されるかどうかは未定です。
この記事には出ていないですが(てか、11社を全部ちゃんと書いとけよ)、MOTOROLAもProject Trebleに加入しているそうです。
でも残念ながら、既存の端末ではAndroid 8.0にアップデートした後でも、このProject Trebleには非対応だそうなので、最新のOSをできるだけ早く使いたい方は、最初からAndroid 8.0がインストールされておりかつProject Treble対応の端末に買い換えるしかありません。

OREOでは、Picture in Pictureという機能が付くようです。アプリ表示中に別のアプリを子画面で表示が続けられるそうです。
また色々なディスプレイサイズに対応するために新しいレイアウトConstraintLayoutが追加されています。
ディスプレイの色空間も、これまでのsRGBだけではなく、AdobeRGBやPro Photo RGB, DCI-P3などに対応するようです。
私が興味を引いたのは、この3つですね。
特に前の2つは、これからOREO対応のアプリを作成するときには、対応が必須なので。

ワンダーウーマン

ワンダーウーマン公式サイト

日本では確かアニメでも実写でもテレビ番組が放映されたこともなかったし、映画も脇役として登場したことはあっても主役での登場は初めてですね。
主演女優がイスラエル人ということで、色々とあるみたいですが…。

ワンダーウーマンが生まれた背景説明の映画という感じです。
なので、ストーリーを語るとネタバレになるので、これ以上は言えません。

PanavisionとKODAKの組み合わせで撮影されたらしいのですが、戦闘シーンを含めてほとんどのシーンがCG合成でした。

2017年8月26日土曜日

朝鮮半島はなぜいつも地獄が繰り返されるのか: 中国人ですら韓民族に関わりたくない本当の理由 / 石 平



中国生まれ、中国育ちだけど、日本に帰化して今は日本人となった石氏が、兆背半島の歴史について語ります。
今の朝鮮民族だけではなく、それ以前から半島を支配していた歴代の民族が、そろいも揃って王族内で覇権を争って親子兄弟で殺し合っているのですから、もう民族の問題というよりは朝鮮半島には人を狂わせる毒素が満ちているんじゃないかとしか思えませんね。
本書のサブタイトルに「中国人ですら漢民族に関わりたくない本当の理由」とありますが、歴代の大陸国家が、属国である半島国家を完全に自国領とせずに、あくまで属国に留めおいたのも、半島人に直接関わると面倒だからなんでしょうな。

2017年8月24日木曜日

知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 / 池上 彰



今の日本で、世界情勢について池上氏程、的確に分かりやすく解説できる人はいないのか?と云いたくなるくらいに、テレビ・雑誌などでひっぱりだこですね。
逆にいえば、今の日本のマスコミ界には、世界を語れる人が全然いないってことですよね。
まあバブル期辺りから、マスコミ連中の視点って、東京だけを見ていて、世界はおろか日本国内のこともろくに分かってない報道ばかりだし。
シリーズ8巻目だそうですが、このシリーズを読むのは、確かこれが初めて(池上氏の他の著書は読んでますが)だと思うので、遡って1から読むべきかどうか…。

米国トランプ大統領の話から始まります。
今の世界情勢のぐちゃぐちゃなのは、トランプ大統領の責任ではありませんが、拍車を掛けているのは確かですね。
元はといえば、ブッシュJr.がお父ちゃんに負けまいと功を焦ったからなんでしょうけど。

2017年8月22日火曜日

蘇我氏と馬飼集団の謎 / 平林 章仁



蘇我氏は継体天皇の時に大臣に抜擢され、そこから躍進が始まったんですね。
「蘇我」の語源は、素戔嗚尊が「すがすがしい」と詩に詠んだ土地名から来ているという説を見たことがあったので、遙か古代からの一族だったと思ってました。
が、どうも古代有力豪族だった葛城氏の傍流だったのが、本家が絶えてから、その後釜として政権中央にデビューしたような雰囲気です。
また、蘇我氏が大王家の馬を飼育する一族を従えるようになり、経済力も得て、一族としての力を蓄えたのではないかという説が述べられています。
(と書くと、ちょっと要約しすぎかも知れませんが)
馬子という名前や、蘇我の血を引く聖徳太子の名前が厩戸皇子なのも、蘇我氏が馬飼と強い関係があったからだという説ですね。
多くの史書を深く読み込まれているようで、裏付けもしっかりとした推論を展開されています。

本文には特に関係ないのですが、聖徳太子の居所が「上宮」と呼ばれていて、当時の王宮の南にあったらしいのですが、歴史家の中には「上というからには北にないのはおかしい」と宣う方がおられるのだとか。
奈良市では、今でも東へ行くことを上る、西へ行くことを下る、というのを知らないんですかね?
或いは、下総が北で上総が南にあることも。

2017年8月21日月曜日

SIGMA ARTレンズのレビュー記事



今月のアサヒカメラのニューフェース診断室で、SIGMAのsd Quattro Hが取り上げられているのですが、それと共に、ART 24mm/F1.4と85mm/F1.4も取り上げられていたので、かなり久々に買ってみました。
自分が買いたいと思うカメラとかレンズが、ニューフェース診断室や、日本カメラのテストレポートに、取り上げられることがなかなかないので、極偶にしか買わなくなったんですけどね。
それ以外の記事には、あまり興味が湧かないですし。

24mm/F1.4の方は公称に近いMTF特性が出ており、開放でもF1.4にしてはよく写っていると書かれています。
85mm/F1.4の方は20-40本/mmの特性が公称のMTF特性よりも低いようで、そのためか開放では甘く絞るとキリッとすると書かれています。
私の購入した85mm/F1.4は開放でもキリッとしているので、測定が微妙にピントが外れた状態で行われたのでなければ、出荷検査が甘いのかなという危惧があります。
SIGMAの出荷検査基準がどれくらいかは分かりませんが、性能的に公称値から少し落ちた個体がテスト対象になっていることは、ちょっと残念ですね。
まあ、それでも10年以上前までは、MTF特性が公称値に近いということは、あまりなかったことを考えると許容範囲なのでしょうけど。

で、本来のテスト対象のQuattro Hですが、レスポンスの遅さを指摘されています。
が、それを考慮しても映りのよさは評価されていますね。
静物もしくはあまり動きの激しくない被写体では、いい結果が生まれそうです。

2017年8月16日水曜日

倉山満が読み解く 足利の時代─力と陰謀がすべての室町の人々 / 倉山満



倉山満が読み解く 太平記の時代―最強の日本人論・逞しい室町の人々の続編です。
足利幕府の黎明期から三代将軍の義満の死去までを解説しています。
初代書軍となった尊氏は、弟の直義と非常に仲がよかったはずなのに、何故殺し合うまでになったか?という疑問が、これを読んで納得できました。
それにしても尊氏のカリスマ性の強さは半端ないですね。
将軍という地位に着くには、人が好すぎたために、混乱を招いたみたいですが。
その点、三代将軍の義満の豪腕振りは恐ろしいくらいで、幼少の内に暗殺されなかったのが不思議な位ですが、最後は暗殺された疑いが濃厚ですね。
いずれにしても、この室町幕府初期のゴタゴタが、将軍の権威を失落させ、先の戦い(by京都人)と戦国時代の混乱を招いたわけですが。
敵味方が頻繁に入れ替わり、何がなんだか分からん時代なので、解説する方も大変だったと思います。
日本にこんな時代があったことが、不思議なのですが、世界的にはこれくらいの敵味方が頻繁に入れ替わり、常に周りを疑いの目で見ていないと、あっという間に寝首を掻かれるのは普通なんですよね。

2017年8月15日火曜日

マミー

マミー公式ページ

トム・クルーズ主演ということで観に行きました。
タイトルと予告編の雰囲気から、てっきりハムナプトラシリーズの続編かと思っていましたが、その続編にトム・クルーズというのが違和感あったのですが、やっぱり続編ではなく、昔々のミイラ復活する映画のリメイクだそうです。
ちょっと内容的に詰め込みすぎで、説明不足感が強いのですが、トム・クルーズの演技力でカバーというところでしょうか。
ユニバーサル映画のクラシック・モンスター・シリーズのリメイクを行う、ダーク・ユニバースというブランドを立ち上げ、これからドンドンとリメイク作品を製作するそうです。
その時には、神となったトム・クルーズも登場するのかな?

スパイダーマン ホームカミング

スパイダーマン ホームカミング公式ページ

再々登場のスパイダーマンですが、キャプテン・アメリカでアヴェンジャーズの手助けに登場しましたが、その後のスパイダーマンの成長を描いたのが本作です。
アイアンマンがスパイダーマンのサポート役というか教育係というか、そんな感じで登場します。
キャプテン・アメリカもちょこっと登場しています。
これを観ておかないと、今後のアヴェンジャーズ・シリーズが理解できなくなると思いますので、アヴェンジャーズが好きな方には必見です。

2017年8月14日月曜日

ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢 / 中野 雄



日本ではヴァイオリンといえばストラディヴァリウスと謂われますが、グァルネリの方はあまり有名ではないんですよね。
ブランド物だと中身はともかくお値段とか有名人が使用しているとかで、マスコミが報道すると一般人もそれに感化されてそればっかりになると。
本書で専門家を集めて、値段の高いのから安いのまで集めて、ブラインドで聞き比べをしても、誰も当てることができなかった実例が紹介されています。
しかし、実際にストラディヴァリのヴァイオリンを使用されている、世界でもトップクラスのヴァイオリニストによると、弾きこなすのに何年もかかるとか。
パッと持って弾いただけだと、一流の弾き手でもその真価を発揮できないのがストラディヴァリなんだとか。
逆にグァルネリの方は、直ぐにいい音が出せる弾きやすさがあるそうで。
そんなのだから、ストラディヴァリを再現したヴァイオリンができても、同じような音がすぐに出せるわけではないんでしょうね。
17世紀から18世紀の、ほんの100年足らずの間に、伊太利亜北部のクレモナという地域の限られた職人だけが作り得た、至高の木の箱。
その秘密は未だに解明されないまま。
その木の箱についての蘊蓄は、音楽が好きな物なら知っておいて損はない話ばかりです。

2017年8月11日金曜日

海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史 / 佐野 貴司



一応、ムー大陸やアトランティス大陸は実在したのか?というのがテーマということになっています。
実際には地球の地殻変動についての解説書ですね。
嘗ては1つの巨大大陸だったのが、いくつもに分割され、それがまた繋がって、現在の地球の大陸ができているわけですが、それに至る経緯やメカニズムを分かりやすく解説されています。
でも何しろ地下深くで起きており、タイムスケールも数千年単位の億年スケールの話なので、まだまだ分からないことだらけということですな。

2017年8月9日水曜日

【くるまのおと】次世代エンジン「SKYACTIV-X」

マツダ公式ブログ

HCCIは何十年も前からのエンジン技術者の夢と言われていた燃焼技術ですが、公道で走るには程遠いレベルでしか実現できていませんでした。
近年のF1でトップチームのエンジンはHCCIを使っているという噂はあるけど、公表されて一般市販車へ搭載となると別次元の話で、快挙も快挙、途轍もなく凄いことなのです。
ディーゼル技術で世界一になったマツダが、これでガソリンエンジンでも世界一ということになります。
とにかく凄い!

LIVE / Frank Marino and Mahogany Rush



ちょうど40年前に録音された本作は、日本における、否、世界におけるFrank Marino様の爆発的人気の導火線となった名盤中の名盤なのですが、なんと日本盤のCDは、今回が初だと…。
スタジオ盤には日本盤があるんだけど、このLive!が日本盤では発売されていないことには気が付いてなかった…。
CD化された輸入盤は30年くらい前に買ってるし、その後リマスター盤(それも輸入盤だな)も買ったけど、最新リマスターで値段も1,000円(税別)ということで、また買ってしまった。
が、今までの中で一番音がクッキリとしてリアルなサウンドなので、買ってよかったです。
それにつけても…何故にこのような素晴らしいミュージシャンが、今の日本では忘れ去られているのか。
嘗ては、「メンバー全員がファンだから」という理由でバンド名を「Marino」にした方達もいたくらいなんだが…。
ついでに書いておくと、11曲目のThe World Anthemは、Xのメジャーデビュー1作目のOpening numberとしてカヴァーされたのです。
YOSHIKI氏曰く「これはXの曲だ!Frank Marinoが17年前にXのために作ってくれていたんだ!」曲も演奏も最高なのにねぇ。

2017年8月4日金曜日

神の時空 / 高田 崇史



シリーズ第二弾です。
今回は日本武尊が俎上に載せられています。
日本最大の英雄として扱われていますが、古事記の記述を読む限りでは、乱暴で嘘つきで策略家で卑怯者な姿しか思い浮かばないのですが。
その英雄の姿を暴き出すような説が唱えられています。
正にそれが本当の姿だったのかなと感じます。

2017年8月3日木曜日

渡来氏族の謎 / 加藤 謙吉



古代から中世において、半島や大陸の国家との外交を担った一族が、半島(主に百済)出身の家系であったという説を述べられています。
まあ不思議ではないですよね。
百済王(くだらのこにきし)という氏族がいたのですが、これは白村江の戦いの時に日本が新王として担ぎ出した(日本に滞在していた百済王子である)余豊璋の弟の、余善光という人の子孫だそうで。
余豊璋の弟も一緒に日本に(人質として)滞在していたのは、初耳だったのですが、百済王家が高級貴族として遇され、(百済が滅びてからも)天皇家に女御を出していることを考えると、日本の王家と百済の王家は親密以上の関係にあったんでしょうね。
#とはいえ、余豊璋の兄が天皇家を乗っ取って天武天皇になったという説は、それにしては百済王家の地位が低いことを考えると、あり得んということになりますね。

また半島出身の氏族が、中国の皇帝の子孫であると詐称(という筆者の見解)をして、自分達の血筋が貴いものとして、地位身分を上げて貰おうとすることが共通しているのは…なんか現代韓国人が詐称する自国の歴史に似た感じで…(以下自粛)

2017年7月30日日曜日

TOO BAD / LIPSTICK



高校生の時にインディーズ・バンドとしてデビューした女性3名+男性1名のHard Rock'n' Roll Bandです。
最近(半年位前かな?)にヴォーカルが交代して、新ヴォーカルでの初音源が本CDで、スタジオ録音2曲、ライブ録音2曲(1曲がスタジオとライブの両方での収録)です。
私がライブ撮影しているバンドが、LIPSTICKの主催ライブでOpening Actを務めた関係で、LIPSTICKのステージも撮影させて貰えることになったのですが、最近では珍しい本格的なRock'n'Rollを聴かせてくれる上に、ステージングも素晴らしく見応えも撮り応えもあります。
前に書いたことがありますが、最近の若い人はタイム感がコンピューターゲームになっていることが多いのですが、彼女達(&彼)のタイム感は本物のRock'n'Roll(イヤ、正確に言うと'80年代のジャパメタ)のタイム感で、そのせいかファンは50代、60代のおっさんが多いですw
単に若くて可愛い女の子目当てで来ているという感じでもなかったので、このリズムに乗せられるおっさんHR/HMファンが自然と惹きつけられるんでしょうね。
私も彼女達(&彼)のタイム感は好きです。
曲も、ストレートなRockで、元気を出したいときにはピッタリです。
活動拠点は東京で、ライブも殆どが東京ですが、機会があれば是非ライブを観てみてください。

LIPSTICK公式WebSite

2017年7月27日木曜日

中国——とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国"のカラクリ - 在米中国人経済学者の精緻な分析で浮かび上がる / 何 清漣 (著), 程 暁農 (著), 中川 友 (翻訳)



うーーーーーーーん、本来ならとっくに破綻しているはずの、中華人民共和国政府の財政なのですが、共産党独裁政権による強権によって未開拓の土地を切り開いて金に換えることで、金を生み出してるみたいですね。
荒野が余りまくっているから可能な技で。
更にそういう土地は本来なら買い手は付かないものですが、官立の建設業者が買い取って、それを官製操業で転がして…まあ国立銀行が札束を刷りまくって、その裏付けを(売り物にならない)土地や建物にしてインフレや元安にはならないように操作していると。
今一つ、この仕組みで自転車操業が回っている理屈が理解できてないので、この理解で正しいかどうか…まあ正確に知りたい方は、本書をキチンと読んで下さい。
何にしても、共産党独裁政権下による資本主義的な別の何かだからこそ成立する極特殊な仕組み。
弾けないバブルはないんだけど、非常に強固で弾け難いバブルを作ることに成功している。
しかし、欧州資本は中国の工場を閉鎖して逃げに走っているし、政府の高級官僚や裕福な資本家層は資金を海外に移し逃げ先を確保しているし…。
共産党政府がいつまで政権を保てるかも問題。
爆発するのがいつになるか分からない爆弾程危険なものはないんだが。

2017年7月25日火曜日

若い読者のための第三のチンパンジー / ジャレド ダイアモンド



ダイアモンド博士の初期の著書を再編集して、若い人にも分かりやすいようにしたものだそうです。
が、読み進んでいく内に前の方に書かれていることと後半の方で、やや矛盾したことが書かれていて…結局何が言いたいんだろう?と最後の方で思ってしまいました。
チンパンジーとヒトは、DNAの差が1.6%しかないそうで、それにも関わらずヒトはチンパンジーや他の類人猿とは差が大きくあります。
その差を生んだのが、言葉を話すかどうかの違いなのは間違いないです。
ヒトの様々な音を出せる発声の能力は、他の生物には見られないんですよね。

2017年7月22日土曜日

ENGRAVED / ANTHEM



バンド活動30周年。といっても、中断期間が10年以上ありますが。
今回は清水さんが半分近くの曲を書いています。
一部の作詞に外部の人を使ったりしていて、再結成後ではなかった試みですね。
とはいえ、結成当時のANTHEMは、曲を柴田さんと福田さんが半々くらいで書いていて、歌誌も坂本さんが書いているものが多かったりしたので、そういう意味では原点回帰といえるかも知れません。
タイトルの「ENGRAVED」というのは、「刻み付ける」「刻印」などの意味があります。
ANTHEM 30年の歴史に刻み付ける一枚ということになるのか、聴く人の心に刻み付けられる一枚になるのか。

AmazonだとDVD付き限定版と通常版の価格があまり変わらなかったので、限定版を買いましたが、PVが1曲とインタビューなので、曲にしか興味ない方は通常版で十分でしょうね。


2017年7月20日木曜日

時空のからくり 時間と空間はなぜ「一体不可分」なのか / 山田 克哉



相対性理論による時空の特性を分かりやすく解説しています…が、やっぱり理解はできなかったです。
一応、重力場の強さによって空間が縮み時間が遅れる仕組みは、何とか理解できました。
慣性質量と重力質量が一致していないといけないことも、何とか理解できました。
それにつけても、神様は一体何のためにこんなややこしい仕組みを時空に導入したんだよ。

2017年7月15日土曜日

【メンテナンス日記】Demio 12ヶ月点検

書くのを忘れていましたが、6月に2回目の12ヶ月点検を受けてきました。
Demioに乗り換えて丸2年経ったということですね。
半年前の6ヶ月点検から、1,160km増えて4,104kmでした。
年に2千kmしか走ってないのは、なんか勿体ないような感じです。

通常の点検の他、ATの変速ショックが大きくなって来た気がするのも見て貰いましたが、特に問題なしとのこと。
新車時の変速ショックが、極軽いコツンという感じのショックだったのが、にゅるんという感じでボディ全体が前後に揺さぶられるような感じになってきていて、ATFがへたってきた時の感じだったのですが、まあメーカー的にはこれが通常状態で、新車時の方が特別なんでしょうね。
それよりも、電子制御のアクセルによるエンジンとATの協調制御の出来が、今一つなことが原因かなという気はします。
今の改良型だと改善されている可能性はあるのですが、ゆるい坂道(上りでも下りでも)で、1〜3速の変速を変に粘って前に進まないと思ったら、突然シフトダウンしてエンジンをドーンと吹かして飛び出そうとする(上に、てめえで勝手にエンジン吹かしておいて、アクセル操作が乱暴とiDMに怒られる)ことが多々あって、この変な癖を手懐けるのに苦労しています。
SPORTモードにしたり、マニュアルモードにしたりしているのですが、アクセルとシフト操作に対する反応が遅いので、どうやっても同じ現象が発生するんですよね。
マツダのテストコースには、坂道がないのか?と思ってしまいますよね。
この辺りは、やはりBMWに比べると造り込みが甘いなあと思ってしまいます。

2017年7月13日木曜日

左近 / 火坂雅史





「三成に過ぎたるもの二つ。島の左近に、佐和山の城」と謳われた、鬼左近こと島左近の一生を描いた小説です。
が、最後まで書き上げる前に、火坂氏は逝かれてしまい、秀吉が亡くなって朝鮮からの軍引き上げ辺りで終わっています。
下巻の2/3くらいまで読んだ辺りで、この調子で関ヶ原の合戦で死に至るまでが?と不思議だったのですが、連載中に亡くなられて未完結だったという。
そういう意味では、本作は氏の遺作ということになりますが、未完のため、公式な遺作は「天下 家康伝」ですね。こちらはまだ文庫化されていませんが。

島左近が主人公ではあるのですが、上巻はその頃に島左近の仇敵であった松永弾正の方が主人公なんじゃないかと思われるくらいに、登場シーンが多いです。
後に石舟斉を名乗ることになる柳生宗厳が、若き頃は松永弾正の右腕として暗躍していることが書かれていて、ちょっと驚きました。
これまで読んだ小説なのでは、石舟斉は若い頃から武術一筋で政治的なことには関わらない人物であったように描かれているばかりだったのですが。
とはいえ、柳生の郷は伊賀忍者の勢力圏であり、徳川幕府では柳生忍軍を柳生一族が率いていたわけで、当然柳生宗厳も忍術の心得があると考えるべきで、そうすると当然政治的な諜報活動も得意だったはずで、ここに描かれている姿の方が実際に近いのではないかと思われます。

さて、主人公である島左近ですが、愚直といってもいいくらいに一途で頑固な漢です。
その漢っぷりを存分に楽しめる小説です。

2017年7月8日土曜日

槐 / 月村 了衛



日常が戦場に変わる。
これからの日本で、こういうことが起こる可能性が…洒落ではなくあります。
戦場になった舞台の地図を作成して、登場人物がどう動くかをキチンと検討してストーリーを構築したそうで、そのためかイヤにリアルなんですよね。
文章のスピード感も凄くて、分厚い本なのにあったいう間に読み終えてしまいました。
こういうところは、本当に上手い作家だなと思わされます。

2017年7月3日月曜日

戦艦大和誕生: 西島技術大佐の未公開記録(上・下) / 前間 孝則





もう少し技術的な詳細が述べられているかなと思ったのですが、苦労話が中心になっていて、これを読んで西島式工程管理術を会得するのは無理でした。
それにつけても、昔も今も技術者の考え方とかやり方は変わってない、ことと、官僚とか技術を知らないけど権力を持っている連中のアホさ加減も、昔も今も変わってない。
現場がどんなに優秀でも、指導者がアホだとどうにもならないのがよく判ります。
それにしても、当時の軍官僚の無能さは、本書の中で当時の技術者が上層部からの要求は、冒険空想小説のできごとが実際に実行可能と思っている、と述べられていますが、今の官僚の描くシナリオも同じレベルですものね。

本書の最初の方で、各設計者がバラバラに設計するからパイプ一つ取っても、材質も系も肉厚も加工方法も違うものを使っていたのを、できるだけ同じものを使うようにして、コストや工数を減らした話が出て来ます。
今なら、こんなことは製造業であれば常識で行っていて当たり前…といいたいところですが、実際には今でもこういうことを理解できない設計者っているんですわ。
ハードウェア(機械、電機に関わらず実体のあるもの)製造だと、まだ製造部(工場)や部品の購買から文句が来るから、自然と正されることが多いですが、中小企業だと正されずにそのままになることも多いです。
ましてや、ソフトウェアになると、標準化とか共通化(ライブラリ化)をいくら唱えても、1000行の関数をコピーして1行だけ書き換えて専用関数を作って、ということをみなさん平気でやってくれて、後からメンテナンスを頼まれた時に(以下省略)

2017年6月29日木曜日

LIVE IN LONDON / Deep Purple



第三期になって初のライブの模様を収録したライブアルバムだそうです。
Deep Purpleお得意の即興混じりの掛け合いに、新加入の二人がまだ付いて行け切れてない感じもしますが、演奏と録音の質は高いです。
この時の前座がELFなのが興味深いです。
CD2枚組なのですが、7曲しか入っていません。
でも1枚目5曲の総演奏時間が40分以上、2枚目が2曲で50分以上、合わせて90分以上もあるんですよね。
今時のHR/HMバンドのライブで、1曲を30分以上なんてあり得ないけど、当時は割と普通にやっていたみたいです。

Angels Of Mercy - Live In Germany / Primal Fear



オフィシャルなライブアルバムは初ですね。DVDだけならあるんですが。
今年で20周年を迎えるので、その記念的な意味で発売されたのでしょうか。
HR/HMのライブも、最近はエフェクターやらPAやらが発達したせいか、音が綺麗でスタジオアルバムと同じような音になってます。
独逸公演なのにMCが英語なんですが…ここだけ後から差し替えているんじゃないだろうか?
DVD/Blu-rayも同時発売なので、興味ある方はそちらもどうぞ。

2017年6月22日木曜日

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 / ケント・ギルバート



ケントさん、弁護士の資格だけではなく、法律学者としての法務博士号をお持ちなのですね。
憲法(特定の憲法ではなく、世界各国の憲法全般)についての論文も書かれていそうです。
が、日本の憲法学者は、日本の現行憲法の文面についての専門家で、憲法とは何かとかどうあるべきかについては素人なんだそうで。
本書でも指摘されていますが、GHQが押し付けた現行憲法は、明確に国際法違反なので、本来なら棄却して大日本帝国憲法に戻すべきなんですよね。
今更、戻せるかというと(倉山氏も云うとおり)、既に70年間も運用されて来ているので、戻せないというジレンマ。

GHQが憲法草案を作成するに至った経緯や、第9条の軍備の放棄を入れた理由と過程についても、詳細に書かれています。
世の中に憲法護持を謳う人も、憲法改正を謳う人も、どちらも実は現行憲法についても、大日本帝国憲法についても、そもそも憲法とはどういうものであるかについても、全く知らないで思い込みだけであーだこーだ云っている虚しい論争であることがよく判ります。

憲法に限らないですが、日本人は明文法の文面だけを捉えて論ずる癖があります。
その反動か、明文化されていない不文律とか慣習などを無視する風潮が増えてきているように思います。
本書を読んで、法とは憲法とはどうあるべきものなのかを、しっかり考えてから論じましょうよ。

2017年6月16日金曜日

ホモ・サピエンスの誕生と拡散 / 篠田 謙一



日本人の成立史を明らかにしたような帯が付いていたので、買ってみましたが…今一つ期待外れでした。
これまで読んだ書籍で既に分かっていたことを改めて確認した程度です。
それに、弥生人は縄文人に半島からの渡来系が、水田稲作を持ち込んで溶け込んでいった、という既に否定されている説を書かれているのはガッカリです。

日本一やさしい天皇の講座 / 倉山満



タイトル通り、天皇についてやさしく分かりやすく解説された論書です。
今上の譲位(世間一般では「生前退位」)についての特措法が決まりましたが、本書は譲位について侃々諤々のやり取りがされている頃に、的外れな持論を展開する世間を悲観して書かれたもののようです。
結果としては、今回の特措法の内容は倉山氏の納得の行くものに落ち着いたようですが。
にしても、政府の集めた委員会のメンバーには、天皇についての著書もなければ、研究家でもない人達が集められたそうなのですが、どういう意図なんでしょうね?
天皇制廃止論もあるんでしょうけど、日本人が世界で一番モラルが高いと云われる原因を探していくと、結局は「万世一系の天皇陛下がおられるから」となってしまうのです。
天皇制を廃止したら、日本という国は10年くらいで、韓国や中共のような恥を知らない人達だらけの国になってしまうと思います。
廃止論者の言動やらを見ていると、半島か大陸国のスパイにしか思えないしね。

2017年6月14日水曜日

朴槿恵と亡国の民 / シンシア・リー



シンシア・リーさん、念願叶って日本へ移住されることになったそうです。
祖国での執筆は本作が最後とのこと。
扶桑社から出版されているシリーズが好調で、日本で作家として活動し生活することになったようです。
韓国では歯科医をされていたそうですが、韓国の(韓国に限らず日本以外で取得した)医師免許は日本では無効だったと思うので、これからも祖国批判の作品をずっと書いていかれるつもりなんでしょうか。
ちょっと悲しい気がしますが、日本で暮らす方が氏にとっては幸せなようです。

さて、本作では大統領を罷免された朴さんについてですが、大半はこれまでの大統領の話になっています。
歴代の大統領全て(でいいよね?たぶん)が、在任中或いは退任後に不幸なことになっています。
新たに文氏が大統領に当選されましたが、5年の任期を無事に勤めることができるかどうか。
#来年は冬季オリンピックが開催予定ですが…今の韓国財政状況で無事に開催にこぎ着けることができるのか…不発なら責任を問われて退任もあり得るでしょうし。

さて、朴さんは憲法違反ということで、罷免になり、現在は犯罪者として起訴され、裁判に掛けられるわけですが…逮捕された時から、一部で指摘されていたことですが、憲法或いは他の法律のどの条項にどう違反していて、その証拠はちゃんとあるのか?というと、やっぱり何もないらしいです。
法的な根拠がしっかりとあるわけでもなく、疑いがあるから犯罪者だ!というレベルの嫌疑で、大統領罷免の裁定を裁判所がしたと。
これまでの大統領で有罪判決になった人達も、後から作った法律で有罪にされている(遡及法といって、法治国家ではあり得ない断罪法)ので、現在の法律で有罪にできなかったら、「朴槿恵を有罪にする法」が議会で可決されて有罪にされることでしょう。
そしてたぶんまず確実に、文氏も退任後に断罪されることになるんでしょうね。
「亡国」と氏が言うわけだ。

2017年6月12日月曜日

古代日本の伝統技術 (別冊宝島 2581)



効率がよくなれば、反面失われるものも出て来ます。
古代の技術より現代技術が優れているかというと、そんなことはなく、現代技術では1000年保つものは作れないのです。
木の使い方と建築物、製鉄技術、食物加工などについて、古代と現代の技術が比較されています。
これまで読んだ書籍で、知っていたことではありますが、これだけまとまって分かりやすく書かれているのは余りないと思います。

2017年6月11日日曜日

秘伝・日本史解読術 / 荒山徹



伝奇歴史小説家の荒山氏が解説する日本史です。
氏独特のユニークな見方と解釈が満載です。
これはいくらなんで、という箇所も多々ありますが、成る程と思わされる箇所も多いです。
氏によると日本の歴史に疎い方向けに書かれたとのことですが…これを入門書として読むと、色々と後で他の日本史関連の書籍を読んだときに苦労するような気もしますが。

2017年6月7日水曜日

名刀に挑む 日本刀を知れば日本の美がわかる / 松田 次泰



古刀の再現とそれを超える作刀を目指されている刀匠が、日本刀と日本文化について語った一冊。
日本刀は鎌倉が最高で、その後は美術品としての価値が落ちていく。
鎌倉に戻ることを目指して、江戸時代から多くの刀匠が挑戦しているけども、まだ再現できた刀匠はしないそうで。

かなり昔に、ある刀匠の方が、鞴の技術が進んで温度が上げられるようになったのが原因として、わざと温度の上がらない状態で作刀をされている方がいました。
この方も同じようなことをされて、かなり近いところまで来られているようです。
そこから先は、材料になる玉鋼の問題なのか、何なのか。

今の日本では生産性を重視して、西洋式の溶鉱炉を使った鉄を盛んに作っていますが、それだと結局はコスト競争で韓国や中共に負けている状況です。
それよりも錆びに強い、和鉄の良さを見直して、蹈鞴製鉄をもっと増やすべきとの論を唱えられています。
日本刀も世界的に人気で、購入を希望する人が多いらしいですが、日本の刀匠が作刀したものはなかなか手に入らないので、中国、韓国、タイなどで作られた日本刀っぽいものが大量に出回っているんだとか。
とても日本刀とは呼べない質の悪いものばかりだそうですが、それを日本刀だと思われたら、日本の恥になるんですよね。
日本では一人の刀匠が作刀できるのは、年間24本と制限されており、そのために刀匠の方々は収入が制限され、後継者を碌に育てることもできません。
是非とも、日本の誇りである日本刀の普及に、政府が力を入れて欲しいものです。

2017年6月5日月曜日

ローガン (LOGAN)

ローガン公式サイト

ウルヴァリンではなくローガン。
不死身のウルヴァリンのはずが、体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素によって、再生能力が失われていき老化して…後は映画をご覧下さい。
ローガンというタイトルであるのも、超人ではなく人間としての彼を描いているからでしょうね。

主演のヒュー・ジャックマンさん、劇中でずっと足を軽く引き摺った歩き方をしてるんですが、インタビューを読んだ感じでは演技みたいですね。
ずっと演技でああいう歩き方や走り方を続けるというのもかなり大変だったんじゃないかと思います。
ヒュー・ジャックマンさんは、昔から味のある演技をする俳優さんで、私は大好きなのですが、こういう細かいところも上手いなぁと、今回は特に感じました。

2017年6月4日日曜日

人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理 / 永田 和宏



著者は鉄冶金学の博士で、蹈鞴製鉄を中心として製鉄の研究をされている方で、本書が一般向けの著作としては初めてのもののようです。
が、この本の内容の濃さは凄いです。
今まで蹈鞴製鉄についての本は何冊か読んできましたが、ここまで詳細に科学的に解明され、説明しているものは初めてです。
更に日本の製鉄だけではなく、欧州の古代製鉄や、今でも残っている古い製鉄方法による農家製鉄というものも実際に見学され、解説されています。

日本の蹈鞴製鉄というのは、日本独自のものなのですが、何故独自のものになったかも解説されています。
ある意味、日本は資源に恵まれていないからなのですが、逆にそれが日本刀が日本独自のもので、半島や大陸で生まれなかった理由もよく判ります。

以前から疑問に思っていたのが、現代に残っている蹈鞴製鉄では、日本刀を製作するための鋼鉄だけが作られていて、鍋や釜を製造するような鋳鉄が作られていないのですよね。
日本刀が大量に製造された室町時代には、同時に鉄製の鍋や釜も大量に製造され普及しているので、蹈鞴製鉄の副産物として鋳鉄も作られたのではないだろうかと想像していたのですが、当たっていました。
明治初期頃までの蹈鞴製鉄では、鋼鉄と鋳鉄を同時に同じ量が同時に生成できていたそうで、長年の疑問があっさりと解消されました。

現代の西洋式のコークスを使った溶鉱炉では、燐や硫黄という鉄を脆くする元素が多くなるのですが、木炭を使った蹈鞴のような方式だと量産性が低くなります。
これの両者のいいとこ取りをした製鉄方法を考案され、本書末尾でも披露されています。
これが日本の製鉄会社で実用化されると、日本の製造業が復活できるきっかけになると思うのですが…。

2017年6月2日金曜日

「任那」から読み解く古代史 / 大平 裕



任那は、大陸の史書にも、半島の史書にも登場し、倭国が事実上支配していたこともはっきりと書かれているのですが、何故か日本の歴史学者の方々は「なかった」ことにしようと一生懸命です。
本書は任那の実在について詳細に検証されています。
大平氏の著書を読むのは2冊目なのですが、前著同様キチンとした物証に基づいた推論だと思います。

どこかの国の元大統領が「1000年の恨み」とかほざいていましたが、任那の実在と倭国の支配が確かなら、1000年の恨みを以て、日本(倭)国は半島の南半分を返却して貰うべきですね(笑

2017年5月31日水曜日

脳はいいかげんにできている: その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ / David J. Linden



脳の構造は、進化の過程で元の脳の上に機能アップのモジュールを付け足した形になっており、行き当たりばったりで機能拡張して来ているのですね。
そのため色々と不都合なことも多いのですが、結果的にそのいい加減さが人間らしさを生み出していると。

しかしこのことを読んでいて、人間の作るものも同じだなと思いましたね。
古いものを完全にぶっ壊して、新しく作り直せることはほとんどなくて、殆どは今まで使っているものを温存したまま付け足し付け足しでやってます。
作り直した方が速いんだけどと思っても、何かあって動かなくなると怖いから、とか、今動いているものを止めるわけにはいかないから、という理由でそうなってしまうんですよね。
脳の設計を一からやり直した方が、より高機能なものが生み出せるのは分かっていても、それができるまでの間を脳なしで生物進化をするわけにもいかんからね。

2017年5月24日水曜日

超能力微生物 / 小泉 武夫



醱酵と云えばこのお方、小泉博士の最新刊です。
前半は特殊な環境で生き延びる微生物のお話。
中盤が、普段我々が食している味噌・醤油・酒・酢などが、目的の微生物だけが繁殖し醱酵して、他の雑菌が繁殖しない原理を解説されています。
後半にこれからの世の中に役に立つであろう微生物の活用方法、野生の微生物から人類に取って都合のよい性質を持った微生物を探索するお話。
いやいや、世の中便利にできているもんですわ。
遺伝子組み換えとか編集とかが脚光を浴びていますが、そんなことしなくとも世の中には人類に都合のよい微生物が一杯存在してるんですね。

2017年5月20日土曜日

凶悪の序章 (上・下) 新・傭兵代理店 / 渡辺裕之





今年は渡辺氏が作家デビューして10周年ということで、次々と新作が発表されています。
新シリーズになってから、上下2巻の長作になることが多いのですが、今回も2巻構成の大作です。
にも関わらず、1日1冊ペースで2日で読み終えてしまいました。
いつもならが、渡辺氏の文章は説明が一見くどいようで、実際には読みやすくストーリー背景が理解しやすくなるので、物語の世界に直ぐに入っていけるんですよね。

本作では、冷たい狂犬とのコラボ編になっています。
できる男同士は、言葉を交わさずとも分かり合える様子を描いています。
本作のタイトルが「序章」となっているように、強大な敵との戦いが始まるということですね。

2017年5月18日木曜日

【くるまのおと】福野礼一郎あれ以後全集3/4





3と4が同時に発刊。出すならGW前に出して欲しかった。
2冊で2010年から2011年の原稿がまとめられています。
単にクルマについてだけではなく、ロングツーリングのレポートなどは、訪れた先に関連した様々な事柄も深く説明されていて、色々と考えさせられることが多いです。

ところでちょっと気になった記事がありました。
ポルシェ924が、車体の開発製造もAUDIにやらせていたと。
エンジンブロックは、AUDI 1.9Eの縦置きFF向けのエンジンのものですが、ブロックもトランスアクスルミッション用のFR向けに大幅な加工がされ、ブロック以外のパーツは全てポルシェ内製と聞いていたのですが…組み立てをAUDIにやらせていたとしても、ボディまで製造委託していたのか??
まあ当時、AUDIにはピエヒ氏が既に移籍していて、QUATROシステムを開発していたので、その頃からAUDIとポルシェの関係が深かったとしても不思議ではないんですが。

2017年5月12日金曜日

ミッション建国 / 楡 周平



新書版が発刊されたのが3年前、連載開始は4年半前だそうで、その時点で現在の日本と周辺国の問題を見通していたとは。
楡氏はこれまでも日本の問題点と解決策の提案をされてきました。
しかし残念ながら、それを参考にして日本の復活を行おうという政治家も官僚も起業家も皆無です。
巻末の解説で、本書の内容が現実であるのと同様に主人公のような政治家が現実であって欲しい、ということを言われています。
全く持って同感です。

2017年5月10日水曜日

建築から見た日本古代史 / 武澤 秀一



古代建築物の細かい説明があることを期待したのですが、大まかな様式とか配置くらいしか、建築に関しての説明はありませんでした。
どちらかというと古事記の記載と、遺跡調査による結果の整合性の説明が殆どになりますね。
それでも、古事記や日本書記の読み解きについては、かなり納得のできる解釈をされており、参考になりました。

古事記や日本書紀で、天照大神が天孫降臨を命ずる場面は「一書に曰く」となっており、本文には天照大神は登場しないんですよね。
にも関わらず、天照大神が主人公のストーリーが本筋のような扱いになっているのが不思議でしたが、本書の解説を読むと成る程と納得できるものがあります。
ちょっと読みにくい(というか、著者の言いたいことを咀嚼して理解するのに少し時間が掛かった)部分が多々あって、読むのに時間は掛かりましたが、時間を掛けて読んだ甲斐はあったかと思います。

2017年5月4日木曜日

空海と最澄はどっちが偉いのか? 日本仏教史 七つの謎を解く / 島田 裕巳



日本の仏教を中心とした宗教に関する7つの事柄について述べられたものです。
タイトルもその内の1つです。
今まで読んだことのない事柄が多く、日本の歴史と宗教について知りたい方は、是非読むべきかと思います。

2017年5月3日水曜日

ワイルド・スピード ICE BREAK

ワイルド・スピード ICE BREAK公式サイト

原題は「The Fate of the Furious / Fast & Furious 8」なんで、このシリーズも8作目ですね。
(3作目はヴィン・ディーゼルさんは未出演で番外編って感じだけど)
これだけ続くと、どれを観ていて、どれを見逃しているのか、さっぱり分からんのですが(苦笑)、たぶん前作は見逃してしまってますな。
まあ、その内どこかの見放題で観れるでしょうけど。

もう終わりみたいなことを云いながら、まだまだ続くのも興行成績が、前作が爆発的によかったからでしょうか。
本作も豪華なクルマが山のように登場します。(実際に走るのは、その中の一部だけですが)
ぶっ潰されるクルマの台数も半端ないし、ロケもあちらこちらで行われていて、制作費どんだけ贅沢に使っとんねん?って感じの映像のオンパレードです。
NYの追っかけシーンで、86とGT-Rが頑張ってました。マジで街中をぶっ飛ばそうと思ったら、この2台が速いんでしょうね。

で、このシリーズ、これからもまだ続くみたいです。
適役のサイファー(演シャーリーズ・セロン)が、しっかりと生き延びましたんで、またまた復習を目論むことでしょう。

GHOST IN THE SHELL

ゴースト・イン・ザ・シェル公式サイト

攻殻機動隊がハリウッド映画として実写映画化されるというのは、まあ意外ではなかったんですが、主演がScarlett Johanssonなので、何はともかく観ないとアカン!ということで観に行きました。(けど、Blogに書くのをすっかり忘れてて、4月8日(土)に行ってたんですけどね)
いつも映画を一緒に観に行く連れに「攻殻機動隊を観に行くで」と云ったら、最初分からなかったそうで、検索して本作のことだと分かったそうですが…世間一般的には攻殻機動隊はメジャーなコミック、アニメではないのね。
まあそういう私も、TVアニメはHuluで観たけど、コミックは読んだなかったりします。
だって大判の値段の高いのしか売ってないんだもん。どんなものか知るためだけに買うにはちょっと…。

それはさておき、映画だと上映時間が2時間くらいまでという制限があるから、原作に忠実にと云うのはなかなか難しいわけで、しかも本作ではこの1作で完結させようとしたせいで、原作とはストーリーが結構違ったものになっています。
それでもその制限の中では原作に近づけようとした努力の跡はありますが。
しかししかし、タチコマ達が出てなかったらアカンやろ!!とは云っておきたい。

愛しのScarlett様の体型が以前よりもご立派になられていて、出産したせいか?とも思ったのですが、とある解説を読んだところ、少佐の役柄に合わせて筋肉を作り込んだんだとか。
原作の少佐の擬体は、スリムに描かれているんですが、いくら人造の身体とはいえ、激しいアクションを考えると無理があるという監督の判断の下、ムキムキの筋肉質の体付きにしたそうで。
役柄に合わせて、そういう身体の作り込みができるというのは、やはりハリウッド俳優/女優というのは凄いなと思いますね。
どこぞの国の俳優さん達にそんな真似ができるかというと…たぶん無理でしょう。

2017年4月30日日曜日

東坡食譜 / 大河原 遁



「王様の仕立て屋」で作画をされている大河原氏の作品です。
不定期連載で五話まで書かれており、その五話で完結し、この度コミック単行本として発刊されたと。
第一話は読んだ記憶があるのですが、その他のは覚えがなく、初出の日付と掲載誌の記載がないのではっきりしないのですが、王様の仕立て屋とは別の雑誌に掲載されていたようです。
宋代の食べ物に関してのお話なのですが、当時の食材と現代日本のとでは全然異なるので、食グルメには余り参考にならないかなという気がします。
例えば、豚なんかも、古代中国では人糞を餌としていたため、余程の貧乏人しか食べたりはせず、猫の餌にされていたのだとか。
餌に人糞を使っていたことは、かなり以前に何かで読んで知ってはいたのですが、そのために貴族層は決して豚は食べなかったとは知りませんでした。
豚を食べて出したものを、豚に喰わせるとは、ある意味残酷だなぁと思っていたのですが、違ったのね。

忍者烈伝ノ乱 天の巻/智の巻 / 稲葉 博一





忍者烈伝シリーズ第3弾は、上下2巻の大作です。
舞台は忍者の郷、伊賀と甲賀です。
伊賀の東側は伊勢ですが、その伊勢の国主だった北畠家に、織田信長の二男が養子としてなって家を継ぐのですが、この辺りの詳細を記した小説とか歴史解説書を読んだことがなかったので、てっきり北畠家には跡取りがいないところへ上手く送り込んだものと思っていたのですが、全然違うようです。
跡取りになる男子がいるにも関わらず、無理矢理婿として押し込み、尚且つ一族を根絶やしにして家名を簒奪したという。
結末では、明智光秀の謀反に、その北畠家の乗っ取りが関係しているのでは?という説を披露しています。
それなりに納得できる説ではあります。
小説なので、事実とは異なる部分もあるでしょうけど、古文書からの引用が多数掲載されており、大まかな筋は史実に基づき書かれているようです。
戦国の世が如何に血生臭いものであったが、その引用に示されています。

2017年4月26日水曜日

【くるまのおと】高齢者事故を防止する人間工学

高齢者事故を防止する人間工学

マツダはFF車としてはあり得ないくらいロングノーズのデザインにして、前輪を前に出し、右ハンドルでもアクセルペダルの位置が自然な位置になるようにし、かつステアリング位置が身体の正面に来るようにしました。
このペダルオフセットをなくしたことによる効能が解説されています。
ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は、かれこれ30年以上前から取り沙汰されているのですが、これまで基本的なところから見直そうというメーカーはありませんでした。
踏み間違ったときに飛び出さないようにガードをする装置の追加はしていましたが、何故踏み間違うのかを考えて来なかったんですね。
マツダはペダルオフセットだけではなく、アクセルペダルをオルガン型にして、吊り下げ型を廃止しつつあります。(TOYOTAから供給を受けているハイブリッドだけは、TOYOTA方式にならざるを得ず、吊り下げ型でしたが)
この吊り下げ型のペダルは、ブレーキペダルをそのまま共用しているんじゃないかと思われるくらい似たもので、踏んだ感じもそっくりなのです。
実際、社用のTOYOTA車に乗った時に、夜明け前の真っ暗な中で手探りでエンジンを掛けたら、ブレーキのつもりでアクセルを踏んでいたことがあります。
当時のTOYOTA車はブレーキの反力がなくて、スカスカだったので、踏んだ感じでは区別もできなかったんですわ。
アクセルペダルをオルガン型にすると、こういう間違いはまず起こりません。
独逸車はみんな(だと思うけど、ひょっとしたら例外もあるかも)オルガンペダルにしているのは、たぶんこういうのが理由だと思うんですけどね。
安全安全と日本メーカーは盛んにCMで叫んでいますが、こういう基本的な部分での安全性が全く考慮されて来なかったのです。
遅ればせながら、マツダがやっと基本的なところから、真摯に安全性と云うことについて見直してくれています。
こういう部分は、なかなかユーザーには伝わりにくいですが、ユーザーも本当の安全性というものを見直す時です。

2017年4月24日月曜日

学校では教えてくれない日本史の授業 書状の内幕 / 井沢 元彦



今回の日本史の授業は、「書状の内幕」というタイトルですが、そのタイトル通りの「手紙で綴る日本史」と、もしも何々だったらの「もう一つの日本史」の2章立てになっています。
中身はいつもの井沢節なので、井沢氏の語る日本史が好きな方は必読です。

2017年4月22日土曜日

Tequila Suicide / Sinner



「テキーラ自殺」というタイトルがどういう意味かはさっぱり分かりませんが、Mat Sinner率いるSinner最新作です。
Primal Fearが正統的なHeavy Metalなら、SinnerはHard Rock'n' Rollというところでしょうか。
乗りのいい曲が多いのですが、今の日本ではHR/HMは何とか売れても、Rock'n' Rollはさっぱりなので、最近はSinnerも日本では売れてなくて国内盤のリリースがないのが寂しいです。
今回も乗りのいいHard Rock'n' Rollを聴かせてくれています。

EVERLASTING SYMPHONY / Silex



Silexのシングル第弐弾です。
リンクのAmazonでの発売日は5月17日になっていますが、Live会場では4月1日から発売されており、大阪のLiveでGETしたのです。
3曲中2曲が新曲、1曲がCrying Machineの曲のremakeですね。
バンドとしての活動も本格化してきて、より一体化したサウンドになっています。
Liveでも、これに収められている曲を演奏していましたが、生で聴くと更に凄いです。
是非、Liveにも行きましょう!

2017年4月19日水曜日

Scatterbrain / KXM



Goege Lynch様が、Ray Luzier、Dug Pinnickとコンビを組んだKXMの第弐弾。
変拍子…だと思うんだけど、なかなかちゃんとカウントできなくて、何拍子か分かりません(苦笑
前作の延長なので、前作Kxmが気に入った方は、本作を買っても気に入ると思います。
しかし、日本では余り売れなかったのか、今回は日本盤のリリースはなし。
Goege Lynch様は、日本で人気のあるDokkenのオリジナルメンバーなので、人気はあるんでしょうけど、RayとDugは余り日本では知られていないんかな。

日本国憲法を改正できない8つの理由 / 倉山 満



今の日本国憲法は、GHQ占領下に押し付けられたものなのですが、これは間違いなく国際法違反であり、日本国を亜米利加合衆国の永久に属国化するためのものなのです。
よほど日本の軍事力が恐ろしかったんでしょうね。
独逸でさえ、自衛のための軍隊を保持することを許されているにも関わらず、日本は未だに軍備を持つことを許されていません。
「マッカーサーの落書き」で、法の何たるかを知らない素人の、法としては欠陥だらけの作文を、後生大事に守る必要などないでしょうに。
これを見ると、帝国憲法が如何に優れており、民主国家の憲法としてよく練られたものであるか、分かると思います。
米国に洗脳されて、ろくに読んだこともない帝国憲法を否定する人が、今の日本人の殆どだと思いますが、現行の憲法の酷さも分かってないでしょうね。
はい、私も全く分かっていませんでした。
につけても、世の中の専門家という方々が、如何に物を知らない専門家なのかもよく判ります。
マスコミ連中が無知蒙昧なくせに、物知りで頭がいいと思い込んでいるのは、今更ですが。

2017年4月16日日曜日

韓国は、いつから卑しい国になったのか / 豊田有恒



日韓の歴史に基づく感情論の齟齬は拡大の一方ですね。
戦直後はそういうことはなかったのに、どこでそうなってしまったのか。
豊田氏は1970年代から韓国へ行き、韓国の人達と交流しており、その経験を語られています。
朝日新聞を中心として、日本には共産党国家をひたすら賛美し、日本国民の意識を意図的にミスリードした人達がいるんですが、そこに大きな原因があるのも確かです。
戦前、朝日新聞は郡部が戦争に突入するように煽りまくっていたのですが、戦後は従軍慰安婦の誤報(というより虚報)で日本の世界的な信用を失落させています。
まあ、普通の記事を見ても、記者が事実とは関係ない妄想を、事実かのように書いていて、出鱈目ばかりなのですが、気が付かない人ばかり何ですよね。
未だにこんな虚報(というか妄想)しか書いていない新聞が、存続できているのが不思議でしかたがないです。

2017年4月13日木曜日

神の時空 鎌倉の地龍 / 高田崇史



高田氏の新シリーズがいよいよ文庫化です。
本シリーズでも怨霊がテーマになっています。
鎌倉に眠る怨霊が、今回のテーマです。
鎌倉と云えば源頼朝が開いた鎌倉幕府なわけです。
鎌倉幕府の源氏将軍は三代で潰えたのですが、何故に北条政子が自分の息子を虐待するようなことをしたのか、昔から不思議だったのですが、本書でその答えが出ました。
今まで読んだ書籍には、その結論に関する証拠のようなものが一切なくて、山勘に近い予想ではあったのですが、私が朧気に考えていたことが正しいという証拠が提示されていて、スッと胸の支えが取れた感じです。

2017年4月12日水曜日

紅の五星 冷たい狂犬 / 渡辺裕之



冷たい狂犬の第二弾です。
前作冷たい狂犬を読んでいないと筋が分からない部分がありますので、第一作を読んでない方は、まずはそちらを読んでからにしましょう。
まだトランプ氏が大統領に当選する前に書かれたようで、クリントン氏とトランプ氏が選挙戦を争っている中での展開となっています。
これ以上書くとネタバレになるのですが、まあその争いが今回のネタになってます。

2017年4月8日土曜日

世界の裏側がわかる宗教集中講座: ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道、儒教 / 井沢元彦



イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の高位の方と、井沢氏の対談が掲載されています。
それぞれの言い分があるんでしょうけど、どの方も争いの原因はあちらにあって我々にはない、という態度ですね。
当たり前ですけど。
本当にそうなら、とっくの昔に世界平和は実現されているはずですが。
他、神道と儒教についての説明もあります。
この2つについては、逆説の日本史で述べられていることの繰り返しになりますが、神道と儒教に焦点を当てて整理しているの、宗教について再確認したい方にはお薦めです。

2017年4月5日水曜日

叛逆捜査 - オッドアイ / 渡辺裕之



順番が逆になってしまいましたが、オッドアイ・シリーズ第一弾です。
本書では日本の在日米軍の問題を取り上げています。
一応、日本国は独立国ではあるのですが、軍事的には米国の占領下にあるままで(まあそれ故に中共が攻め込んで来ないんですが)、それを理解できない日本国民からすると余計なお世話と感じる人が多いのも事実。
平和と唱えれば平和になると信じている根拠が、私には理解できんのですが、井沢氏言うところの言霊信仰なのでしょうね。

2017年4月2日日曜日

海の向こうから見た倭国 / 高田 貫太



半島の遺跡から当時の半島と列島の関係を研究されている方による、古代倭国の状況を解説した書です。
先日読んだケント・ギルバート氏の著書の中で、半島で発掘された前方後円墳が、半島国にとって都合の悪い研究結果になって、埋め戻されなかったことにされた話が出ていたのですが、本書によると半島国の研究者でもちゃんと遺跡の研究を、科学的に政治的な思想を入れ込まずにキチンとされている方がおられるようです。
ただ、本書の著者は韓国の大学に留学経験があり、奥さんが韓国人ということもあるのか、本書の記述で韓国びいきな表現がちらちほらりと見えるのが気になりました。

例えば、百済が高句麗に攻められた時の記述に「倭軍による工人の連行」という表現があります。
その直後に「半島南部の人びとの倭への大量移住」と書いているんだし、百済滅亡時には百済の王族貴族を始めとして百済の人びとが倭国へ亡命しているんだから、この「連行」という表現は、どう考えても不適切でしょう。
また半島の遺跡には倭国産のものがあることも書かれているのですが、先進的な技術は全て半島から来ているということを前提にした解説ばかりだったりで、なんあかなぁという感じです。
全体的には、半島に偏らず公平に書かれていると思うので、以上のことは揚げ足取りともいえるレベルのことなんですけど。

2017年3月27日月曜日

日本人だけが知らない「本当の世界史」 / 倉山 満



日本人の常識は世界の非常識と言いますが、どこがどう非常識なのかもよく判っていません。
かくいう私だって、よく判ってませんけどね。
日本人は何かというと「話し合えば判る」とか「死ねば皆仏」などと言いますが、それが通用するのは世界中で日本だけ。
取り敢えずは、欧州の白人がどういう感覚をしているのか、本書で勉強しましょう。

2017年3月23日木曜日

儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 / ケント・ギルバート



ギルバート氏は、来日してしばらくの頃は、テレビ番組で二言目には「アメリカでは…」と米国の常識に比べて日本の常識はおかしいと糾弾するような発言が多かったのですが、今ではすっかり日本を好きになったようです。
ギルバート氏の著書は初めて読んだのですが、日本人の高い意識を賞賛し、中国人や韓国人の低俗で下劣な意識を糾弾する書籍を、これまでに何冊も書かれているようです。
とはいえ、今の日本人がGHQにすっかり洗脳されてしまっていることも、強く強調されており、その洗脳からの脱却を望まれています。
仁義礼智信のない、自己を異常に美化するだけになった拝金主義の儒教が、如何に危険なものか。
いい加減に、日本人は目覚めろと言いたいですね。

2017年3月21日火曜日

「お寺」で読み解く日本史の謎 / 河合 敦



日本の有名なお寺の創建や成り立ちについての雑学コラムという感じです。
なかなか興味深い話が多いです。
歴史好きの方なら一読して損はないと思います。

私は毎年初詣でに成田山(千葉成田の本社ではなく、大阪府下の分社の方)に行くのですが、成田山新勝寺は元々平将門公の反乱に対する怨敵退散の祈祷が元になっているんだそうで。
今でも関東では将門公の人気は高いのですが、その将門公の勢力を鎮めるための成田山が、初詣で者数で全国二位(一位は明治神宮)というのはなんとも皮肉なことです。

2017年3月20日月曜日

【くるまのおと】'70年代では三菱車は現実的な憧れだった



Motor Fan復刊Vol.6では、三菱ギャランGTO MIIのロードテスト復刻を行っています。
これまでの復刻では、私は実際に見たことがないクルマばかりだったのですが、本号で初めて身近に触れたことがあるクルマが登場しました。
5歳年上の従兄弟が、免許を取って買ったのが、中古のギャランFTOという、GTOの弟分のようなクルマでした。
大学でバイトに行った先の社員さんで、GTO-GSRに乗っている人がいました。
そして、大学4年の時に所属していた研究室の助手(つまりは大学の先輩)が、ずばりMIIに乗っていて、助手席ですが乗せて貰ったことがあります。
卒業直前に、その方がクルマを買い換えるという話をされていて、(エンブレムはMRになっていたので)
私「MRなら30万円出すから売って下さい」
先輩「あれMRはエンブレムだけで、実はMIIやねん」
私「MIIなら5万円ですね」
先輩「そんな安う売れるかよ!」
で、その時は終わったのですが、後日研究室で卒業の挨拶をしていると
先輩「おい、クルマ5万でええぞ。下取り査定して貰ったら5万円と言われた」(と泣き崩れる)
で、その時に「買います!」と答えていれば、MIIオーナーになれたんですが、関東に就職で行く直前3日前で、譲渡手続きをする暇がなく諦めたんですわ。
1週間早く言ってくれてれば、買ったのに(泣)
#後日従兄弟に「アホかお前は!手続きなんか後でしたらよかったんや!」と怒られました(苦笑)
従兄弟の乗っていたFTOもいいクルマでしたし、'70年代初頭にランサーが世界中のラリーで勝ちまくってましたから、三菱車は好きだったんです。
でも'80年代に入って、バブル期になると、何を間違ったのか変なクルマばかり輩出するようになって…結局三菱車オーナーになることはありませんでした。
今の三菱自動車の体たらくを見てると、FTO/GTOの頃の栄光はどこへ行ったんだ?という気にはなりますね。
ランエボという化け物を連発していたのが、その名残でしょうか。EVOじゃないノーマルは全然魅力なかったですが。

2017年3月19日日曜日

Nutubeを使ったDCアンプが登場



DCアンプで有名な金田先生が、Nutubeを使ったフォノイコライザー+バッファアンプ兼ヘッドフォンアンプを発表されました。
LPレコードはもう持ってないのですが、ヘッドフォンアンプは作ってみたいですね。
KORGがギターエフェクター用に開発したNutubeですが、その三曲菅特性の美しさにオーディオ業界からも熱い注目が集まっています。
金田先生も絶賛されており、特性も音質も非常によいようです。
期待したい!

「免疫ビタミン」のすごい力 - ガンも認知症も寄せつけない - / 杣 源一郎



免疫ビタミンという言葉は、まだ聞き慣れませんが「リポポリサッカライド」略称「LPS」という物質です。
植物に付着しているグラム陰性細菌の一種が生成するものだそうですが、これが免疫細胞であるマクロファージを強烈に活性化するとか。
結論からいうと、日本で古来から食べられている食品はLPSが豊富に含まれていて、最近の子供に多いアレルギーなどは、食事が西洋化工業化したためにLPSが取れなくなったせいではないかと。
少し前に読んだ「酵素」の謎――なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか(祥伝社新書314)では、食物から酵素を取ることで病気を防ぐ話が出ていましたが、ここで推奨されている食物は本書で推奨されている食物と共通しているものが多いです。
違いというと、酵素は熱を加えると分解するので生食を必要とするのに対して、LPSは熱では分解されないので加熱調理しても問題ないという違いはあります。
いずれにしても、酵素とLPSの相乗効果で、免疫力が高まり健康が維持できるのかも。

2017年3月16日木曜日

嘘だらけの日仏近現代史 / 倉山 満



仏蘭西といえば(生まれはオーストリアですが)マリー・アントワネット。
マリー・アントワネットといえばルイ16世。
日本で大人気のベルばらでは、ルイ16世はチビでデブというイメージが定着していますが、実はそれはかなりの悪意に満ちた嘘だそうで、実際には身長194cmの筋肉質でスラリとした体型だったそうです。
逆にマリー・アントワネットは身長154cm(これでも当時の欧州白人女性としては普通だそうで)、ウエスト58〜59cm、バスト109cmと、超巨乳!
ルイ16世がチビデブという誤解から、短小だったんだろう、それで夫婦の夜の営みが上手くいかず…という風に言われていますが、実際には16世は巨漢なのに対して姫は小柄なわけですから、噂とは逆にデカ過ぎて入らなかったんじゃないか?という気がします。
まあそんなことは、本書の本文には何にも関係ないですが。

「国王万歳!」と叫びながら王家一族を拉致って監禁したあげくギロチンで処刑し、共和制政府を立てたけど上手くいかず、戦争上手のナポレオンがどさくさ紛れに皇帝の称号を得て帝政に移行。
ナポレオンが崩御されると、後釜に16世の弟を引っ張り出してきてルイ18世として王位について、再び王政に。
その後暫く王政が続くけど、結局また革命が起こって共和制に移行。
その共和制下でナポレオン3世が政治家として出世していき、国民投票で皇帝になり、再度帝政に。
しかし3世は戦争に弱くて独逸に負けて退位。再び共和制に。
一体、何がしたいねん?という感じですね。

現在は外交を大統領、内政を首相が行う共和制ですが、大統領を設けたのはいつでも王政に戻れるようにするためだとか。
思うに、ヒトというのは所詮は霊長類で猿の一種なので、ボスがいないと安心できないんでしょう。
なので、王とか皇帝とかがいた方が、国民は落ち着くんじゃないかという気がします。
日本がなんだかんだいいながら、世界の中では最も安定で平和な時代が多いのは、天皇の存在が安定装置として機能しているからという気がします。
王がいなくなった半島では、北は代わりの王を戴き、南は天皇を羨みながら王政に戻ることもできずに混乱の極み。
大陸では歴代の書記長が皇帝になろうとするけど、皇帝の徳があるとは認めて貰えず、中途半端なまま退位に追い込まれる。
閑話休題。

日本が素晴らしいとは必ずしも言えませんし、戦後まともな政治家も官僚も出て来ないですが、それでも世界の大国とでかい顔していう国々に比べれば、よほどマシです。
一度戦争に負けただけで、自身を失い自己を卑下するばかりの日本人は、もっと自信を持ち、この地球に平和をもたらすことができるのは、世界で唯一日本人だけだということを、しっかりと自覚するべきです。